「日本のアニメの凄み」デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章 93q2q2さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0日本のアニメの凄み

2024年5月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

萌える

浅野いにお作品には、あまり関心がなかったのですが、知り合いが面白かったと言っていたり、評判も高いので「これは観に行かねば」と思い鑑賞しに行きました。
主人公二人の声優をみて「えっ、マジ」とかなりテンションが落ちてしまったのですが、「良い映画を作る人達は違うわと」思わせてくれる形になりました。
主演の二人、声で特をしてるなと感じました。あと「アニメとか好きなんだろな~」と。そして脇を固める力のある声優陣。ここでもまた種崎敦美がでてて、いい意味でまた彼女か。と思ったのと、同じような感じで和氣あず未もこういう質の高いアニメ映画に出てくる常連になりそうだなと思いました。
他のアクターと比べてしまうと主人公二人のちょっとヘタウマな感じ、リアリティレベルが一段落ちるところが、この映画のファンタジー感を引き出している感じがして、いい感じで良かったです。主役の二人がうまいアクターだと少し息が詰まる感じになってしまったのではないかと思っています。主演二人の脇を固める他のアクターと比べて少し足りない感じが、世界観を構築する要素の一つとしてうまく機能していると思いました。ハマってという感じでしょうか。
途中少し中だるみしますが、その後の展開が速く、テンポよく、あの中だるみはこのための助走期間だったのかと思いました。
主人公たちと背景などの他の物との作画のリアリティレベルの差もファンタジー感をだしてくれていて、漫画のようでアニメであるとても変な面白い作品でした。
声で主人公二人とその他のキャラクターとのリアリティレベルの差を出し、画でもキャラターとそれ以外のものとのリアリティレベルの差を出していき、それらを違和感なく共存させることでこの作品の持つファンタジー感と本作品中の現実感・非現実感を、そして主人公二人のもつ内面をうまく表現させているなと感じました。
鑑賞する前は「デデデデ、ってやつ」としかタイトル覚えてなかったですが、鑑賞するとタイトルと内容が少しリンクして「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」とそらで言えるようになりました。
後編が楽しみです。

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