コラム:LiLiCoのHappy eiga ダイニング - 第6回

2010年5月19日更新

LiLiCoのHappy eiga ダイニング

第6回:菅野美穂が「泣いたら金が逃げてくで!」を名言に挙げた理由
対談ゲスト:「パーマネント野ばら」菅野美穂

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菅野:自分の周囲にいない人のほうがいい男に見えちゃいますよね。長く付き合っていこうと思ったら、人間って良いところも悪いところもあるのが当たり前じゃないですか。悪いところをどう面白がれるかがポイントなのかなって思いますね。西原さんとお目にかかったとき、本当に頭の回転が速くて美人なのに「そんな西原さんでもダメな男の人を選んじゃうんだ」と思ったらすごく励まされました。

劇中で、なおこの義父・カズオが印象的なセリフを口にする。愛人宅に入り浸る義父に帰宅をうながすと、「男の人生は真夜中のスナックや。夜中の2時に次のスナックにはしごする男の気持ちが分かるか? 男をここで終わりにするわけにいかんのや」と言い返されてしまう。

リリコ:きれいな女の人の男に関する悲しい話とか、不幸話って面白かったりしますよね。それが自分の話になると、なんでこんなに落ち込んでしまうのかな。以前、信じられないくらい好きだった人がいて、外でチューとかしちゃうくらい好きだったんですよ。それが、あるきっかけで「なんであの人にほれたんだろう? きっと精神的に壊れていたんだろうな」と思ったりもして。それがだんだんとネタになってきちゃうんですよ。宇崎竜童さんの夜中にスナックをはしごする気持ちも分かりますよね。

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■「どんな恋でもないよりましやき」は印象的(菅野)

菅野:私は最初、原作で読んでも「ワケ分かんない」と思ったんです。次に脚本で読んでも「むかつく!」と感じて。それが、宇崎さんのあの声とトーンで言われちゃうと、まともなことを言っている錯覚になっちゃうんですよね。女の人って、ダメな男の人でも好きになっちゃったら勝手に脳内変換しちゃうじゃないですか。優柔不断な人を優しいと解釈しちゃったりしますし。

リリコ:そうなんですよね。でも、こればっかりは仕方がない。あと、劇中に印象的なセリフがたくさんありますけれど、一番好きなセリフはどれですか?

菅野:(小池が言う)「泣いたら金が逃げてくで!」が名言だと思って笑っちゃいました。あとは、きれいだなと思ったり、せつないなと思ったのは「どんな恋でもないよりましやき」。純粋だと思う反面、恋を追いかけるから傷つくし疲れるのに……、それでも恋をします! っていう宣言にも聞こえて印象に残りましたね。

リリコ:私もそのセリフはメモりましたねえ。あとは、どうしても下ネタのセリフがね(笑)。どんなに下ネタ満載の外国映画でも、ここまで出てくるのはありませんよ。

菅野:エロさのカロリーオフですよね(笑)。全然エロくないし。

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■最後の一軒にならないと!(菅野)

リリコ:それでも、ちゃんと最後は感動にもっていくところがすごいですよね。菅野さんの透明感も素晴らしいし。今回はお母さん役でもあり、女性3代というのも重要な要素だと思うんですが、いかがでした?

菅野:私が原作を読んで思ったのは、せつないことを下ネタに包んでしまえるところが西原さんにしかできない表現だと思うんです。監督は、「女の人って悲しい」って思ったみたいなんです。男性と女性ではあまりにも考え方が違うのでハッとさせられましたね。監督は、「自分のお母さんが恋をしようとしている背中を見るっていうのは恐怖だと思う。自分がかつてお母さんにそういう思いを抱いていたのに、今は自分もわが子にそういう気持ちを抱かせてしまっている。縦に悪い連鎖が続いているというか、遺伝みたいなものを描きたい」といわれて、同じものを読んでいてこんなにも視点が違うという点が興味深かったです。原作はもう少しふんわりと仲良かったはずなんですよね。姉妹みたいな感じで。

リリコ:菅野さんのお母さんはどんな方ですか?

菅野:ポワーって感じですかね。どんな感じ?基本的にのんびりしています。だまされて高い布団を買っちゃうタイプですが。「これ30万円するんだけど、お父さんには内緒ね! 本当にいいものだから、30万円で徳なの!」って(笑)

リリコ:販売の人に言われたことをそのまま言っているんですね。

菅野:そうなんです(笑)。

リリコ:今回、母親役を演じてみて、これからお母さんになっていくかもしれないですし、自分の将来のお子さんに伝えたいことってありましたか?

菅野:私の友だちが奥さんになって、母になって。何を伝えなきゃいけないのか、今はまだ探し中ですね。

リリコ:そうそう、スナックをはしごされちゃいますからね、夜中の2時に。

菅野:最後の一軒にならないと!

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筆者紹介

LiLiCoのコラム

LiLiCo(リリコ)。1970年11月16日、スウェーデン・ストックホルム生まれ。18歳で来日し、1989年に芸能界デビュー。2001年からTBS「王様のブランチ」に映画コメンテーターとしてレギュラー出演中。映画俳優へのインタビューをはじめ、「レイトン教授と永遠の歌姫」「シャーロットのおくりもの」などでの声優業、トークイベント、ナレーション、雑誌エッセイなど幅広く活躍している。

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