コラム:細野真宏の試写室日記 - 第94回
2020年9月25日更新
【インド】
「名もなき男」は「プリヤ」に会い、結果を伝える。
すると、「プリヤ」は「回転ドア」の仕組みを知っているようで、「その2人が同時に現れたのなら、それは同一人物」という謎の説明をする。
そして、「プリヤ」が、「セイター」は「現在と未来をつなぐブローカー」で、彼が死ぬと未来からの攻撃が起こる、といった世界の危機が起こりそうな予感を与える。
そこで、「セイター」を調べるため、「セイター」と接触する際には「セイターが欲しがっているプルトニウム241」を取引材料に使えばいい、という。
行方不明だった「プルトニウム241」は、今はウクライナにあり、移送されるところを狙えばいい、という情報も得る。
【アマルフィ海岸】
「名もなき男」は「キャット」に再び会いに行き、「セイター」に会わせてもらうように口裏合わせのお願いをする。
「名もなき男」は、「ゴヤの絵画の贋作」が謎の部屋になかったので、「キャット」に「もう心配ない」と伝え安心させる。
「キャット」はニュースにもなっていた空港の火災の件を知っていたので、本当に処分してくれたんだと安心した。
「名もなき男」は「キャット」のおかげで「セイター」に夕食会の時に会うことができた。
その際に「名もなき男」は「セイター」に、「オペラは好きか?」とテロを想起させるような質問をして気を引かせる。
「セイター」は驚き、「名もなき男」に関心を持って翌朝8時からのボートのセーリングに誘い、「名もなき男」は夕食会の場から去る。
翌朝の朝食時に、「キャット」は「セイター」に対して強気な姿勢で臨むが、出された朝食を見ると、なぜかゴヤの絵画の贋作が置いてあった。
驚く「キャット」に、「セイター」は「胸騒ぎがしたから倉庫から運んでおいた」と伝え、「私には未来が読める」と言い放つ。
「キャット」は、未だゴヤの絵画の贋作が「セイター」の手中にあることに失望し、ボートのセーリングの際に「セイター」を殺そうと走行中に命綱を切って海に突き落とす、といった行動に出る。
そのままだと「セイター」は死ぬことになったが、「名もなき男」は、「まだ逆行する弾丸のことなど一切聞き出せていない」と「セイター」を助ける。
「セイター」は命を助けられ、「名もなき男」に感謝し、「セイター」の船に招待する。
「キャット」は船で「名もなき男」と2人だけになった時に、「あの絵はまだあった!」と怒って、「名もなき男」は「すまない。仕方なかった」と謝る。
そして「名もなき男」は、怒る「キャット」に対して「セイターはキャットだけでなく、すべての命を握っている」と伝える。
「セイター」が「名もなき男」と直接話したいと部下を呼びに行かせ、「名もなき男」は「セイター」と直接話しをできるチャンスを得る。
「名もなき男」は「セイター」が探している「プルトニウム241」の在り処を伝える。
そして、それを「名もなき男」が盗んで「セイター」に売りたい、と取引を依頼する。
「名もなき男」は夜に「セイター」の船で、「セイター」が「逆行する金塊」を手にしているのを目撃し、見入っているところを部下に見つかる。
そして、「セイター」の逆鱗に触れた「名もなき男」は、「セイター」から、部下を付けるから早く「プルトニウム241」を盗りに行けと言われる。
「名もなき男」は、「プルトニウム241」を盗んで売る際に、受け渡し人を、何も知らなくて安心できる「キャット」にしてほしいと伝える。
「セイター」は仕方なく了承。「名もなき男」は何か「セイター」に関する手掛かりが欲しくて手付金を要求し、「セイター」はその場にあった1本の金塊を渡す。
【エストニア】
エストニアで「名もなき男」と「ニール」は、移送中の「プルトニウム241」を、大型トレーラーや消防車などを巧みに使って盗み出すことに成功する。
ところが、突然、そこに「逆行する車」に乗った「酸素ボンベを付けたセイター」が「キャット」と現れる。
「プルトニウム241」を渡さないと「キャット」を撃つ、という合図を手で送っていて、「名もなき男」は仕方なくトランクを車から投げて渡す。
トランクを受け取った「セイター」は仲間と一緒に「逆行する車」から逃げ去るが、その「逆行する車」には「キャット」が置き去りで、このままだと事故で死亡することに。
そこで、「名もなき男」は「逆行する車」に飛び移り、ギリギリのところで「キャット」の救出に成功する。
しかし、すぐに「セイター」の部下から攻撃され、「名もなき男」は「セイター」の部下に捕まり、「時間逆行装置」が置いてある倉庫に連れていかれる。
「名もなき男」が連れていかれたのは「順行」(時間が前に進む)の「赤い部屋」。
そして、ガラス越しの「逆行」(時間が逆に進む)の「青い部屋」には、「酸素ボンベを付けたキャット」がいて「セイター」に拳銃を突き付けられている。
「セイター」は「名もなき男」に、「どこにプルトニウム241を隠した?」と質問し、答えないと「キャット」を撃つと脅す。
そして「名もなき男」が躊躇している間に、「セイター」が撃ち、「キャット」の腹に「逆行する銃弾」が貫通する。
そこで「名もなき男」は、プルトニウム241をどこに隠したのかを教える。
実は、「名もなき男」は、プルトニウム241をトランクから直前に出して、別の車の後部座席に移していたのだ。
