「主人公が強過ぎるのも考えものだ」イコライザー THE FINAL tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
主人公が強過ぎるのも考えものだ
涼しい顔をして、余裕で敵を瞬殺していくデンゼル・ワシントンの姿はカッコいいし、見ているだけでストレスの解消になる。
しかし、戦闘能力の高い強敵が出てこない分、キアヌ・リーブスのようにボロボロにならないし、リーアム・ニーソンのように派手に立ち回らないのは物足りない。
主人公が窮地に陥るのは、冒頭に背後から少年に撃たれた時と、弟を殺されたマフィアのボスが街の広場に乗り込んできた時くらいだが、いずれも医者に救われて、ハラハラ・ドキドキの展開とはならない。特に、広場の場面では、医者が止めに入らなければ、主人公は確実に撃ち殺されていたはずで、サスペンスが盛り上がらないという問題以前に、主人公の無策さと無謀さが気になってしまった。
その一方で、いつものように、個人的な理由で悪と戦うのかと思われた主人公が、結局、愛する街を守ることと、テロ組織と繋がっているマフィアを壊滅させることと、友人の娘に功績をもたらすことを、「一石三鳥」でやり遂げてしまうところなどは、どうにも話が出来過ぎているように感じてしまう。
敵をあっさりと倒すにしても、そこに至るまでに、耐えに耐え、忍ぶに忍んで、グツグツと溜め込んでいた鬱憤を一気に爆発させるような展開があっても良かったのではないだろうか?
このシリーズの最大の魅力にして最大の弱点は、主人公が強過ぎることであると思えてならない。
それにしても、ダコタ・ファニングは、大人の女性になったものだ!(本作の一番の驚きだったかも・・・)
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