「哭声」國村隼、ナ・ホンジン監督の手腕にぞっこん「才能の塊が人の形をしている」
2017年1月25日 15:00

[映画.com ニュース] 「チェイサー」「哀しき獣」で知られるナ・ホンジン監督が来日し、俳優の國村隼とともに1月24日、東京・シネマート新宿で行われた最新監督作「哭声 コクソン」の試写会イベントに参加。会場に詰めかけた多くのファンを前に、ティーチインを行った。
平和な小村で突然、連続惨殺事件が発生。警察官ジョング(クァク・ドウォン)は、村に住みついたよそ者の男(國村)が事件に関与しているとにらんで調査を開始するが、事態は村全体を巻き込んだ騒動に発展していく。得体の知れないよそ者を怪演した國村が、韓国最大級の映画賞である第37回青龍映画賞で男優助演賞と人気スター賞のダブル受賞を果たしたほか、韓国のアカデミー賞といわれる第53回大鐘賞でも、「インサイダーズ 内部者たち」と並び最多タイとなる5部門を戴冠。本国では観客動員約700万人のヒットを記録しており、賞レース・興行ともに成功を収めている。
会場にはナ監督の熱狂的なファンの姿も多数見られ、キャラクターの設定についてなど鋭い質問が飛んだ。1つひとつの質問に丁寧に答えたナ監督は、作品について「一抹の未練もない。ナ・ホンジンという監督のすべてを注ぎ込みました。6年間すべてを注いで作った映画です」と力強く言い切る。「たった1つの解釈を定義する作品ではない。観客が整理して完成させる映画なんです」と熱く呼びかけた。
日本最速での上映に、國村は「うれしくてお客さんひとりひとりにハグしたい気持ち」と喜色満面。「才能の塊が人の形をしている」とナ監督を絶賛し「ナ・ホンジン監督の撮影は、なかなか終わらない。基本ビジョンにプラスした新たなイメージが現場で浮かんでくるタイプなんです」と肌で感じた監督の手腕を語った。
本作で、國村はふんどし姿で滝に打たれたり、生肉を食べるなど体当たりの演技を見せているが、脚本段階では「すっぽんぽんだった。台本の中で『やれるのかな……』と1番引っかかった部分です」と明かして観客の笑いを誘う。それでも「僕以外の人がやっているのは見たくない」とオファーを快諾。ハードな撮影にも「あくまで自覚的にその世界に飛び込んだ」と役者魂をのぞかせた。ナ監督は「國村さんは、カットごとに自由に演技をされる人。ずっと尊敬しています」とほほ笑み、固い絆をうかがわせた。
「哭声 コクソン」は、3月11日から全国公開。
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