コラム:Celeb☆Graphy セレブ☆グラフィー - 第58回
2017年1月16日更新
【vol.58】浮かれすぎ厳禁!炎上した受賞スピーチ5選
アカデミー賞に向けて数々の映画賞でにぎわうこのシーズン。誰が受賞するかはもちろんですが、その後のスピーチも注目ポイントのひとつですよね。ところが近頃のSNSブームもあって、ちょっとしたミスでも大ひんしゅく。今回は炎上した受賞スピーチをピックアップしてみました。
■トム・ヒドルストン今年のゴールデングローブ賞では、トランプ次期大統領を批判した大女優のメリル・ストリープのスピーチが大きな話題を呼びました。一方で手痛い失敗をやらかしてしまったのが、スパイドラマ「ナイト・マネージャー」でミニシリーズ/テレビ映画部門の主演男優賞に輝いたトム・ヒドルストン。南スーダンを訪問したエピソードを振り返り、「傷ついた世界を直そうとユニセフや国境なき医師団、国連WFPで働いている人たちに、息抜きや楽しみをもたらせたことで、非常に自分が誇らしくなりました」とポロリ。これには「自画自賛だ」と非難が殺到。トムは翌日、「とても緊張していて、ふさわしくない表現になってしまった」とFacebookで謝罪しました。過酷な環境でがんばる人たちがいることを広く伝えたかっただけなのに、なんとも残念。
■パトリシア・アークエット同じく主張がうまく伝えられず袋叩きにあってしまったのは、2015年のアカデミー賞で助演女優賞を受賞したパトリシア・アークエット。オスカーの大舞台で男女間の賃金平等を訴えた受賞スピーチは喝采を浴びました。が、その後のプレスルームで「女性を愛するすべての男性も、ゲイの人々も、その他の人々も、女性の権利のために戦うべき」と言ったらブーイングの嵐。LGBTや非白人の権利をそっちのけにしていると思われてしまったんです。ハリウッドの壇上ではご法度とされる政治的な話題を取り上げるのは、キャリアを賭けた勇気ある行為。それだけに、言葉足らずで予想外のバッシングを浴びる結果になるなんて気の毒……。
■クリステン・スチュワートスピーチ内容が物議をかもすこともあれば、時には登壇時の態度がやり玉にあがることも。クリステン・スチュワートは「アクトレス 女たちの舞台」で、フランスのアカデミー賞にあたるセザール賞の助演女優賞を受賞。米国人初の快挙だったのに、「手汗がひどい」とトロフィーを受け取らなかったり、フランス語のカンペを開くのに手間取ったり、ずっとソワソワしっぱなし。途中で英語に切り替えたスピーチもぎこちなくて、「オイオイしっかりしてくれよ」と思わずにはいられませんでした。でも、「外国で名誉ある賞をもらうんだから緊張して当然」という擁護の声も。普段はふてぶてしそうなクリステンでもアガことってあるんですね。ちょっとかわいいかも。
■アン・ハサウェイ一方、芝居くさくてコキ下ろされたのはアン・ハサウェイ。「レ・ミゼラブル」のフォンテーヌ役で賞レースを席巻し、フィナーレのアカデミー賞でも栄冠を手にしました。前しょう戦での受賞スピーチが笑いの種にされていたアン、オスカーでは名誉を挽回しようと何度も練習を重ねていたみたい。ところが念を入れすぎたスピーチが、「わざとらしい」と集中砲火を浴びるハメに……。しかも、最近になって英ガーディアン紙のインタビューで「すごく気まずかったの。オスカーをとったら素直に喜ぶものだと誰だって思うでしょ。でもそんな気持ちになれなかったの」と、演技だったことを激白。正直すぎてもダメ、やりすぎてもダメ。みんなの期待に応えるって大変ですね。
■テイラー・スウィフト(というかカニエ・ウェスト)ミュージックシーンにもあります、受賞スピーチをめぐるハプニング。2009年のMTVビデオ・ミュージック・アワード(VMA)でのカニエ・ウェスト乱入事件は、いまもみんなの語り草ですよね。最優秀女性アーテイスト・ビデオ賞に輝いたテイラー・スウィフトのマイクを奪い取り、「ビヨンセのビデオが最高だ!」とほえたカニエ。その横で “悲しむ子猫”の表情を浮かべたテイラーがもう不びんで。この奇襲で持ち時間を奪われたテイラーですが、最優秀ビデオ賞を受賞したビヨンセがステージに招いてくれたことでスピーチを終えることができました。あれから7年、カニエVSテイラー抗争はまだまだ終結の気配なし。今年の音楽賞でも炎上騒ぎがあったりして!?