「加藤のライフスタイルは何処か息苦しさが付いて回った・・」トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代 mark108helloさんの映画レビュー(感想・評価)
加藤のライフスタイルは何処か息苦しさが付いて回った・・
ある音楽家の生涯:そこにあるものは・・・
そこに切り取られた世界はその時代そのものであった。しかも日本のヤングカルチャーが権威を求めて昇り詰める姿でもあった。権威を希求するかしないかに限らず日本は知らず知らず自らが権威付けした世界のレーベルを追い求め、ある意味身の程知らずの山をボンベも持たずに登ろうとしたのかもしれない。その軌跡は尊く、貴重ではあったもののその自重は想像を超えて重く、加藤和彦と言う一人のアーティストが切り開くにはあまりに重荷が多すぎたのかもしれない。とは言えその成し遂げた業績と高い芸術性は今でも古びることなく、日本民族の誇りとしてあの70年代のサブカルニッポンの一翼を担うに十分すぎる活躍をした事実はここにしっかりと刻まれており、彼の周辺に集った多くのアーティストの謳い上げる合唱歌「あの素晴らしい愛をもう一度」時代を超えて未来に届こうとしている。時代を切り取る方法論として十分すぎる成果を見せてくれた一篇であった。
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