劇場公開日 2022年11月18日 PROMOTION

ザ・メニュー : 特集

2022年11月7日更新

【とんでもない体験をした】カリスマシェフがもてなす
“死ぬほど素敵なディナー”…最旬の俳優が導く驚愕の
フルコース・サスペンス 謎を解くのは“あなた”です

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「とにかくすごい映画が観たい」。そんな渇望を持つ“あなた”に、映画.com編集部はこの作品を強烈におすすめする。

11月18日から公開される「ザ・メニュー」だ。

舞台は孤島の高級レストラン。伝説のカリスマシェフが11人の客にフルコースを提供する。ただの食事ではない。死ぬほど素敵な“命がけのディナー”が始まった――。

最旬の俳優が鬼気迫る熱演を魅せ、謎がちりばめられた物語は観客の「こうなるだろ」という予想を鮮やかに裏切り続ける。やがて驚がく必至、そして気が狂うほどのカタルシスに満ちた結末へ導かれていく。

この特集では、本作を体感した映画.com編集部によるレビューと、見どころの解説を掲載。心拍数は上がりっぱなし、一夜の狂騒に身を委ねていただこう。途中退店はできないので、そのつもりで。


【予告編】映画ファン信頼のサーチライト最新作

【ものすごい体験をした】 感情を引き裂く“極上の
カオスとライド感”…驚愕必至、まさかこうくるとは!

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あらすじや作品概要を先に知っておきたい方は、予告編からご確認を。そのうえで、映画.com編集部の鑑賞レビューをお伝えしていこう。


●グルメものかと思いきや、極上サスペンス…そのギャップがよき
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今思えばとんだ節穴だが、本作鑑賞前、筆者はタイトルから“フィールグッドなグルメもの”を連想していた。目に鮮やかな高級料理が、登場人物のお腹と心を満たす。来店する客は大小さまざまな傷を抱えていて、料理を通じて“再生”していく――。

……とはならない。なるはずがなかった。確かに入り口はグルメではある。が、扉をくぐれば一息に、まったく異なる本質へと強制的に連れて行かれてしまった。

物語は世界中の美食家が来店を切望する高級レストランと、伝説のカリスマシェフ、そしてそこに集った11人の客、それぞれの“謎”や“秘密”をスリリングに明らかにしていく。フィールグッドどころか、むしろ観客をカオスの穴に突き落とし、上からロックアイスを振りかけてくるタイプのサスペンスだったのだ。


●レイフ・ファインズの“唯一無二のサイコ感”が見どころ
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物語を強烈に盛り上げるのが、「ハリー・ポッター」シリーズのヴォルデモート卿役で知られるレイフ・ファインズ。“怪優”と呼んで差し支えない彼が演じたのは、レストランの“カリスマシェフ”スローヴィクだ。

全編で出ずっぱり、サスペンスをぼっ発させる張本人であり、すべてを掌握する“神”、かつ物語の語り部という八面六臂の活躍ぶり。恐ろしさと神々しさを同時に発揮し、観客の脳裏に己の存在をシェフ・ナイフで刻みつけてくる。

実のところ、ファインズ=スローヴィクはほとんど“サイコ”である。この男による命がけのディナーは(詳細は本編で確かめてほしいが)、三ツ星レストランで提供される本物の高級食材のみで構成されているにもかかわらず、登場人物を震撼たらしめる。ここが非常に面白い。

そしてスローヴィクの眼差しは、スクリーンを通じて私たち観客にも注がれる。人の心の奥底に、一筋の不安の墨汁を垂らすような眼光。映画館で傍観を決め込むあなたたちも、同様に共犯者なのだ……そんなことを言外に語りかけられたような気がして、幾度もぎょっとさせられた。


●人が料理にひれ伏す光景…物語は類まれなドライブ&ライド感で結末へ進む
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本作は対決構造で進んでいく。スローヴィクに翻弄されるなか、客のなかでただ1人、マーゴ(アニャ・テイラー=ジョイ)だけがフラットな目線を保ち、シェフや店や社会的矛盾自体に対峙するのだ。

この隔絶されたレストランの特徴は、権力バランスが外の世界とはまったく異なる点。普通、料理と人間の関係は“人間が優位”。人が食べるために料理があるからだ。しかしここでは違う。“料理のために人がある”のだ。

さらに言えば、客のために店があるのではなく“店のために客がある”。人が料理にひざまずき、客がレストランに媚びへつらう、権力関係が逆転しバランスが崩壊した光景には、滑稽な笑いがにじみ出ている。

伝わりづらい例えかもしれないが、まるでお笑いユニット「ラーメンズ」のコントを思い出す場面も多々あった。不意に吹き出してしまうことも1度や2度ではなかった。緊迫感と笑いの見事なコントラスト……。

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つまるところ、ほかのどんな作品にも似ていない“新鮮味”が強く印象に残った。物語は、筆者の映画的記憶から予想する「次はこうなる」を豪快に、かつ芸術的に裏切り続ける。これまで積み上げてきた経験値は、なんの役に立たなかった。

ゆえにジョン・レグイザモら演じる客たちが料理にひれ伏したのと同じように、筆者もこの映画にひれ伏さざるを得なかった。映画と観客も逆転した。しかしそれは敗北感や嫌悪感にはつながらない。むしろダイナミズムにあふれる展開は、想像を軽々と超えてくれたことの嬉しさを引き出し、「次はどうなる? 何がくる?」と一瞬も目が離せなくなった。

