宮沢賢治の童話「グスコーブドリの伝記」がアニメ映画化 来夏公開
2011年12月8日 09:00

[映画.com ニュース] 岩手出身の児童文学作家・宮沢賢治が、冷害にみまわれた東北の森を舞台に、厳しい自然と向き合う青年の姿を描いた童話「グスコーブドリの伝記」が、杉井ギサブロー監督によりアニメ映画化されることが決定、ワーナー・ブラザース配給で2012年夏に公開されることがわかった。同じく宮沢賢治原作、85年に製作された杉井監督のアニメ映画「銀河鉄道の夜」に続き、キャラクター原案はますむらひろしで、登場人物は擬人化した猫としてファンタジックに描かれる。
イーハトーブの森に木こりの息子として穏やかに暮らしていたグスコーブドリが、冷害のために家族を亡くし、生きるために精一杯働き、火山局に勤めることになる。森は再び襲ってきた冷害に直面。悲劇を繰り返さないためには火山を人工的に噴火させ、その熱で寒さを防ぐしか方法がなかった。ブドリは自分を犠牲にし、ただ1人火山局に出かけて行く……。宮沢賢治自身の実体験が強く反映された、晩年発表の傑作として知られている。
現在の岩手県花巻市で生まれ育ち、1933年に37年という短い生涯を終えた宮沢賢治。原作の舞台となった1920年代の東北地方は、三陸沖地震を含む大地震や冷害に何度も見舞われている。宮沢賢治は厳しい環境でも故郷・岩手を愛し、作品に登場する架空の理想郷イーハトーブは、“岩手”をエスペラント語風に表現して名付けたと言われている。
同作は宮沢賢治の没後60年の1993年、中村隆太郎監督がアニメ映画として製作、94年に公開されており、以来2度目のアニメ映画化。今回、仏文学者で宮沢賢治研究の第一人者である天沢退二郎氏が監修を務める。
2作目の宮沢賢治作品を手がける杉井監督は「宮沢賢治という作家の作品はいつの時代にも古びることなく、その時代への問題提起としての役割を果たしています。この『グスコーブドリの伝記』という賢治晩年の作品もまた、私たちの現在という時代が直面している環境問題とも、ある種の重なりを感じるのです。そういう意味においても賢治の作品は、その時代その時代の人々にどう読み取るかを託しているとも言えそうです」と思い入れを語る。
アニメ映画化については「私がその読み取り方の一旦を担うとするなら、いまの時代の物語世界として原話をスケールアップしたかたちで演出したいと思っている。そして賢治世界の幻想性をアニメーションの映像美として描くことで、賢治からのいまの時代へと向けたメッセージとして多くの人に伝えられるエンタテインメント作品として仕上げたいと思う」と意気込みを見せている。
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