コラム:編集部コラム やっぱりアニメはヽ(´▽`)ノ日本が一番 - 第21回
2014年4月9日更新
第20回:つぶやきから話題の作品をピックアップ!2014年春アニメトップ10
■固定ファンを掴んだ「FAIRY TAIL」「ケロロ」やプロモーションに注目が集まる「メカシティアクターズ」「ダイミダラー」
第5位「FAIRY TAIL-フェアリーテイル-」は、真島ヒロによる同名コミックが原作。2009年から13年にかけて放映されていたTVアニメ版からストーリーのつながる続編だ。長期連載コミックが原作ということもあり、すでにガッチリ固定ファンが付いている。
本作が大きな盛り上がりを見せたのは3月17日。前日16日に公開されたPVが話題を呼んだ。また、BoAによるOPテーマ「MASAYUME CHASING」と、BREATHEによるEDテーマ「君と彼と僕と彼女と」のリリースも公開されたことで、大きなうねりを生み出していた。
第6位「ケロロ」は、吉崎観音の原作コミック「ケロロ軍曹」のフラッシュアニメ。「ケロロ軍曹」は04年から11年にかけてTVシリーズが放映されており、かつて「ケロロ軍曹」を見て育った子どもたちが、今では一人前のアニメファンになっているであろうことも想定してか、キャスティングは当時を踏襲した布陣となっている。
こちらのツイート数は、3月23日に3000件を超えた。Anime Japan 2014のステージイベントが催されたことも寄与しているが、前日の3月22日に第1話のオンエアが開始されていたということが大きな要因だろう。したがって、ツイートの多くは本編の感想。3分アニメになり、時間が短縮されてしまったことを残念がる声もあったが、それ以上に再始動を祝う声が大半を占めた。また、一部地方では流通の都合で原作コミックの最新25巻が発売日に先行して店頭に並んでいたようで、これと絡めての声も見られた。
第7位の「メカクシティアクターズ(カゲロウプロジェクト)」は、原作者・じんによるボーカロイド曲を発端とするマルチメディアミックスプロジェクト“カゲロウプロジェクト”から生まれた作品。総監督として新房昭之を迎え、アニメーション製作をシャフトが担当するという鉄板のスタッフ陣容。「魔法少女まどか☆マギカ」や「物語シリーズ」で、ディープなアニメファンから絶大な支持を得ているコンビだけに、注目が集まる。
本作もやはり3月23日には大きな盛り上がりを見せているが、3月16日にもそれに迫るツイート数となった。各キャラクターをフィーチャーしたプロモーション映像の第8弾(セトVer.)が公開されたからだ。本作は1月より毎週土曜日23時59分45秒に新プロモーション映像を放映しており、プロモーション映像内でのキャストの発表に一喜一憂したファンも多いだろう。放映直前の現段階においても謎が多い作品だけに、わずか15秒の映像から得られる情報でも貴重であり、注目度は高い。
第8位「デート・ア・ライブII」は、橘公司によるライトノベル「デート・ア・ライブ」のアニメ化第2弾。多数の美少女が登場する、王道のボーイミーツガール作品で、2013年放映の第1期から満を持しての再登場となる。
こちらは3月10日に最多ツイート数を記録しているが、この日は原作ライトノベル最新10巻の発売日。これに絡めてTVアニメについて言及するパターンもあり、原作ファンの強力な支持が作品の話題性につながっていることが浮き彫りとなった。
第9位「蟲師 続章(前期)」は、月刊アフタヌーンにて連載されていた漆原友紀のコミック「蟲師」が原作。05年に放映され、非常に高い評価を得たアニメ版「蟲師」の続編となる。05年版のスタッフが再集結しているため、ファンにとっては安心感のある再アニメ化だ。
3月15日には放送告知CMが公開されたほか、イベント「蟲の宴 ~『蟲師』特別篇上映会~」の開催決定も報じられ、翌16日には大きな盛り上がりを見せた。昨年12月には、前作全26話を収録したBD-BOXの廉価版「蟲師 二十六譚 Blu-ray BOX スタンダード版」がお手頃価格で発売されたばかりということもあり、人気が再燃した形だ。
第10位「健全ロボダイミダラー」は、なかま亜咲による同名コミックを原作とした、矛盾をはらんだタイトルに恥じない、美少女キャラクターによるエロシーン満載のギャグアニメである。一方、メカニック描写といえば3DCG全盛のこのご時世に、手描きでの重厚感溢れるロボット表現にこだわっているということなので、ロボットアニメファンにも見逃せない作品だ。
3月14日に大きな話題となったのは、リニューアルオープンされた公式サイト。インターネット黎明期からネットサーフィンに興じていた人なら誰でも知っている“あのサイト”の血脈を受け継いだデザインに「狂っている」「クッソワロタw」との声が怒涛のごとく寄せられた。また、3月23日のAnime Japan 2014では、ステージイベントに江頭2:50が招かれ、会場(およびTwitter)は混乱の渦に陥っている。数ある作品の中でもとりわけかわった話題性が押し出されている。
と、ここまで全10作品の盛り上がりを紹介してきたが、10作品以外にも集計期間中に開催された日本最大のアニメーションイベントであるAnimeJapan 2014で発表された情報や各ステージイベントに関する感想など、どのアニメも話題が集中していたのが印象的だ。一方で、「ラブライブ!」のようにニコニコ生放送を利用したり、「メカクシティーアクターズ」のように週ごとに情報を少しずつ出していくアプローチ、「ダイミダラー」のように公式サイトに趣向を凝らして話題性を高めるというような試みもなされ、それに対してファンが非常に大きな盛り上がりを見せていたのも印象的だった。
放映前の前哨戦では、Twitterを通じて制作サイドの作品にかける熱い想いと、放映開始を待望するファンの熱気が伝わってきた。視聴する側としても、気合を入れて放映に臨みたいところだ。