「セイター」は、「時間逆行装置」を巧みに何度も使いながら、プルトニウム241の在り処を探り続けていた。
そして、「ニール」が仲間を連れて「時間逆行装置」が置いてある倉庫に突入してくるが、もう情報は手に入ったので「セイター」らは消えた。
残された「キャット」の症状は、「逆行する銃弾」で撃たれているので非常に重かった。
通常の銃弾であれば、横腹を撃たれたくらいだとそれほど致命的にはならないが、「逆行する銃弾」は「核融合の逆反射」の関係などで通常より極めて威力がある。
このままだと数時間で死亡することになるため、「時間逆行装置」を使って、時間を戻しながら回復させる方法を試みることにした。
ここで、「名もなき男」が責任を感じて「時間逆行装置」の外に出て、「セイター」のように「逆走する車」に乗ったりするが、これは「セイター」の方が上手で、結果、「セイター」がプルトニウム241を入手する手助けをしてしまうことになる。
そして、「名もなき男」は真っ逆さまに倒れた車から漏れたガソリンに、「セイター」から火を付けられて、逆行する世界なので「凍りつく」ことになった。
全身が凍りついた「名もなき男」は、「ニール」に助けられる。
そして、「名もなき男」と「ニール」と「キャット」の3人は、「キャット」の傷が癒えるまでの1週間ほど時間を逆行している。
ただ、エストニアの「セイター」の管理下にある「時間逆行装置」で時間を戻すと、「セイター」の部下などがいて出られなくなる。
そこで、ちょうど1週間前に飛行機の突入を起こした「オスロ空港」まで戻り、自分たちがいた「時間逆行装置」を使って外に出れば問題がなくなるので「オスロ空港」に向かう。
「オスロ航空」に近くなってきた時に、「名もなき男」が「ニール」に「アルゴリズム」とは何かを聞いた。
すると、「ニール」は、要するに「地球上の生物が一瞬で消える状況になるもの」と説明をした。
【オスロ空港】
まず、「名もなき男」が逆行する状態を元に戻すため、マスク姿で「防御スーツ」を着用した状態でオスロ空港の「時間逆行装置」に向かう。
ただ、飛行機の爆発の影響もありシャッターに飛ばされるような形で「青い部屋」に入るが、まさに、そこには1週間前の「名もなき男」がいて、鉢合わせとなる。
1週間前の「名もなき男」にとっては(正体不明な)敵なので、「逆行する銃弾」を使っての激しい戦いとなる。
そして、「時間逆行装置」にたどり着き、「逆行」から「順行」に回転ドアを移動する。
まさに、この「逆行」(回転ドアに「入る」のだが、青の部屋では「出る」ように見える)から「順行」(回転ドアから「出る」場合、赤の部屋では、そのまま「出る」ように見える)に移動する動きこそが、最初の【オスロ空港】で見た“2人”の正体だった。
「ニール」は「順行」する「名もなき男」を捕まえ、マスクを外したところ、「名もなき男」だと分かったので、そのまま行かせた。(1週間前に「ニール」が「始末した」と伝えたのは嘘だったのである)
こうして「逆行」の世界から通常の「順行」の世界に戻れた3人だが、最大の問題である「セイター」の暴走を止めることが出来ていない、という根本的なところに行き着く。
そこで、「名もなき男」は、「ニール」に「プリヤ」とオスロで会う手はずを整えてくれと要請する。
【オスロ】
「プリヤ」と会った「名もなき男」は、「アルゴリズム」の経緯と「最終決戦」について聞いた。
かつて「原子爆弾」を作ったオッペンハイマーが後悔したように、未来で「9個の揃った核兵器」を作り上げた科学者は恐ろしさのあまり自殺してしまった、という。
そして、その9個の破壊兵器はバラバラにされ、過去に隠されていたが、「セイター」が集めてしまった。
「セイター」は、自分が死ぬときに「9個の揃った破壊兵器」を作動させ、時間の流れ自体を逆行させることによって、今ある地球上のすべての生物を消し去ることを目論んでいるのである。
そのため、「プリヤ」は「9個の揃った破壊兵器」を一気に奪い取る「最終決戦」を考えていた。
そこで、「名もなき男」は、「セイター」の暴走を食い止めるため、「キャット」に協力者になってもらうことを「プリヤ」に告げる。
そして、「名もなき男」は、知り過ぎたといって「キャット」を絶対に殺すな、と「プリヤ」に約束させた。
コラム
筆者紹介
細野真宏(ほその・まさひろ)。経済のニュースをわかりやすく解説した「経済のニュースがよくわかる本『日本経済編』」(小学館)が経済本で日本初のミリオンセラーとなり、ビジネス書のベストセラーランキングで「123週ベスト10入り」(日販調べ)を記録。
首相直轄の「社会保障国民会議」などの委員も務め、「『未納が増えると年金が破綻する』って誰が言った?」(扶桑社新書) はAmazon.co.jpの年間ベストセラーランキング新書部門1位を獲得。映画と興行収入の関係を解説した「『ONE PIECE』と『相棒』でわかる!細野真宏の世界一わかりやすい投資講座」(文春新書)など累計800万部突破。エンタメ業界に造詣も深く「年間300本以上の試写を見る」を10年以上続けている。
発売以来15年連続で完売を記録している『家計ノート2025』(小学館)がバージョンアップし遂に発売! 2025年版では「全世代の年金額を初公開し、老後資金問題」を徹底解説!
Twitter:@masahi_hosono