「切実な気持ちで観ました」コンクリート・ユートピア かばこさんの映画レビュー(感想・評価)
切実な気持ちで観ました
時期が時期だけに、切実な気持ちで観た。
ユートピアというのは、大災害の中、このアパートだけはそうだったという意味か、または、意図せずリーダーとなるも全員を従える「王」となったヨンタクにとってはそうだったということか、あるいは両方かも。
大災害の中、ただ一棟、無事に残ったアパートを巡る人間模様という、韓国映画ならではの意表を突くアイデアが凄いが、当初はつい、「奈落のマイホーム」を思い出してしまったが、観ていくうちに奈落のマイホームがどっかへ行ってしまった。
ディザスターの規模が半端なく、VFXなのかCGなのか分からないが、周囲の有様のビジュアルが凄い。アカデミー賞の視覚効果賞とかノミネートされていいくらいだと思う。
破壊は、地球規模のものだったよう。事件前にヨンタクが聞いていたカーラジオから、「今夜はなんとか流星群が来る」みたいな声が流れてきたので、そのせいかも。
どこからも救援が来ない。周囲がどうなっているのかもわからない。生き残った人たちの不安も想定外の巨大さだと思う。
ヨンタクは悪いリーダーだったのか?
酷い、と思うことは多いが、3桁いる人々を食わせて守るには綺麗事では済まない。
そもそもリーダーをヨンタクに押し付けたのは住民たちだし、常々頼っているくせに都合が悪くなるとヨンタクを罵倒するってどうなんだと思う。生き延びる手段を考え実行し、うまくいかなければ責められる、これを一人で受け止めているリーダーのことを他の人々は思いやったりはしないのだろうか。これは国民性でしょうか。
(日本人ならこうじゃないだろう、というところは多々あった。)
個人的に言うと、私はミョンファのように、人様の行動の恩恵に預かりながら、自分は安全なところにいてリスクを負わず、実行者がやむを得ずした「悪事」を責め立てる人が好きではないです。恩恵に預かっているあなたにも悪事の責任の一端はあるんじゃないの、と思う。
ラストで、倒壊した建物に住み着き、助け合って生活している人々をみたら、もしかするとアパートなど持っていなかったほうが良かったのかも、と思ったりもしたが、それだと凍死だからね。
サバイバルの可、不可は、ただその時の運に尽きるかも。
コメントありがとうございます。
能登の地震のすぐ後に観られたのですね。
切実でしたね。
人間って、多分もう駄目だろうと思っても、
一縷の望みに縋るのでしょうね。
救いがないディストピア。
暗かったですね。
返信ありがとうございました。プレミアム上から目線と逆転だと 人間誰しも弱い上に 極限状況になりますから 慈愛の心 菩薩の愛 というわけにはいかないですよね。ありがとうございました😭
イイねありがとうございました。緊急事態に於いてはヨンタク氏への考えは同感です。自分も含めて「平時の綺麗事」書かれてる方 は多いので ある意味共感です。水も食糧も展望も無い状況ではおっしゃるとおりですね。😊😊😊