クラユカバのレビュー・感想・評価
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坂本頼光目当てで
個人的には好きな作品
原作知らない、監督知らない、クラファンの時に出たらしき序章も知らない。
他の映画を見に行った時に出てきたCMやチラシが気になったので見に来た人です。
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まず世界観が良い。完全にクラガリに曳かれてしまいました。
絵は賛否両論あるかもしれないけど私は好き。音楽も良い。
弁士の小気味良い活舌と言い回しに…と言いたいんだけど、効果音だか音楽だか後ろの会話だかに気を散らされたのは残念なところ。
あの地下の町には何があるんだろうとわくわくしました。
この世界の他の話をもっとみたい。そういう意味ではクラメルカガリが同時に出ていたのは非常に良いところでした。ただ、そっちではなく「クラユカバ」の地下街の人たちの話を見たかったんですけどね。
一方、ストーリーはなんだかこうちょろっと残念というか大幅に残念というか。
別に広げた風呂敷を全部たためとか、謎はすべて登場人物の口から説明させろとかそういう気はありません。
ただ、視聴者に考察の余地を与えておくのと、投げっぱなしなのは全然違うのではないでしょうか。
世界観や登場人物が気に入っただけに「…え?これで終わり?」感が強すぎました。
キャラは実はエターナルヒーローで 作者の他の作品を次々に読んでいけば他の舞台で明かされるとかそういう作りならわかります。
例えば森見登美彦作品は「なんだそりゃ」が別の作品で詳細に語られていたりするので、それならそれで構いません。むしろそれだったらありがとうです。もっとこの世界を触れたいからです。
今、この作品だけ見た感じではちょっと物足りない感じでした。
繰り返しますが世界観は好きです。直観を信じて見に行って良かったと思ってます。続編に期待。
世界観をより味わうなら「ユカバ」
細部まで徹底した世界観に浸れる至福のとき。愛らしい錆びついた無骨なメカが暴れる大正レトロのパラレルワールド!
弁士の声に語られるレトロ世界で起きた、連続集団失踪事件。
依頼された私立探偵は、幼い助手の女の子を調べに出すが、逆に誘拐される。
自分を責める探偵は自ら地下の闇を探り始めるが、果たしてその真相は如何に?
徹底した世界観、大正レトロだが現実とは異なるパラレルワールドが素晴らしい。
入り組んだ複雑な街の構造と、武骨で愛らしく古めかしい機械たち。
そこで大暴れするキャラクター。
何もかもが愛おしい!
こういうの大好き!!
神田伯山と弁士の声も雰囲気づくりに効いている。
強いて難を言えば、全体的にせわしなく、詰め込み過ぎで窮屈で余裕がない。
一方で、ガツンとした何かが足りないと感じたのは贅沢ですか?
あと20分長くていいと思ったが、1時間がちょうどいいぐらい?
本作と世界観が同じ次作「クラメルカガリ」と連続2本=2時間でちょうどいい?
期待度○鑑賞後の満足度◎ リアルタイムでは勿論知らないのに何故か懐かしい大正ロマンというより大正デカダンスの香りを濃厚に湛えた世界を舞台にしたミステリー活劇アニメ。私は結構楽しめた。
記録はあるよね?
61分2,000円の観賞価値(←貧乏性)
今週末よりコナン新作が封切られ、ゴールデンウイーク前の稼ぎ頭に箱を贅沢に振り分け、初日から全力全開16回まわし。そのおかげで本作は封切り日の金曜レイト上映ナシでした。ですので仕事帰りに行けず土曜日に定価鑑賞となりました。
作品の上映時間は61分との表記。最近では120分作も珍しくないので、数字だけでは結構短く思えました。ですが実際鑑賞すると極端に短い印象はなかったので、鑑賞料を割高に感じる程ではなかったかなと。
ただし本作とOVAが同日封切りで、いずれも割引ナシの定価鑑賞となればチョッとだけ警戒心も。よって本作も身構えて鑑賞する事となる上、評価基準も厳しくなりかねません。
この設定にした制作首脳陣&配給会社の思惑は吉凶いずれとなりますやら。
と言う訳で実際鑑賞して思ったのは、まずはイイカンジには出来ていると思います。
全体の世界観が、古き良きノスタルジックな質感のビジュアル。何と言うか、レトロな暖色系の温かさが凄く良い雰囲気です。ソレに合わせた昔風『語り』も本作の特徴の一つ。チョッとした駄菓子屋みたいな味わいです。
そして主人公の中の人は、声優素人とは言え一流の講談師、コツと言うか要点・スジを、持ち前の修得スキルでシッカリ声当てされ違和感皆無。作品としての完成度は案外高いと思います。
微妙だったのは、本作はミステリー要素はあま〜り感じられません。『探偵』が主人公ですが、その謎解き、トリックや仕掛け、伏線の配置と回収など計算沙汰のストーリーではなく、全体的にはアクションに寄った『セカイ系』の一種と思われます。
また主人公の人間性が巧く表現できてない感も。終盤に過去を明かされるも、そこまでの前半の行動原理に疑問が残ってしまいます(情報屋の件など特に)。
そして動く紙芝居的な演出が、イヌカレーを彷彿とさせてましたが、アレは講談に係ってる演出でしょうか、個人的には微妙でした。
従って、他の作品とは一風変わったビジュアルと語り(音声)を楽しむ事に尽きる、そんな雰囲気アニメです。クラガリと云う世界設定も、実際良く解りません。この辺が鑑賞者のツボにハマるか否かで、評価は二分されるでしょう(どんな作品でもそうですがw)。
もう一つのOVA作も鑑賞してみると、チョッと印象変わるやも知れません。
余談ですが『bilibili』が関わってるんですね、コレ中国本土でも上映するつもりでしょうかね?
