「定番テーマでもいい映画は作れる!」女優は泣かない kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
定番テーマでもいい映画は作れる!
親子の確執って様々な物語の定番テーマと言える。パターンとして新しいものはないんじゃないかとさえ思ってしまう。でも、やはりうまく作られたものにはちゃんと感動してしまうのだから不思議だ。
不倫騒動で干されている女優が、復帰をかけたドキュメンタリー映像撮影のために地元に戻るという設定。新しいなぁなんて思う展開はない。でも、退屈に思う時間はなかった。たぶん、バディものやロードムービーの要素が含まれていたから。若くて不器用で真面目なディレクターを演じた伊藤万理華のコミカルさや、蓮佛美沙子のちょっと不機嫌な女優の演技がとてもよかった。伊藤万理華って不思議な女優だ。特別かわいいというわけではないが、妙に存在感がある。「サマーフィルムにのって」もそうだけど、ちょっとダメなんだけど、頑張ってるやつをやらせたら光る女優だよな。
あの女優がその父親がコミュニケーション下手でとても不器用だってだけのことなんだけど、まんまと泣かされてしまった。ちょっと笑えてちょっと泣ける。いい映画だ。王道だろうがなんだろうがいい映画は作れるんだよな。あまりメジャーではないけど、一人でも多くの人に観てもらえたらいいな。
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