劇場公開日 2024年1月5日

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「避けられない厄災なら最期はあなたと。」コンクリート・ユートピア uruさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0避けられない厄災なら最期はあなたと。

2024年1月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

イカゲームぶりのイ・ビョンホン。
胡散臭くも狂気を孕んだ指導者(煽動者)っぷりが、
とても板についていた。

それにしても、ものすごい災害。
自然災害なのか人為的なものなのか判然としないが、絶望的に壊滅状態。
韓国映画のVFX技術ってこんなに高いのか!と改めて感動。
あんな状況で、果たして生き残ることに意味はあるのか?と思うのだけど、そこは人間。
人の醜さをフルスクリーンいっぱいに描きながら、生き残った面々の時間は進む。
いやほんと、観てる間も観終わった後も、『醜いなぁ…』としか出てこなかった。
はっきり言ってこの映画に救いはない。
絶望乗り越えての希望エンドをお求めの方には、絶対にお勧めできない。
絶望通り越して虚無ですらある。
でも、そういうのがお好きな方には熱くお勧めする。
ミストとか。

本作にほんの一筋、一片の光があるとしたら、
最期を愛する人と迎える事を選択できたという事。
こんな厄災に放り込まれたならば、生きるための足掻きも他者を蹴落とす画策もいらない。そんなもののためにお留守番させられて、離れたところで最期を迎える事の惨たらしさよ。
最期はあなたといたいのだと、気づいてくれてよかった。

uru