コラム:細野真宏の試写室日記 - 第287回
2025年8月8日更新

映画はコケた、大ヒット、など、経済的な視点からも面白いコンテンツが少なくない。そこで「映画の経済的な意味を考えるコラム」を書く。それがこの日記の核です。
また、クリエイター目線で「さすがだな~」と感心する映画も、毎日見ていれば1~2週間に1本くらいは見つかる。本音で薦めたい作品があれば随時紹介します。
更新がないときは、別分野の仕事で忙しいときなのか、あるいは……?(笑)
試写室日記 第287回 新章となる「ジュラシック・ワールド 復活の大地」は最後の最後まで“失速”せず! 興収はどうなる?

(C)2025 Universal Studios. All Rights Reserved.
今週末8月8日(金)から「ジュラシック・ワールド 復活の大地」が公開されました。
7月3日に完成披露試写会を見るために移動している際、ニュースサイトで本作の記事を見かけ、ポチッと押してみました。すると、ちょうどアメリカの批評家サイト「Rotten Tomatoes」でレビュー解禁されたタイミングだったようで、いち早く集まったレビューをまとめた記事でした。
これまでハリウッド映画の完成披露試写を見る日には、(完成披露試写の日程がレビュー解禁日に設定されていたりするからか)「Rotten Tomatoes」の記事を偶然見かけるケースが少なくない気がします。
ちなみに、その場合は、不思議と見た後には「うん、おおよそ似た評価」という結果になることが多いのでした。

(C)2025 Universal Studios. All Rights Reserved.
その記事には“さまざまな意見”が並んでいました。前作の「ジュラシック」シリーズ6作目「ジュラシック・ワールド 新たなる支配者」(2022年)が個人的にハマらなかったので、否定的なレビューを見かけた際は「まぁ、そうなんだろうな」と思ったり。だからといって、全く期待をしていなかったのか、というと、それは違います。
なぜなら、「ジュラシック・ワールド 復活の大地」は主役をスカーレット・ヨハンソンに変えるなどして、「新章」としてスタートするからです。

(C)2025 Universal Studios. All Rights Reserved.
とはいうものの、期待値は抑えめにして鑑賞してみることにしました。
始まって3割くらい経った辺りでしょうか。
「うん、ここまでは普通に面白いな」と素直に感じました。
通常の場合では、ここら辺りから「う〜む」と思いながら見続けるのですが、特に違和感もなく良い感じだったのです。
そして、6割くらいが経った辺りで、「ん? ここまでも普通に面白いな。駄作臭も感じないし、どこで失速するんだろう?」と別の意味で興味を持ちました。
ところが、その後も失速するどころか、むしろプラスに加速していき、「あれ、これはマイナス要素が見当たらないレベルの作品だよね?」と、最終的には手離しで褒められる作品になりました!

(C)2025 Universal Studios. All Rights Reserved.

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思えば、「ジュラシック」シリーズは、1作目の「ジュラシック・パーク」(1993年)も、リブート1作目の「ジュラシック・ワールド」(2015年)も大好きな作品でした。
そうなのです、「ジュラシック」シリーズは1作目だけはどれも非常に面白いのです。
そこで改めて「Rotten Tomatoes」をチラ見すると、“ある恐竜”の存在が気になったという意見を見かけました。コアな恐竜ファンの場合などは気になる人もいるのかもしれませんが、そこまで恐竜に強烈な思い入れがあるわけではない私にとっては、1本の映画として全く文句の無い作品でした。(念のため、字幕版と吹替版の両方を比較のため鑑賞。本作に関しては、「字幕版」を推したいと思っています)。
さて、新章となる「ジュラシック・ワールド 復活の大地」の興行収入ですが、「ジュラシック」シリーズの大きな特徴として、1作目がメガヒットし、2作目以降も大ヒットするのですが「前作割れ」をするようになっています。
これは1作目の「ジュラシック・パーク」(1993年)、リブート1作目の「ジュラシック・ワールド」(2015年)のどちらでも同じ動きなのです。

(C)2025 Universal Studios. All Rights Reserved.

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そう考えると、新章となる本作では再び飛び抜けたヒットを期待することも可能ですが、以下の2点が気がかりな点としてあります。
1つ目は、タイトルを全く新しくするわけでなく「ジュラシック・ワールド」という括りで前作と同じにしている点です。
実際に作品を見てみれば新たな物語になっていることはわかりますが、タイトルだけだと続編のように感じます。
2つ目は、前作の公開時の2022年から3年しか経っていないので、より「前作の続編では?」というイメージが強くなる点です。

(C)2025 Universal Studios. All Rights Reserved.
このように考えると、興行収入の面では、前作の続編のような結果になる可能性があって、前作の興行収入が63.2億円だったので、本作の興行収入は50億円が1つの目処になりそうな印象があります。
確かに世界線では前作までの内容を引き継いでいるようですが、私は前作を全く覚えていなくても、本作を何の問題もなく楽しめたので予備知識ゼロでも大丈夫な作品と言えます。
果たして、新章というのがどこまで広がるのか、興行収入の行方に注目したいと思います!
筆者紹介

細野真宏(ほその・まさひろ)。経済のニュースをわかりやすく解説した「経済のニュースがよくわかる本『日本経済編』」(小学館)が経済本で日本初のミリオンセラーとなり、ビジネス書のベストセラーランキングで「123週ベスト10入り」(日販調べ)を記録。
首相直轄の「社会保障国民会議」などの委員も務め、「『未納が増えると年金が破綻する』って誰が言った?」(扶桑社新書) はAmazon.co.jpの年間ベストセラーランキング新書部門1位を獲得。映画と興行収入の関係を解説した「『ONE PIECE』と『相棒』でわかる!細野真宏の世界一わかりやすい投資講座」(文春新書)など累計800万部突破。エンタメ業界に造詣も深く「年間300本以上の試写を見る」を10年以上続けている。
発売以来15年連続で完売を記録している『家計ノート2025』(小学館)がバージョンアップし遂に発売! 2025年版では「全世代の年金額を初公開し、老後資金問題」を徹底解説!
Twitter:@masahi_hosono