劇場公開日 2024年1月5日

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「サバイバル1年後が気になった。」コンクリート・ユートピア YAS!さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0サバイバル1年後が気になった。

2024年1月21日
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鑑賞方法:映画館

日本での元日の件もあったが、その前から"観ようと決めていた"ので、映画館に行きました。

冒頭、準主役のヨンソンさんが「腫れあがった顔で、ダウンベストを着て寝ており、大きな余震が有っても、驚かずに、そのまま平然と寝ている」ことで、
この映画には前置きはなく、いきなり全開サバイバル映画に突入するが、
それでも、途中には火山噴火もあり、地殻変動を伴う大きな災害が有った事が理解できた。
小規模流星群が世界中に落ちたのでしょう。

「最初の災害シーンを観てみたい」と言う個人的な好奇心があったが、
派手な破壊シーンをいれると、CG作成の予算と時間が多くかかるので、
その辺は映画の "脚本の進め方"なのだが、
交差点のシーン以外にも、災害直後シーンをもう数カットだけでも、入れて欲しかった。

誰でも、災害後は、外部との連絡を懸命に取る努力はして、
災害ラジオ・TV・ネット等で、今回の災害は「部分的・地方的・国家的災害」ではなく、
世界全体の終末であり
「助けが来ない」事を悟り、
「みんなで、サバイバル」をマンション住民が"決意する設定説明シーン"は、もう少し丁寧にする必要があると思った。

主人公の キムヨンタクさんは、妻との自動車運転中に、災害にあったようだが、
マンションへ"入り込む"為に、被災後であっても仕事をするのだが、
この事件の編集とシーンの映画内の"組み込み場所"をどうするか、
編集者と監督は、そうとう悩まれたかと思うが、
映画を観終わってから、振り返ると、すべてを理解できるので、
シーン同士のつなぎ方は、正解なのでしょう。 アッパレ!
ただ「災害時でも 借金取る気かよ!」位の  された男のセリフとして、どさくさ紛れ的に入れて欲しかった。

婦人部長が某悪人めがけて、「日本人だ!(イルボン インイダ」と言ったのだが、
字幕では「日本語わかる人いる?」と日本語訳されている。
まったく訳さなくても良かったのに。。。
日本問題といいう 必要もない背景があるのだろうか?
映画を見ていて、この映画の脚本家と監督の余計な仕業に、
まるで、映画「哭声(コクソン)」を観た時と、同じに気分の悪さが残った。

映画の中で、2回「対峙している 高級マンションが...」という、フリ的セリフでがあったが、風呂敷は回収せず
だったら、このマンションの立地自体の設定こそ、大型団地の ほぼ中央ではなく、
"山の上に聳え立つ 城のような高級マンション"にすれば、
「1棟だけ残った」理由付けも、いろいろな言い訳や、映画の見かけ上でも良かったし
そして何より、韓国映画では 坂道の高低差を格差社会の比喩として、表現する事が多いので、その方が良かったかもしれない。

マンションに住む 住民の多くは40代~50代が多い中、老人や子供は少なかったが
映画が進むにつれて、老人も子供も画面には、めったに登場しなくなるが これはサバイバルの怖さなのか。。。
映画中、無駄な説明が無くても、理解できた。

CGとセット撮影との合成が奇麗で、映画製作の技術力は非常に高い。
韓国映画だが、美談美女は登場しないが、どの役者の演技もレベルは高く、表情も的確だった。

この映画を観た後で、韓国で撮影した「アイアムアヒーロー」が、ある意味 終末のサバイバル映画としては、比較してみたいと思った。

YAS!