渡辺謙主演!イーストウッド「許されざる者」日本でリメイク決定!

2012年8月20日 06:00


「許されざる者」日本映画化という大プロジェクトに挑む 渡辺謙(中央)と柄本明(右)、佐藤浩市(左)
「許されざる者」日本映画化という大プロジェクトに挑む 渡辺謙(中央)と柄本明(右)、佐藤浩市(左)

[映画.com ニュース] 第65回アカデミー賞で最優秀作品賞、最優秀監督賞ほか4部門に輝いたクリント・イーストウッド監督・主演作「許されざる者(1992)」が、日本映画としてリメイクされ、李相日監督のメガホンのもと渡辺謙が主演を務めることをワーナー・ブラザース映画が発表した。米アカデミー賞最優秀作品賞を戴冠した作品が、邦画として生まれ変わるのは初めて。イーストウッドが演じた主人公と同じ設定の役を担う渡辺は、共演の柄本明佐藤浩市とともに日本映画史上類を見ないプロジェクトに挑む。

イーストウッドが、師と仰ぐセルジオ・レオーネ監督、ドン・シーゲル監督に捧げたことで知られる異色の西部劇「許されざる者(1992)」は、1880年のワイオミング州が舞台。かつて列車強盗や殺人で名を馳せ凄腕の悪党だったウィリアム・マニー(イーストウッド)は若い妻に先立たれ、貧しい農夫として静かに暮らしていたが、2人の子どもを育てるために賞金稼ぎの旅に出る。マニーは、衰えた自分の姿と向き合い、再び暴力と対峙(たいじ)することに葛藤(かっとう)しながら真の悪党である保安官と対決する。

西部劇から、設定は日本の時代劇へ--。オリジナルと同年の1880年、江戸幕府崩壊後の北海道を舞台に、アイヌ先住民と新日本政府との蝦夷開拓史の中で展開されていく。渡辺演じる主人公の釜田十兵衛は江戸幕府側の残党で、幾多の志士たちを斬(き)りまくり、その名は京都中で恐れられていた。その後、幕府の崩壊とともに転戦を重ね、五稜郭での激戦が終結するころには新政府の執ような追跡をかわし、足跡すら残さず姿を消してしまったという役どころだ。

それから10年以上の歳月が経ち、十兵衛はアイヌの女との間に子を設け、人里離れたへき地で細々と暮らしていた。先立たれてしまった妻の墓を守りながら、二度と刀を持たないと決めていたが、貧困の末、再び賞金稼ぎとして戦いに身を投じなければならなくなる。「ラスト サムライ」以来となる、本格的な殺陣を披露することになる渡辺は「映画界での父とも思っているクリントの代表作をリメイクするのは、大きな挑戦になります。李監督とともに北海道の大地と格闘しながら、僕たちなりの『許されざる者』を積み上げていきたいと思っています」と並々ならぬ意欲をみなぎらせている。

柄本はモーガン・フリーマンが演じた元相棒、佐藤はジーン・ハックマンが扮した極悪な保安官に“新たな”命を吹き込む。ふたりともクランクインを心待ちにしており、「栄えある名作『許されざる者』へ出演できること、非常に喜びを感じております。今、この時代へ本作をおくり出す者として、興奮を抑えきれません」(柄本)、「届けられた脚本を一読したとき、著名な作品のリメイクなのに、オリジナルのような力強さを感じました。本に李監督の魂が入っていたからだと思います。後は我々が役に魂を入れ、恥ずかしくない作品として劇場に届けたいと思います」(佐藤)とコメントを寄せた。

イーストウッドは、今回の映画化に際し「『硫黄島からの手紙』で濃密な仕事をした私の良き友人である渡辺謙氏と李相日監督が、このたび、日本の『許されざる者』製作にあたり、タッグを組むと聞いて大変光栄に思います」と声明を発表。李監督は、「西部劇の傑作といわれるオリジナル作品。そして何よりも、尊敬してやまないクリント・イーストウッドという類まれな映画人に立ち向かえる機会を得られたことに、興奮と喜びはもちろん、おそれすら抱かざるをえません」と覚悟をにじませている。

撮影は9月中旬~11月下旬、全編北海道ロケが敢行される。壮大な自然のなかで繰り広げられる戦闘と乗馬アクションは、西部劇に負けないスケールになることを予感させる。「許されざる者」は、2013年秋に全国で公開。

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クリント・イーストウッド監督が太平洋戦争で壮絶を極めた硫黄島での戦いを日本側から描いた、硫黄島2部作の第2弾。出演:渡辺謙

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