「重厚な物語になっているはずなのに笑いが起こる不思議」JUNK WORLD kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
重厚な物語になっているはずなのに笑いが起こる不思議
前作はかなりシュールな世界観とストーリーの割にちょっとしたおふざけが入っていた印象。そして、あのストップモーションアニメを1人で作ったことに驚いた映画だった。
でも本作は前作とは異なる印象の映画。いや、もちろんおふざけがなくなったわけではないし、シュールな世界観がなくなったわけでもない。でも、マリガンと人間が対立している関係性はあるものの、ちょっとした信頼関係を築けそうな気さえしてしまう。神として生物の進化を助け、その生物たちを使って何かをしようとするロビンの姿にも衝撃を受けた。「火の鳥未来編」を想起するような、気が遠くなる時間の物語。次元や時を移動するって設定が少しわかりづらいが、1つの出来事を多角的に観せる演出がいい。あれをストップモーションアニメで撮影するという発想がとんでもない。なかなか重厚な物語に仕上がっていた。
そして前作よりもキャラの存在感がすごい。バステトみたいなキャラを出してくるあたり堀監督の凄さを感じる。バステトの再登場時に猛烈に切なくなったりするのは脚本の勝利だな。
キャラたちの動きが相当に滑らかに、そしてダイナミックになっている気がしたのは自分だけだろうか。制作費に少しだけ余裕ができて、さらに1人じゃなく複数人で作るってのはこういうことなんだろうな。
ちなみに字幕版で観たが、ストーリーとは関係のないところでちょっとした笑いが起きる。それはあの変な言語のせい。この変な話し言葉を笑うために観にきたわけじゃないと思いつつ、字幕とあわせて聞くとどうしても笑ってしまう。あれはズルいわ(いい意味で)。
さぁ、これで完結編の次作に対する期待が高まる。無理しない程度で早めにお願いしたい。
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。