「インターステラー」プロデューサーのエマ・トーマス氏、C・ノーラン監督の秘密主義の真意明かす
2014年8月29日 09:00

[映画.com ニュース] クリストファー・ノーラン監督作「インターステラー」でプロデューサーを務めるエマ・トーマスを、映画.comが米ロサンゼルスで直撃取材した。ノーラン監督の妻でもあるトーマスが、最新作「インターステラー」について、秘密主義で知られるノーラン監督の真意を明かしてくれた。
マシュー・マコノヒー主演、アン・ハサウェイ、ジェシカ・チャステインらが出演する今作は、世界的な飢饉や環境の変化によって人類の滅亡が迫る近未来を舞台に、家族や人類の未来を守るため、未知の宇宙へと旅立つ元エンジニアの男の姿を描いている。7月に米サンディエゴで開催されたコミコン・インターナショナルで最新予告編が初公開され、会場を熱狂させたことでも知られている。
トーマスは、キャスティングについて「マシューが主演した『MUD マッド』を公開前に見ることができたの。彼が素晴らしい俳優であることは承知していたけれど、あの作品を見て彼に対する見方が変わったわ。私たちが探していたのは、パイロットであり、エンジニアであり、さらに家族を大事にしているという役どころを演じられる俳優で、観客が親近感を覚える人でなければならなかったの。マシューならば演じられると感じたから、彼が引き受けると言ってくれてラッキーだったわ(笑)」と説明する。
さらに、ハサウェイとチャステインへオファーした経緯も、時にジョークを交えながら熱い口調で話し始めた。「アンとは一緒に仕事をしていたことがあるから、彼女がどれほど素晴らしい才能を持っているか分かっていたわ。彼女の素晴らしいところは、観客を完全にひきつけて誘(いざな)うことが出来るところよ。ジェシカについては、私たちが彼女の作品の大ファンだったの。『インターステラー』は、女性の素晴らしい役どころがある脚本なの。悲しいことだけど、そういう素敵な脚本が出てくることってハリウッドでは珍しいことなのよ(笑)」
話題は、ノーラン監督の徹底した秘密主義へと移行していくが、プロデューサーとして秘密を守ることに対して「とても難しいわ」と笑う。そして、「クリスがどれほど秘密主義かってみんなが言うけれど、J・J・エイブラムスだってとても秘密主義よ。基本的に私たちの願いは、観客が映画を見に行くとき、予告編以上の情報を持たずに見てもらいたいということなの。私たちは予告編に何を入れるかすごく考えて決めるのよ。あまりネタをばらさず、どんな映画なのか、ちょっとしたテイストだけ知ってもらいたいの」と真意を明かす。
ネット時代の到来により情報が氾濫し、製作サイドのそうした情報管理は簡単ではなくなったと話すトーマス。それでも、「『インターステラー』を作っていて、ちょっと変わってきているように感じるわ。フィルムメーカーがそういう風に映画を届けたいと表明したとき、それを尊重し、敬意を表してくれているように感じるの。「『ダークナイト ライジング』と違ってバットマンが出てこないから、あまり興味がないのかもしれないけど(笑)」と茶目っ気たっぷりにおどけてみせた。
また、日本のマーケットについて、今後も重要であると説く。「これまで、日本では素晴らしい経験をさせてもらったから、この作品も日本でポジティブな反応があるといいなと、いつも願っているわ。それに、『インターステラー』はすごく気に入ってくれるという気がするの。私たちは日本の大ファンだから、たくさんの方々が見に来てくれることを期待しているわ」。拡大を続ける中国マーケットにも注目している様子で、「作品を持って中国を訪れたことが今までにないの。『インセプション』がすごく成功したから、今作で訪問できればいいなと思っているわ」と笑みをもらした。
「インターステラー」は、11月22日から全国で公開。
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