コラム:LiLiCoのHappy eiga ダイニング - 第5回

2010年4月12日更新

LiLiCoのHappy eiga ダイニング

第5回:岡村隆史を震撼させた松雪泰子のパンチの真相
対談ゲスト:「てぃだかんかん/海とサンゴと小さな奇跡」岡村隆史、松雪泰子

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東京と沖縄の往復が続く…
東京と沖縄の往復が続く…

タイトルの「てぃだかんかん」とは、沖縄の方言で「太陽燦々(さんさん)」「太陽ギラギラ」といった“幸せの象徴”を意味している。香港のアクションコメディ「無問題」「無問題2」や「少林少女」で、持ち前のキャラクターを生かしてコミカルな役どころを演じることの多かった岡村が、幼いころの美しい海に思いを馳せ、ひたむきにサンゴの復活を願う純粋な男を演じている。

リリコ:それにしても、岡村さんはお笑いの要素を封印されていましたけれど、この素敵なキャラクターをどのような気持ちで演じられたのですか?

岡村:李監督から「コントに見えるのだけはやめましょう」と言われていたので、やりすぎな部分を抑えてやりましたね。やっぱりキャラクターが一生懸命な設定やったし、まじめに作品づくりには取り組みましたね。演技に関しては本当にコントになってしまうんですよ。衣装ひとつ着るにしても、監督の指示で白衣を着てみたら、着た瞬間にコントになってしまって(笑)。「やっぱりやめましょう」ってことになりました。演技は素人やから、ほとんど松雪さんにお任せ。スクリーンに出てくるだけで空間がキュッとしまるから、「松雪さん、助けてください!」って感じでしたね。

松雪:そんなことないですよ。金城さんが持っていらっしゃる雰囲気と岡村さんが自然とリンクしていた気がしましたから。

金城さん夫妻と4ショット
金城さん夫妻と4ショット

■すごく素敵でしたよ(松雪)

岡村:金城さん夫妻が現場におられたりするので、本人が見ている前で演じるのはちょっと恥ずかしかったですね。どう思って見てはるのかなあって気になりましたし。

リリコ:実在の人物を演じるだけで結構気を遣うのに、そこにいらっしゃるとね。

岡村:僕は何度となく、現場で軽いパニックを起こしましたね。

リリコ:ご本人からは何か言われました?

岡村:笑いながら「僕あんなしゃべり方しないよ」と言われたことはありましたけど、さほど言われなかったですね。それよりも、東京で番組の収録がある関係で往復することが多くて。監督からは「岡村隆史になっています。金城さんになっていませんよ」と注意を受けましたね。沖縄の方ってゆっくりしゃべるので、東京にいる間にスピードが速くなっているみたいで。松雪さんは、いつも「大丈夫ですか?」って気を遣ってくれるんですけど、僕の方が逆に「大丈夫ですか?」って気分でしたよ。皆さんに迷惑をかけちゃいましたね。

松雪:すごく素敵でしたよ。本当に。スケジュール的にも本当にハードだったと思いますし。言葉の問題もありましたしね。

岡村:そう、沖縄の言葉って独特のリズムがあるんですよ。現場に方言指導の方がおられるんですけど、イントネーションが大丈夫やったのかどうかって気になりましたね。監督からは、「そこは気にしなくていい。気持ちが入っていれば大丈夫」って言ってもらっていたんですけど、自分のなかではなかなかね……。

対談中、終始穏やかな表情
対談中、終始穏やかな表情

リリコ:沖縄弁って本当に難しいですよね。岡村さんは沖縄、お好きですよね?

岡村:大好きですね。スケジュールは確かにタイトでしたけど、沖縄に入ったらさほどしんどさはなかったですね。沖縄が好きだからでしょうけど。アドリブも本当は入れたかったんですよ。何か言いたいんですけど、言葉のチョイスを間違えたらどうしようっていうのがあったもので。

松雪:そういうのがうまく使えると、ネイティブ感が出せるんですよね。

リリコ:沖縄の思い出はありますか? プライベートでどこかに行ったりしましたか?

松雪:私はオフの日に原田美枝子さんと久高島、斎場御嶽(せいふぁうたき)に行ってきました。船に乗って島へ行き、自転車で一周したりしてすごく良かったですよ。「日焼けしちゃダメだよ」って言われたのに、黒くなって帰ってきて怒られちゃいましたけど。

岡村:松雪さんと原田さんが、自転車に乗って後ろを振り向いている写真を見せてもらったんですけど……行きたかったですねえ。

松雪:あとは、レンタカーを借りていたので、現場へもドライブしながら自分で行っていました。すごく満喫しましたよ。

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筆者紹介

LiLiCoのコラム

LiLiCo(リリコ)。1970年11月16日、スウェーデン・ストックホルム生まれ。18歳で来日し、1989年に芸能界デビュー。2001年からTBS「王様のブランチ」に映画コメンテーターとしてレギュラー出演中。映画俳優へのインタビューをはじめ、「レイトン教授と永遠の歌姫」「シャーロットのおくりもの」などでの声優業、トークイベント、ナレーション、雑誌エッセイなど幅広く活躍している。

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