ぶっ飛ぶほどの快感が四方八方から襲いかかるので、心して食らいついてほしい。


●幸福な空腹感の正体は? 観て確かめて…謎を解くのは“あなた”
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物語は中盤からさらに急転直下。感情は引き裂かれ、心拍数は跳ね上がり、胃の裏に冷たい汗が流れるのを何度も感じた。ジェットコースターのようなライド感も混ざり、映画と自分の境界線が曖昧になっていく。

やがて名状しがたい“幸福な空腹感”が腹の底から湧き出てきたから驚いた。

なぜこんな空腹感が? その理由を言葉で説明するのは野暮なので、申し訳ないがここでは詳述を避ける。ひとつ言えるのは、“観なければわからない類”の感覚ということ。

孤島のレストランと密閉空間の映画館がリンクし、気づけば自分も実際にレストランにいるような錯覚が引き起こされるほどの強い強い没入感。五感を研ぎ澄まして、ぜひとも体感を。

才能にあふれるキャスト・スタッフを迎え、製作を担ったサーチライト・ピクチャーズ(アカデミー賞常連スタジオだ)がまた“やってくれた”。孤島のレストラン(=映画館)ならではの極上の体験を味わいたいなら、本作を選んでみてほしい。刺激的なフルコースが、すぐそこであなたを待っている。


【フルコースサスペンス】死ぬほど素敵な夜へようこそ
底知れぬシェフが贈る、観る者の五感を刺激する必見作

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鑑賞した衝撃ゆえ、勢いに任せたやや抽象的なレビューを書き殴ってしまった。ここからはもう少し具体的、かつ理性的に、作品の見どころを紹介していこう。


[前菜]ストーリー
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 舞台は、孤島の高級レストラン。謎に包まれたカリスマシェフと、レストランのスタッフが振る舞うのは……。

太平洋岸の孤島を訪れたカップル(アニャ・テイラー=ジョイ&ニコラス・ホルト)。お目当ては、なかなか予約の取れないレストラン。有名シェフ、スローヴィク(レイフ・ファインズ)が振る舞う、極上のメニューの数々だ。

カップルの男性・タイラーは、目にも舌にも麗しい料理の数々に「ちょっと感動しちゃって」と涙する。対して、女性・マーゴはある違和感に苛まれる。これをきっかけにレストランは徐々に不穏な雰囲気に包まれていく……なんと、メニューには想定外の“サプライズ”が添えられていたのだ。

本作の白眉は、主人公のひとりとなるスローヴィクの存在だ。世界中に名が知れた名シェフであり、あらゆる料理に哲学的なテーマとメッセージを込める稀代のアーティストでもあり、そしてミステリアスな過去を抱えている。

さらにレストランのスタッフたちは、神にも等しいスローヴィクへの崇拝ゆえ、いきすぎたカルト集団のような無機質さを湛えている。今夜、彼らは一体なにを達成しようとしているのか? シェフの過去やコースメニューに隠された秘密と、サプライズとは――?


[二皿目]
“究極の存在感”レイフ・ファインズvs“最高の才能”アニャ・テイラー=ジョイ 、ニコラス・ホルト
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圧倒的・究極の存在であるスローヴィク(レイフ・ファインズ)に相対する、マーゴにも熱視線が注がれるべきだ。演じたのはアニャ・テイラー=ジョイ。Netflix「クイーンズ・ギャンビット」で一躍脚光を浴び、飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍する“最高の才能”だ。

さらにマーゴとともに来店するタイラー役には、「マッド・マックス 怒りのデスロード」のニュークス役で強烈インパクトを残したニコラス・ホルト。彼ら“究極と最高”がぶつかり合い、化学反応の末に物語のスリルが何倍にも増幅。物語に、心の奥底に届くような説得力を持たせている。


[三皿目]
来店したのは、謎に包まれた招待客たち…
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マーゴとタイラーをふくめ、来店したのは11人の客だ。

スローヴィクが名声を得るきっかけとなった料理評論家と、その腰巾着の編集者。落ち目のスター俳優と、そのアシスタント。裕福な熟年夫婦。マナーの悪い若きIT長者……。

面白いのは、このレストランだけでなく客にもそれぞれ秘密があり、その秘密はフルコースが進むにつれ徐々に明らかになっていく点。私たち観客は、レストランと客の関係性を推理し、本作を深く深く“味わう”ことになる。


[デザート]
スタッフ&スタジオがアカデミー賞常連の面々…“極上品質”の理由はここにあり
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さて、お付き合いいただいた「ザ・メニュー」特集も、これにて最後の項目となる。

製作を担ったのは、アカデミー賞受賞作「マネー・ショート 華麗なる大逆転」などの監督として知られるアダム・マッケイ。社会風刺をこめたブラックコメディの名手が、エミー賞などを席巻した傑作ドラマ「メディア王 華麗なる一族」のマーク・マイロッド監督とタッグを組み、質実剛健の野心作を創出した。

さらにスタジオは、「シェイプ・オブ・ウォーター」「スリー・ビルボード」などの“アカデミー賞常連”サーチライト・ピクチャーズ。映画ファン垂涎の布陣ゆえ、画面の細部まで抜かりなく、演技、演出、料理、あらゆる要素が“本物中の本物”で提供されている。

ハリウッドのトップランナー、いわば世界屈指の面々が、才能と技術の限界を超えて生み出した“渾身の一皿”。万難を排して、ご賞味あれ。

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