「後半まで見ないとわからないのだろうが、違和感が残る」デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章 p.f.nagaさんの映画レビュー(感想・評価)
後半まで見ないとわからないのだろうが、違和感が残る
門出とおんたんの軽妙な言葉遊びは、この映画の独特な雰囲気を作っていて面白い。彼女らの強い絆の背景がしっかり描かれていて、なるほどと思った。
未確認物体が浮かんでいても、日常は続くというのは実際に起こったとしてもその通りだろう。「この世界の片隅に」でも描かれていたが、太平洋戦争中でも生活は続いていたように。
後半まで見ないとわからないのだろうが、やはり設定に違和感が残る。
先ず、3年もの長い間、侵入者は何も反撃しないで自衛隊に殺され続けるところは「ついていけない」と感じてしまう。
演出なのだろうけど、前半の最後で“侵入者の雨”が降るところは「乗っていた物体の破片がほとんど混じっていないのはなぜ?」と思ってしまう。
S.E.S社の兵器で小型物体を撃ち落し続けるところも「誰がそんな意思決定をしているのか?」「都心で撃ち落としたら、落下物で被害が出るのは当然」「近くに旅客機が飛んでいる時に撃つのはあり得ない」と思う。
門出とおんたんのキャラクターがイマイチつかみきれなかった。門出が自分の正義感で暴走してしまうエピソードは、どこまで信用して良いのか迷った。電車が脱線したら死傷者が出て、大きな犯罪になるので。その後、マンションから飛び降りたのも回想なのか空想なのかモヤモヤが残るし、門出の性格がわからなくなる。(これも後半まで見ると回収されるのかもしれないけど) 小学生の時のおんたんが門出がいじめられているのを傍観していたシーンも、おんたんのキャラクターをわかりにくくしていると思う。
それから、メガネはキャラクターの重要な部分だと思うけど、メガネの一部をシースルーに描くと、場面場面で印象が変わってしまう。一部を消すのは顔をアップにした時だけの方が良いと思った。同じように、おんたんの眉毛も見える時と見えない時で大きく印象が変わる。
後半も見てみようとは思うけど、前半を見た時点では評価は「2.5」です。