「キャロル・キングの愛すべき人柄が伝わってくる」キャロル・キング ホーム・アゲイン ライブ・イン・セントラルパーク M.Joeさんの映画レビュー(感想・評価)
キャロル・キングの愛すべき人柄が伝わってくる
前半、キャロル・キングの作曲家としてのキャリアのスタートからシンガーソングライターとして世界的に知られるようになった過程のドキュメンタリーがとてもよかった。自分の十代から二十代に掛けてとても知られたミュージシャンで、「タペストリー」は大ヒットしたアルバム。ニューヨークに生まれ、LAへ。そしてA&Mでのスタジオミュージシャンとの交流。ジェイムス・テーラーやジョニ・ミッチェルも。
ニューヨークセントラルパークでのフリーコンサートは推定十万人を集めたという圧巻のライブであった。前半は主にピアノの弾き語りで歌うキャロル・キング。後半はレコーディングメンバーが登場しリズムやバッキング、ホーンセクションが音楽を彩る。特に、デヴィッド・T・ウォーカー(ギター)、ハーヴィー・メイソン(ドラムス)、トム・スコット(サックス)らはトップミュージシャンで多くのレコーディングに参加しており、今回の映画でも期待していた。が、トム・スコットはほとんど映らず。デヴィッド・T・ウォーカーのバッキングギターもちょっとイマイチ。ハーヴィー・メイソンはたくさん映っていたがまあまあ。
演奏曲目は18曲。知っている曲のIt's Too Late、You’ve Got A Friendの2曲は素晴らしかった。ただその他の曲にはあまり心が動かされず全体的にはイマイチだった。ただ、愛や友情、気持ちのすれ違いなどその歌詞はいいものがあった。
映画(動画)での見どころは彼女の歌いっぷりやオーデェンスとのやり取り(白人が多かったがアフロ・アメリカンもチラホラといる)、会場の雰囲気・ファッションや1970年代のNY。
唯一スペイン語で歌ったCorazón(コラソン)。どうしてスペイン語で作ったのかは分からないが、ブルックリン生まれの彼女にとってはスパニッシュ系の住民が身近にいたのかもしれない。そこは私の知らなかった彼女の一面で、ラテン好きの私にはとても興味が湧いた。