松重豊、ロッキード事件・田中角栄役の石橋凌に「戦慄が走った」
2016年7月14日 16:00
[映画.com ニュース] 社会に大きな衝撃を与えた事件を徹底検証するシリーズの第5弾「未解決事件 File.5 ロッキード事件」の会見が7月14日、東京・渋谷のNHKで行われ、主演の松重豊と共演の石橋凌らが出席した。
2011年7月にNHKスペシャルでスタートした同シリーズは、再現ドラマとドキュメンタリーを組み合わせて日本を震撼させた事件を検証していく。第5弾となる今回の主題は、1976年7月に発生した「ロッキード事件」。特捜部の極秘ファイルや関係者たちの証言をもとに、発生から40年が経った今もなお、多くの謎が残る事件の裏側に迫る。
撮影時の思い出を問われると、事件を追う東京地検特捜部主任検事・吉永祐介役の松重は、田中角栄役の石橋の演技に対して「普段は仲良くさせていただいているが、現場では田中角栄にしか見えず、恐ろしくて話しかけられなかった」と最敬礼。さらに、特に印象的なシーンとして2人がすれ違う場面を挙げ「戦慄が走った。存在の大きさ……圧倒的な迫力だった」と熱演を称えた。
これに対し石橋は、恐縮しながらも「当時、自分も金権政治というものに怒りの声をあげていた1人。そんな自分がまさか田中角栄をやるとは」と驚きを明かす。その一方で、出演オファーがきた際には「とうとうきたのかなと思った。田中角栄に対し、どこか反感を持ちながらも魅力を感じていた」といい、「父親が私が12歳の時に他界したが、その遺影がずっと誰かに似ていると思っていたら角栄さんだった(笑)。それでいけるかなと」とほほ笑んだ。
また松重は、出演が決まった当時の心境を「実録もの、ノンフィクションをやるというのは俳優として相当の覚悟を決めなければいけなかった。この事件に関してはいろんな噂もあるので、本当に放送できるのだろうか、こんなに奥まで入っていいのかという気持ちで作っていた」と振り返る。そのうえで、「僕らの演技と当時の映像がシンクロして、シームレスに見えてくる瞬間には鳥肌が立った。普段のドラマとはまったく違うもの」と手ごたえを述べた。
「未解決事件 File.5 ロッキード事件」は3部構成。第1部はNHKスペシャルで7月23日午後7時30分放送。ドラマパートのみを2部構成で再編するBS版は、BS1スペシャルで9月24日午後7時放送。