コラム:LiLiCoのHappy eiga ダイニング - 第3回

2010年1月25日更新

LiLiCoのHappy eiga ダイニング

第3回:中村義洋監督はムチより怖いものを持っている
対談ゲスト:「ゴールデンスランバー」堺雅人、竹内結子

TBS「王様のブランチ」の映画コメンテーターとして人気のLiLiCoが、旬の俳優・女優から映画に対する思い、プライベートな素顔に至るまでを多角的に展開する対談連載「LiLiCoのHappy eiga ダイニング」。第3回のゲストは、人気作家・伊坂幸太郎の代表作を映画化した「ゴールデンスランバー」に主演の堺雅人竹内結子。オール仙台ロケでは、その役どころゆえに街中を走りに走った2人に、LiLiCoが迫った。

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LiLiCo(以下、リリコ):お二人は「ジェネラル・ルージュの凱旋」以来だから、久しぶりの共演って感じではしないですよね。役どころは間逆ですけれど。

竹内結子(以下、竹内):そうですね。間逆というか、やっと少し対等な位置に立てたかなと。

リリコ:今回の撮影で、クランクインから、お互いの印象って変わりましたか?

堺雅人(以下、堺):僕は「ジェネラル・ルージュ」から変わっていないです。どんな役をされていても、竹内さんには安定感を感じますね。前回もそうですが、竹内さんと僕って、作品のなかで別々のパートを担っている関係だと思うんです。「ジェネラル」では、僕が救命救急の問題を、竹内さんはシリーズを通した雰囲気を担当していたと思う。今回も(堺演じる)青柳と(竹内扮する)晴子の2本のラインは、ストーリーを構成するうえで大切ですよね。だから、竹内さんはただの共演者ではなく、一緒に隣を走っているような、そんな存在です。そういう意味でも、非常に頼れる同業者ですね。劇中、一緒に出ているシーンがほとんどないわけですから。

竹内:私も同じで、そのときそのときで気持ちのブレから出てしまう何かも堺さんだったら丸ごと拾ってくれるだろうっていう安心感があるんです。

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■吉岡秀隆さんには一生頭が上がらない(堺)

リリコ:撮影中は一緒に食事をしたりするんですか?

堺:今回は、共演した吉岡秀隆さんと貫地谷しほりさんの4人で食事に行きましたね。吉岡さんが本当に素敵なのは、演じるというこの仕事に対して、すごくまっすぐで熱い気持ちを持っているところです。(物語が動き出す)吉岡さんとの車の中のシーンがすごく好きですね。そのシーンは1日がかりで撮ったのですが、ちょうどあの日の夜ですね、みんなでウニ祭りだといって食事をしたのは。僕、多分あの人には一生頭が上がらない存在なんじゃないかっていうくらい尊敬しています。貫地谷さんはあの調子の天才女優です。本当にすくすくと育っている女優さんじゃないでしょうか。

竹内:そうそう、そしてその才能にいつも敬服です。素敵な方々と同じ作品に出演できたことがうれしくて。現場でお会いできませんでしたが、青柳君のお父さんを演じられた伊東四朗さんのシーンも大好きです。「役作りはいらない」との監督の言葉を受けて撮影に臨んだので、周りの俳優陣があってこそ、晴子という人格ができたんです。こんなに恵まれた現場はないですよ。

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リリコ:原作者の伊坂幸太郎さんと中村義洋監督のタッグって本当に素晴らしいですよね。安心して見られますし、期待以上のものを見せてくれる。

堺:原作が人気のある作品なので、撮影が始まる前は伊坂ファンの方がどういう感想を持たれるだろうって不安に感じたこともありました。そう言っていただけると非常にホッとしますよね。心が良かったって思います。

■「通じているよー!」と叫びたくなる(リリコ)

リリコ:印象的だったのは、仙台の街をものすごく走っていますよね。

堺:観光地としての仙台じゃなくて、生活する場としての仙台を本当によく走りました。下水道を走ったときには水道局の方にお世話になりましたね。パレードのシーンでは、エキストラで1000人近い方がいらしてくれました。仙台の皆さんと作った映画っていう気が本当にします。

リリコ:その温かみがすごく出ていますよね。

堺:うまいんですよね、仙台の方の芝居が。これから増えていくと思いますよ。伊坂さんが書かれた新作を、もし今後も中村さんが撮り続けるのなら、“仙台シリーズ”みたいな。

竹内:仙台シリーズ! 湯煙なんとかみたいな(笑)

>>次のページへ続く

筆者紹介

LiLiCoのコラム

LiLiCo(リリコ)。1970年11月16日、スウェーデン・ストックホルム生まれ。18歳で来日し、1989年に芸能界デビュー。2001年からTBS「王様のブランチ」に映画コメンテーターとしてレギュラー出演中。映画俳優へのインタビューをはじめ、「レイトン教授と永遠の歌姫」「シャーロットのおくりもの」などでの声優業、トークイベント、ナレーション、雑誌エッセイなど幅広く活躍している。

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