満島真之介、沖縄舞台の反戦映画「STAR SAND」で見せた熱い俳優魂 R・パルバース監督と対談 : 映画ニュース

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満島真之介、沖縄舞台の反戦映画「STAR SAND」で見せた熱い俳優魂 R・パルバース監督と対談

2017年8月3日 21:23

ロジャー・パルバース監督と満島真之介「STAR SAND 星砂物語」

ロジャー・パルバース監督と満島真之介
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[映画.com ニュース]大島渚監督の「戦場のメリークリスマス」で助監督を務めたアメリカ出身の作家ロジャー・パルバースが太平洋戦争下の沖縄を舞台に書いた小説を、自身の脚本、監督で映画化した「STAR SAND 星砂物語」が8月4日公開する。沖縄のとある離島を舞台に、日米の脱走兵ふたりと、時代を超えた少女ふたりの邂逅を軸に、静謐な映像で反戦への思いを力強く描いた作品だ。パルバース監督と、脱走兵を演じた満島真之介が対談した。

パルバース監督は、昨年満島が出演した野田秀樹氏の舞台を観劇後、物語のロケ地となる沖縄県の離島、伊江島の写真をタブレットで提示し、直接出演を依頼した。「僕が小さい頃から、毎年1度は訪れていた離島だったので、驚きました。ここで映画を撮ると聞いた瞬間に、磁石と磁石がくっつくかのような感覚があったんです。とても印象的な出会いでした」(満島)

「それは、すべて計算だったの(笑)。日本の映画史上、一枚の写真で俳優を口説く監督は初めてじゃないでしょうか。戦争映画のオファーは他にあるだろうし、自分の話をしたってがっかりされると思ったから、やっぱり写真でしょ」とパルバース監督はその“巧妙な手口”を冗談めかして明かす。


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(C)2017 The STAR SAND Team
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「これまでいくつか沖縄の作品のオファーはいただいていましたが、なかなか一歩を踏み出せなかったんです。慰霊の日の時期に作品のオファーをいただくごとにいろんな想いが込み上げてくるんです。僕自身、外国人の血が入っていて、沖縄戦がなかったら父は生まれなかった。そう考えたときに、軽はずみに作品に入ることはできないでいたんです。いろいろな思想はあると思いますが、今回監督の本を読み、この方となら深く通じあえるものがあるかもしれないと感じたんです。第2次世界大戦という戦時中に生まれた人と、平成に生まれた若者が映画を通して繋がれるという大きな希望が見えた」(満島)

「引き受けていただけて、本当に幸運でした。いい俳優さんはたくさんいらっしゃいますが、本当に満島さんでないと、あの人物は成り立たないと思っていましたから。舞台も沖縄ですし。脱走兵の岩淵隆康は、良心の呵責で悩んでいる人物で、洗脳された国の声を抑えようとする。それを見事に演じてくださった。満島さんの才能が第一の理由だけど、なにかあの洞窟からパワーをもらったようにも見えた。最終的に、とにかく私が作りたかった映画ができた」とパルバース監督は、奇跡的なキャスティングがもたらした作品の出来栄えに自信を見せる。

満島は「脚本の言葉に愛が詰まっていて、監督が持つ思いや生きてきた時間が刻まれているんです。すべての要素がこの映画の中でゆっくり絡みついて、画のなかに映りこんでいる。そして、現場にいた全員が同じ方向へ進んでいった」と振り返り、物語の主な舞台となる島の洞窟での日々をこう描写する。「そこにいるだけで入ってくる情報量がすごく、これまで生きてきた人の想いも詰まった場でもある。そして、現実に戦時中にここに何百人もの人が隠れていた。まず目を閉じて、海と風の音を聞いて、そこから見える空の色や砂の湿り気、天井からしたたり落ちてくる水、そこにすべてが宿っていると感じたんです。だから、僕はそこで自分自身が筒のように、身体の中に通り抜ける風が笛のような音となって自然と一体化出来る状態を意識していました。」


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そんな満島の姿を「視線や身振り手振りで、心のなかにあるものをすべて見せる全身俳優」と表現するパルバース監督。「毎日朝早くから瞑想して、島の砂からエネルギーを吸収しているようでした。『妻よりも父よりも、子供よりも、国が大事だと聞こえて、窒息しそう』というセリフを彼が言っているとき、ワンテイク目で本物の兵隊のようだと思った。すごい演技でした。こういうセリフがあると、一般的に日本の俳優は露わにしすぎで、相手の俳優や見ている人を説得しようとする。でも満島さんはそういうことはせず、自然になりきっている。宮沢賢治のような慈悲の心を持っていて、見事に役を演じている彼を見て、この映画はいけるという自信が出てきました」と述懐する。

今作以外の今年の公開作で、三池崇史黒沢清是枝裕和と日本映画をけん引する監督たちの話題作への出演が続き、それぞれの作品で抜群の存在感を見せている満島。パルバース監督も、「英語がもう少し上手になったら、絶対海外でもビッグスターになれる」と太鼓判を押す。

満島自身、個人的なキャリアや名声ではなく、つねにその視線は日本映画の未来を見つめている。「若松孝二監督と出会い、映画で一番最初に演じたのが『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』の森田必勝。そして大林宣彦監督に会って、ロジャー(・パルバース監督)に会って……。大島渚監督ら今の時代に生きる僕らが会えなかった人たちの心をいただいて、引き継いでいかないといけないと常に思っています。そう考えると、現代で有名になりたいということとは別に、先人達から託された想いを映画という希望の詰まった場所に残していきたい。いろんなことに未来はあると思うけれど、テクノロジーだけではなく、人と人とが向き合ったときに生まれる密度、スクリーンという暗闇に対峙するその瞬間に生まれてくるものはとても貴重だと思っています。だからこそ、作り手の僕らからも提示していかなきゃいけないし、温故知新という考えを持ち続けなければいけない」と力を込めた。

STAR SAND 星砂物語」は8月4日から、東京・ユーロライブほか順次公開。

(映画.com速報)

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