コラム:田幸知有紗のハリウッドスター紳士録 - 第6回
2010年1月13日更新
第6回:世界的巨匠も美女の前ではひとりの男
新春ひとり目の紳士は、昨年末に12年ぶりの劇場用監督作品「アバター」のプロモーションで来日されたジェームズ・キャメロン監督です。私はジャパンプレミアへ取材に行って来ました。場内は「アバター」の世界観に合わせたブルーカーペット。キャストの来日がないにもかかわらず、さすが巨匠の12年ぶりの来日とあり、驚くほど多くの取材陣が結集しました。
4人目の妻で、キャメロン監督の代表作「タイタニック」にも出演した女優のスージー・エイミスや、プロデューサーのジョン・ランドーとともに登場したキャメロン監督。あまり時間がないなか、気さくにインタビューに答えてくれました。
とても立派な体格で背も高いけれど顔は癒し系。そんなキャメロン監督を前にして、インタビューをするまでは気が張っていた私も徐々にほぐされていきました。エイミスの腰に手を回して終始ラブラブの様子で、「妻は初来日なんだよ。一緒に来ることができてうれしいよ。スージーとの日本は温かい」。寄り添っているエイミスも笑顔でうなずいていました。
また、全編にわたって統一されている青の世界観については「一番の理由は、とにかく僕は青が大好きだからさ。見どころは観賞してもらえれば分かるよ!」と映像革命とさえいわれている意欲作をご満悦にPRしてくれました。
確かにその映像には、私も圧倒されて感動。飛び出して驚かせる3D映画ではなく、奥行きで広い世界を描いているから、まるで自分が映画の世界に入り込んだ感覚に……なるほど、素晴らしいものでした。また、とにかく色彩が豊かで見ていてドキドキするほどでした。
キャメロン監督は「タイタニック」を3Dでリメイクするようですし、さらに広島と長崎への原爆投下を題材にしたノンフィクション作品の映画化権を獲得するなど、創作意欲は衰え知らず。今後、どのような作品を手がけられるのか、今から待ち遠しいです。
また、この日は花束プレゼンタ―としてキャスターの滝川クリステルさんが登場。純白のドレスで女神のように美しい滝川さんの姿に、キャメロン監督は鼻の下は終始伸びっぱなし。美女に弱い巨匠の素顔が垣間見られ、とてもほほ笑ましく感じられました。
しかし、とても好印象を残してくれた数日後に、ちょっと残念なニュースが入ってきました。ロサンゼルス空港で、サインを求める男性に対して浴びせた罵声騒動。放送禁止用語も連発されたそうで、どんな理由があるにせよ、ファンが集まる前でそんな態度をとるのはいかがなものかとがっかりです。
ということで、今回の紳士度は☆。紳士に罵声は似合いません……。
さて、1月6日現在の世界興行収入ランキングで、「アバター」が歴代1位の「タイタニック」に続き2位を獲得という快挙を成し遂げました。公開からわずか20日間で11億3500万ドル。果たしてキャメロン監督の躍進はどこまで続くのでしょうか!?