「稀有な音楽家の軌跡をまとめた映画であり、日本の音楽史・歌謡史の記録。面白かったし、いい映画だったけれど、もう少し something がほしかったような気も……」トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代 pekeさんの映画レビュー(感想・評価)
稀有な音楽家の軌跡をまとめた映画であり、日本の音楽史・歌謡史の記録。面白かったし、いい映画だったけれど、もう少し something がほしかったような気も……
ここのところ、ふと気になって加藤和彦のアルバムをレコード棚から引っぱり出して、順番に聴いていた。
中学から高校時代にかけて買い揃えた“ヨーロッパ3部作”をほんとうに久しぶりに鑑賞したが、その素晴らしさ、完成度の高さに「やっぱりこの人すごいなぁ」と感心させられていたのだった。
そんなときに、この映画が上映されることを知った。
果たして加藤和彦のドキュメンタリーに客が入るのか? と心配したが、わりと好評のようで「いまもトノバンのことを慕っている人や関心を持っている人がたくさんいるんだな」と少し意外であった。
加藤和彦は、間違いなく、音楽の神様から選ばれた人だろう。
ずば抜けた才能、センス。
サディスティック・ミカ・バンドのぶっ飛びようとエッジの効いた楽曲の数々。カッコよすぎるで!
だけど、それだけにしんどいことも多かったのかもしれないな。
人々のこころをハッピーにしてきた人が、さいごには暗くしてしまった。残念である。
本作は加藤和彦という稀有な音楽家の軌跡をたどった映画だが、同時に日本の音楽史・歌謡史の軌跡の記録でもある。
面白かったし、いい映画だったけれど、うーん、もう少し something がほしかったような気もするなぁ……。
追記
♪劇場の大音量で鑑賞すべし!
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