劇場公開日 2024年3月22日

  • 予告編を見る

「とんでもないものを見てしまった。」デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章 jfs2019さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5とんでもないものを見てしまった。

2024年3月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

知的

今どきの人気者二人出しときゃ客は来るだろ、という意図が透けて見える邦画にありがちな残念な作品かと油断してたら、ずっしりときました。自分ではどうにもできないなんだかわからないものがずっと頭上にある不気味さ、なのにそれをなんでもないことのように日常に押し込む正常性バイアス、ヘイトを煽って国威発揚/軍備増強/利潤獲得に利用する姑息さ、後ろめたさと思考停止、ネットの陰謀論と過剰反応、浅薄な歪んだ正義感。この映画を令和6年に見るわれわれは、自分を重ね合わせて、言いようのない居心地の悪い思いをすることでしょう。今のままでは破綻する。思い当たる点が多すぎて怖い。立った鳥肌が鑑賞後もしばらくおさまりませんでした。

構成の妙で、前編単体でも十分面白かったですが、後編が楽しみです。この完成度で突っ走って、広げた風呂敷をちゃんと畳んでくれるのを期待しています。

それにしても、主役の2人の声役。声優業は本業ではないはずなのに、アテガキかと思うぐらい全く違和感がなかったです。おそるべき才能です。メガネのショートとツインテールの女子...って電脳コイルじゃないか。繰り出されるビームはメガビーどころではないですが。

あ、そしてこの映画は絶対、音のいい映画館で見ることをお勧めします。

jfs2019