劇場公開日 2024年1月5日

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「エメリッヒっぽかった」コンクリート・ユートピア コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0エメリッヒっぽかった

2024年1月12日
PCから投稿

能登をはじめ、北陸一帯があんな悲惨な状況にあるときに観るような映画ではなかったな、と逆の意味で絶妙なタイミングな作品でした。

内容的には、ディザスター&サバイバル映画系。
災害原因は語られません。
ハルマゲドンか地下核爆発か、みたいに、広範囲に地下から地面が「爆ぜる」表現のみでした。
壊し方はほぼエメリッヒ。

テーマとして、極限状態で人間は
「自分だけ生き残るため他人を踏みにじるか?」
または
「困ってるときは【お互いさま】の精神で、互いに助けあうのがいいか?」
という二択になるかと思います。
こういった生き方を迫る作品……

なんかいろいろ過去に観たな…???
『マッドマックス』シリーズ、『北斗の拳』、アニメ版の『日本沈没』とか。
ゾンビ映画とか。
極限というのが生死与奪を誰か他人に握られた監獄内という意味にすれば、北朝鮮を描いた『トゥルーノース』とか、ホロコースト内のユダヤ人たちを描いた多くの作品とかにも当てはまるし……
問題提起としてはいいけど、結構見飽きたような。

それと、誰も「外」と連絡とろうとも、情報を取ろうとしないのが謎。
無線でもネットでも、とにかく何が起きているかを把握したうえで、救助要請をしたり、食糧確保や逃げられる場所(避難所)とかの情報を取ろうとするはずなのに。

また韓国(首都ソウル周辺)が災害で壊滅したら、自国政府がダメでも、1週間以内にはアメリカや日本などの同盟国が助けに来ると思うのだが。
もしも他国が来ることができない状況~たとえば地球規模的な地殻変動を伴う災害なら、わからなくもないが、まずそういう意味でも「外」との関わりを描いておくべきだったんじゃないかと。
そして、地球規模の災害だった場合、空が晴れや薄曇りではなく、核戦争後みたいな雨になる可能性もあるしなぁ、といろいろ疑問に思ったりもしました。
災害のせいで氷点下というならわかるけれども、地球温暖化の影響で、夏はクソ熱く冬は氷点下というようなニュアンスを冒頭のカーラジオで説明しちゃってるし。
スルー力を発揮しても、その辺を「雑」としか感じられなかった。

イ・ビョンホンの演技力と、パク・ソジュンの存在感はよかっただけに、かなり残念。

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コージィ日本犬