連載漫画の第一話のような…
意外とむずい…
上映時間が短い
ものすごーく趣味性の高いアニメ
キャラはしっかり立っていた
街の炭鉱跡坑道や地下鉄、地のヤクザや動物や暴走した機械が勝手に掘った穴など「クラガリ」と呼ばれる地下世界で、様々な事件が起きるという設定を元に、キャラが動き回るスタイル。
今回は探偵・荘太郎と指揮官・タンネのW主人公。
神田伯山、坂本頼光という講談と活弁の2人に、黒沢ともよも加わったキャラたちはしっかり立っていて、いくらでも話は作れそう。
ただ、説明セリフを排除した結果、かなりわかりにくく、雰囲気重視になってしまっていて。
大正から昭和のような雰囲気のレトロ・和風スチームパンクっぽい世界観は海外では受けそうだが、日本ではどうか?
幻想的ではあるが
地下鉄の街という設定は良かったが
ややもう少し時間が欲しかった一作。
今年145本目(合計1,237本目/今月(2024年4月度)19本目)。
(前の作品 「リンダはチキンがたべたい!」→この作品「クラユカバ」→次の作品「クラメルカガリ」)
東京テアトルさんの作品は、大阪市ではシネリーブル梅田(来週から「新テアトル梅田」になります。旧テアトル梅田にいかないように注意)がメインですが、なんばパークスシネマでもやっていました。
またこちらの作品は、本作(~ユカバ)が冒険もの、「~カガリ」が「甘酸っぱい恋愛もの」という扱いで「あなたはどっちから見る?」という宣伝もされていたと思いますが(2023年だったか、大分市を舞台に青とピンクの「主人公違い」で「どっちから見る?」というアニメ映画がありましたね)、コナンのやりすぎて「どっちから見る」も何も選択肢がありません…(7時間待てっていうのは無理すぎ)。
そしてこちらの作品ですが、大正時代などを時代背景にしながら(大正時代、は明示はされないが、描写からある程度類推ができる)、地下にすくうものを見に行くという冒険もののストーリーです(「~カガリ」とは世界観を共有しているだけで、共通登場人物はいない?)。
ただ、その分、60分ちょっとという長さでは限界がどうしても出て、とくに「~ユカバ」については話が飛びすぎで理解がしづらいという点がかなりあります(「~カガリ」は恋愛ものなので、ある程度理解はできる)。この点がかなり厳しく、あと20分程度時間があっても良かったのではないのかな…と思えます。
また、上記に書いた通り大正時代などが想定された設定のため、古典文法的な言い方やその看板なども見られますが、これらは一部高校の古典を超えた部分もあり、何らか配慮が欲しかったです(かなり語彙レベルの高い語や表現も出ます。高校古典程度はちゃんとやっていないと詰みます)。
個人的には「ユカバ」→「カガリ」で見ましたが(上述通り、コナンのやりすぎで選択肢がそもそもない…)、どちらから見ても良いのでは?と思います(ただ、後でまた投稿はしますが「カガリ」は恋愛ものに寄せた筋があり、理解はしやすい映画です)。
採点に関しては以下まで考慮しました。
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(減点0.3/一部の古典的言い回しの理解がかなり難しい、正確な知識がないと厳しい)
この映画で、「撃ちてし止まむ」という言い方が登場します。この表現は戦中等で用いられたため、当時の時代(戦中時代)にできた語と勘違いされるかもしれませんが、もとは「古事記」からきている立派な言い回しで、それが戦前戦中において、こうした「軍事的要素」を持つ古典的な言い回しの一部が「戦争の道具」に使われたにすぎません。
また、この「撃ちてし止まむ」も正しい意味の理解まで求めようとすると古典文法の知識が必要です。「(相手を)撃ったら、(戦いを)やめよう」という意味で、第二次世界大戦はそれをさらに言い換えて「相手を全滅させるまで戦おう」的な意味合いに取られるようになりました(そもそもこの「撃ちてし止まむ」は、古事記にでる以外はほか、第二次世界大戦までほぼ使用例がないほど使用例が極端すぎる)。
(減点なし?/海外において放映が困難?)
こうした、第二次世界大戦において、いわゆる「大本営」において多用された語であることはどうしても否定はできず、第二次世界大戦において日本の被害国といえる韓国ほか一部の国では、この表現はどうするか気になるところです。
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