「女子高生青春群像劇の日常と宇宙船襲来の非日常」デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
女子高生青春群像劇の日常と宇宙船襲来の非日常
YOASOBIの幾田りらとあのちゃんが、主人公2人の声優に挑戦した、人気コミックの映画化。既に公開は終了し見損なっていたが、huluの配信で前後編を配信し始めたので、先ずは前編を鑑賞。思った以上に2人の声が、キャラクターとも馴染んでいて、違和感なく耳に届いてきた。特にあのちゃんの声は、アニメにした場合、よりそのキャラを際立出せる独特な魅力を感じた。
最近の世界情勢においては、大震災や台風などの自然災害、コロナ・ウィルスによるパンデミック、各地で起こる戦争や内戦等、地球規模での恐怖を目の当たりにしてきている。しかし、そうした出来事も、テレビ画面の奥の出来事として捉え、自分たちの周囲には火の粉は降りかかってこないと信じ生活している私達。今もし、空を覆うほどの大型宇宙船が、私達の上空に舞い降りてきたら…。そんなSF世界観の中で、日常生活を送る女子高生達の青春群像劇を描いた本作。
3年前の8月31日、突然、東京上空に現れた直径5000mの巨大宇宙船。いよいよ宇宙人襲来がと思いきや、その後、攻撃的な様相は見せず、上空に宇宙船があることが、当たり前の日常となりつつある世の中。そんな中、女子高生の小山門出や中川鳳蘭をはじめとする、仲良し5人組もまたも、宇宙船を存在を受け入れながらも、恋愛にやゲームに興じながらも、ごく普通の高校生活を送っていた。
ところがある日、仲良し5人組の1人栗原キホが、宇宙船への攻撃を始めた軍隊の攻撃の巻き添えとなって死んでしまう。そんな時、落ち込んでいる鳳蘭の前に現れた不思議な男子に「君は誰?」と問われたことを機に、一気に、門出との出会いの小学校時代に記憶が引き戻される。そこで、2人の出会い共に、宇宙船との奇妙な繋がりの過去が、明らかになって行く。
まだ、前編だけで評価は難しいが、今どきの女子高生の日常をリアルに切り取り、あけすけに言い合える友情を描く中に、宇宙船の襲来という、全く正反対な非日常の世界観を突き付けることで、シュールで不調和な世界観を生み出している。普段、殆どアニメは観ないのだが、本作は、予想以上にのめり込んだ作品となり、明日、早速に後篇を観たいと思う。