「神父よ…」エクソシスト 信じる者 Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
神父よ…
73年のオリジナル版は"これを観ずしてオカルトを語るなかれ"な名作中の名作。今観るとVFXはしょぼいが冴える演出に唸らさせる事必至な作品である。そんな作品の正式な続編というアメリカがやりそうな設定の本作だが、ベタ中のベタなストーリーであり、まるでお手本の様な展開のため、それに関する驚きや感動は無い。この手の映画が乱発され過ぎたせいなのか、個人的にエクソシスト系は怖くないという気がしてならないのである。
だが本作は怖がらせる云々の前に、「信じる者」についてを描いているのがミソである。劇中で語られるのは、宗教派に関係なく、お互いを信じ合うという事だ。13年前に亡くした妻の事で宗教的な考えは捨ててしまった主人公も、これで一歩進んだように感じる。
全体的にドラマパートから悪魔祓いまでのまとまりが良く、それぞれの人物像もきちんと描き、自然な流れで観る事が出来た。急に驚かせるシーンはそれ程無く、過度なグロ演出も控えめでありながら主張する所はしっかり主張するあたりは中々レベルが高いと思う。
過去作と大幅に異なる点は、神父が端役という事だ。オリジナル版は神父のイメージが強く、少女リーガンを救う為に下した決断にグッとくるが、本作は神父の方には重きを置いておらず、日常を急に奪われた家族を描いている。まぁここらへんは敏腕ブラムハウス・プロダクションズの今後のフランチャイズ化をイメージした戦略なのかもしれない。
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