「女性たちによって作られたドキュメンタリー「春画」」春の画 SHUNGA 大岸弦さんの映画レビュー(感想・評価)
女性たちによって作られたドキュメンタリー「春画」
春の画 SHUNGA
神戸市内にある映画館「シネ・リーブル神戸」にて鑑賞 2023年12月1日
パンフレット入手
映画監督:平田潤子、企画・プロデュース:小室直子、プロデューサー:橋本佳子 ナレーションは女性
女性たちによって作られたドキュメンタリー「春画」
クラシック音楽を好んで聴いているジジイ(52) の視点でコメントします。
タイトルから内容はお分かりに頂けるかと思います。春画(しゅんが)です。映画、パンフレットともにモザイク無し「R18映倫=18歳未満は観覧禁止
浮世絵画家、「葛飾北斎」はご存じかと。「富嶽三十六景」は良く知らています。富士山の絵をたくさん描いた人。
その作風は世界中から評価をされています。たとえば、フランスのクラシック音楽作曲家、ドビュッシー(1862-1918)の作品「海」はインスピレーションを得て作成されたと言われています。「冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏」を好んでいた。
その葛飾北斎が、春画を積極的に描いた。「蛸と海女」である。
彫り・摺りの高度な技術も投入され、「美」「技」において超一級の芸術と呼べる作品が数多く生み出されたが、時代が江戸から明治に変わると“わいせつ物”として取り締まりの対象となり、日本文化から姿を消してしまった。
2013年、ロンドン・大英博物館での世界初の大規模な春画展、2015年~16年の、東京と京都での日本初の「春画展」は動員29万人を記録し、その約半数が女性だった。
男女は責めも受けも対等に楽しむのが江戸時代の表現。男女の交わりは子孫繁栄の象徴でめでたいこと、女性が見て幸福感を得られる描き方をしている(植野かおり・立花家資料館館長)
現存する最後の春画、平安末期の肉筆「小柴垣草子」も嫁入り道具だったと言われている。
春画の始まりは平安時代、天皇への嫁入り道具として。江戸時代になると、貸本屋が最新の春画を仕入れ、女性たちも率先して借り、楽しむことになる。男性が楽しむものではまったくなかった(早川聞多・日本美術史家)
以下パンフレットから
古い神社には性器を象った彫刻や岩が収めめられている。
早川聞多は「春画」で性器が大きく描かれているのは、おめでたい力の象徴だから。描かれた性器は顔の大きさと同等に描かれ、どちらも言祝ぎ(ことほぎ)の対象だった」と語る
画像検索で「性器崇拝」で調べるとすぐにわかります。
春画の存在目的は、性的興奮を促すことではなかったことを示しています。