劇場公開日 2023年11月3日

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「テーマは現代的、でも…」パトリシア・ハイスミスに恋して regencyさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0テーマは現代的、でも…

2023年10月25日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

寝られる

パトリシア・ハイスミスがレズビアンだったというのは後年知られる事となったが、それを隠さざるを得なかった素顔を検証していく。『見知らぬ乗客』、『リプリー』、『キャロル』といったフッテージ映像が使われているが、気になったのは『太陽がいっぱい』の映像がなかった点。著作権事情なのか『リプリー』の映像が使えたから必要としなかったのかは不明だが、個人的にはハイスミスといえば『太陽がいっぱい』で知ったクチなので、ちょっと残念。
ハイスミス自身のインタビュー映像は確かに貴重だし、レズビアンである事を知らないインタビュアーから一人暮らしをしている理由を尋ねられ、明らかに不機嫌そうに答える様などは興味深かったものの、印象に残ったのはここぐらい。作品全体に漂うトーンが平坦で抑揚があまりなく、グウェンドリン・クリスティーの穏やかな口調のナレーションも相まって終始睡魔に襲われてしまった。東京国際映画祭で朝から夕方まで作品を観まくっていた状況での試写だったという、他人からすれば「知らんがな」事情もあったのだが、それを差し引いても単調で88分という尺が長く感じたほど。晩年に人種差別発言を連発して物議を醸した件も終盤でサラリと触れた程度で、できればそこもしっかり検証してほしかった。
ただ、ダイバーシティが叫ばれる昨今ならではな内容なのは間違いなく、もしかしたら数年後、彼女の伝記映画が作られてもおかしくはない。

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