コラム：編集部コラム　やっぱりアニメはヽ(´▽`)ノ日本が一番 - 第15回

第15回：マナームービーでもおなじみの「鷹の爪」劇場版最新作が公開

人気ギャグアニメ「秘密結社　鷹の爪」が、劇場版「鷹の爪GO 美しきエリエール消臭プラス」としてスクリーンに帰ってきます。

映画館のマナームービーほか、CMや企業タイアップなどさまざまなメディアで活躍している「鷹の爪」ですが、これまでの歴史を簡単に振り返ると、もともとは島根県出身のFLASHアニメクリエイターのFROGMANが生み出したオリジナルアニメで、2006年に当時としては珍しいFLASHアニメのテレビシリーズとして放送されました（その前からFROGMANが手がける作品にキャラクターは登場）。世界征服を企みながらも情にもろい総統や、そんな総統を尊敬しているんだかいないんだかよくわからない自由奔放な吉田くん、外見は熊にしかみえないが熊と言われると怒る天才レオナルド博士など、個性的なキャラクターが集まった秘密結社鷹の爪団と、宿敵でお金にうるさい俗物な正義の味方デラックスファイターが繰り広げる日常を描いたコメディで、07年には早くも劇場版第1作「秘密結社　鷹の爪 THE MOVIE 総統は二度死ぬ」が公開。全編FLASHで製作された劇場アニメとして話題になりました。

続く08年には劇場版第2弾「秘密結社　鷹の爪 THE MOVIE II 私を愛した黒烏龍茶」が公開。ネーミングライツでサブタイトルに実在の商品名（サントリーの「黒烏龍茶」）を入れてしまうという企画は同作から始まり、10年の第3弾「秘密結社　鷹の爪 THE MOVIE 3 http://鷹の爪.jpは永遠に」（日本レジストリサービスの日本語ドメイン）、そして今作の「鷹の爪GO 美しきエリエール消臭プラス」（大王製紙のトイレットペーパー「エリエール消臭＋」）と定番化してます。

今回の劇場版は、相も変わらず「地球に優しい世界征服」を目標に掲げる憎めない悪の秘密組織鷹の爪団が、宇宙の遥か彼方の惑星からやってきた機械生命体を助けるため奮闘する姿を描きます。

鷹の爪団に助けを求める機械生命体は、ダメ親父っぷりが半端ないオキテマス・スマイルと、そんな父親をけなげに愛する娘オキテマス・ヨルニーという親子。その名前から連想できるように「トランスフォーマー」のオプティマス・プライムが元ネタです。毎度さまざまな映画のパロディを盛り込む「鷹の爪」劇場版ですが、今回はほかにも「インデペンデンス・デイ」「スター・ウォーズ」「プレデター」「宇宙戦争」などのパロディが時にさりげなく、時にあからさまに散りばめられていて、SF映画ファンは思わずニヤリとすること請け合いです。

また、今作は「親子で楽しめる鷹の爪映画を意識した」とFROGMANが語っており、親子愛もテーマ。スマイルとヨルニーはもちろんのこと、総統＝父親、吉田くんや団員たち＝息子という鷹の爪団の疑似家族的な関係性が描かれ（団員のフィリップは総統の実子ですが）、それがクライマックスで思いがけない感動を生んでいたりします。小さいお子さんには、大人気ゲーム「モンスターハンター4」とのコラボーレションした場面や、「ドラえもん」の大山のぶ代氏がメカデザインや効果音を担当したドラえもん風な巨大ロボットなどで楽しめると思います。

もちろん、すでに「鷹の爪」が大好きという人も、吉田くんの「あなたのために歌うことが、こんなにもつらいことだなんて」といったおなじみネタも健在ですし、科学者なのに実は問答無用で最強キャラっぽいレオナルド博士の頼もしさ（凶暴さ？）も全開だったりで、おなかいっぱいになれるはずです。

映画館、特にTOHOシネマズでよく映画を見る人ならば、上映前のマナームービーですっかりおなじみな「鷹の爪」。映画館にいけばいつでも総統や吉田くんに会える気がして、劇場版公開は「鷹の爪 THE MOVIE 3」から3年ぶりという気がしません。チープさが売りのFLASHアニメで、最近では一部シーンに豪華なCGも使うようになりましたが（それも製作費を画面上に可視化した「バジェットゲージ」が大幅に減るというギャグのひとつにしてしまうのが、鷹の爪らしいところですが）、基本的にはチープなFLASHアニメという根幹は変わっていません。それなのに、すっかり映画館の大スクリーンが似合う存在となった気すらして、鷹の爪団にはこれからも活躍し続けてほしいと思うところです。