劇場公開日 2023年10月6日

「恒久的な型」イコライザー THE FINAL R41さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0恒久的な型

2024年7月19日
PCから投稿

1も2も見ずに3を見てしまった。
シリーズ物のファイナルという意味だったとは、またしても迂闊だった。
しかしこの作品は基本的に前作を見ていなくても楽しめる。
そして非常にわかりやすく、正義の味方の基本の型。
ただ、なぜ主人公ロベルトがシチリアのワイナリーを狙ったのか、また作中に登場するが、なぜオペレーターのコリンズをピンポイントで指名したのか?
知らないからわからなかったが、シリーズを見た人ならピンとくるのだろう。
これだけが少し悔やまれた。
さて、
ロベルトがどんな人物なのか、医者のエンゾが問いかける。
「君は善人か、それとも悪人か?」
「わからない」
ロベルトは答える。
ワイナリーを襲撃した際、見逃した少年に背中を撃たれたロベルトは、自身が重症であることを悟る。
こめかみに当てた銃口
助からないと覚悟するが、どうしても「彼」の年金を返したかったのだろう。
善人である彼は、良き人々の善意の連鎖によって救われることになる。
基本的に人々は友好的で親切だが、マフィアの存在が人々を苦しめている設定となっている。
この作品は確かに痛快で面白いが、娯楽映画ならではの「浅い設定」は気になるところだ。
そもそもマフィアは地元が好きで家族を愛し、仲間を愛し、その家族や友人も認めている。
彼らの商売相手は地元住民であるはずがない。
マフィアということをデフォルメし過ぎているが、悪を明確化しその極悪非道な部分を描かなければ共感が薄くなるのだろう。
仕方がないが、浅はかさは否めない。
また、アメリカ映画の特徴でもあるが、必ず敵国が存在する。
今回はシリア
彼らが薬物をイタリアマフィアに売り、その金で爆薬を買いローマ駅を爆破したという設定だ。
この世界には敵国が存在するということを視聴者にインプットするのが狙いだろうが、小賢しい。
物語では正義の味方がCIAとなっているが、奴らこそ世界中で不安要素を構築しながら戦争ビジネス、麻薬ビジネス、暗殺等々限りない悪を作り出している、と思っている。
さて、
物語ではロベルトは引退したようで、これからもシシリーに住むような雰囲気だった。
よくわからなかったのは、彼はいつものカフェでマイスプーンを忘れる。
アミーナがすぐ届けてくれるが、あのシーンにどんな意味があったのだろう?
ロベルトにはシシリーでそんな日常がこれから始まるという暗示だろうか?
それにしても西部劇の型が今現在まで有効なのには驚いてしまう。
悪がなくならない限り、こんな作品は作られ続けるのだろう。
なかなか面白かった。

R41
かせさんさんのコメント
2024年7月19日

1はちょいちょい町をイコライズしてくれて、やや安心して見られますよ。
2もイコライズは、この3作目よりは頻度お高めです。

かせさん
レントさんのコメント
2024年7月19日

こんにちは。1と2は最高ですよ。まだ見てないなんて羨ましい。

レント
talismanさんのコメント
2024年7月19日

2は見てませんが、1は見ました。とても面白かったです!主人公が活躍する場所がすごい!

talisman