「予想外の濃密SF」JUNK WORLD つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
予想外の濃密SF
正真正銘、今年最も楽しみにしていた映画「JUNK WORLD」。3部作だよって言われてからずっとずっと楽しみにしてきて、そう考えるとここ数年で最も期待していた映画、とも言える。
期待が高いと拍子抜けしてしまう症候群の心配もしたが、全く無用な心配だった。
最高に面白い!集中しすぎてジンジャーエール飲みきれなかったよ!Sサイズなのに!
前作の前日譚ということで、「これがこうなってああなるのかぁ」みたいな話だと思うじゃん?ところがどっこい、こっちが事前に想定してるような話には全然ならないからね!完全に予想を裏切られてるから。
それでいて、2時間で収まるギリギリの濃いSFをやってるはずなのに、第3幕とか完全に寄り道みたいなエピソードになってて、相変わらずワケわからん素っ頓狂な展開だし、本当に心の底から「あぁ、自分はこれを待っていたんだな」と実感。
一応ちゃんと解説すると、全4幕の構成で第1幕で起こった出来事がストーリーのベース部分に該当する。第2幕と第3幕では第1幕の出来事が別視点から展開し、最終幕によって新たな終着点が目指されるという感じだ。
前作が素っ頓狂謎展開10の映画だとしたら、今作は謎1対ガチSF9のエンタメ作品に仕上がってる。相変わらずアクションのキレも良い。特にトリス様のアクションがカッコ良いのよ。
それでいてピロピロしたりもしてるのが変態すぎるんだよね。
ちょっと考えてみて欲しい。キック繰り出すシーンの撮影コマ数とピロピロの撮影コマ数、ほとんど変わらなくない?!
ストーリー的にピロピロする必要ないのに、ピロピロを撮る。それは合理性だけでは測れない、水墨画にも通じる、「虚」の美しさなんじゃないかと。
そう考えたりもしたけど、細かいこと抜きにボーッと観ていたとしても何の問題もないのが良い。
ちなみにゴニョゴニョ版(日本語字幕)で観たんだが、ゴニョゴニョしつつも由来となってる日本語がうっすらわかるせいで何てことないセリフだけ聞いても笑っちゃうし、何ならちょっとゴニョゴニョ語がわかってきちゃって、簡単な単語なら話せるのではないかと。
日本語版の方がストーリー展開は追いやすそうな気もするけど、ゴニョゴニョ語でも全く問題ないので世界観にどっぷり浸りたい人にはゴニョゴニョ版を観ることをお勧めしたい。
最後に3部作最終章「JUNK END」の告知が出るので、エンドロールは最後まで観た方が良い。
まぁ、エンドロール中に制作過程が見られるし、制作楽しそうなのも良いし、ほぼ「堀貴秀」で構成されてた前作のエンドロールとの違いに感慨深いものも感じるし、あんこ90皮10のたい焼きぐらいにお楽しみがギチギチに詰まった映画だった。
とりあえず、日本語版も観に行こうっと。
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