“こういう人っているよなあ”。リアリティを意識した「歓喜の歌」の小林薫

2008年2月1日 12:00


街中を観察してどこにでもいるオヤジを好演
街中を観察してどこにでもいるオヤジを好演

[映画.com ニュース] 大晦日に行われるママさんコーラスグループのコンサートを、文化会館の主任がダブルブッキングをしてしまったことから巻き起こる騒動を面白可笑しく描いたコメディ「歓喜の歌」。落語家・立川志の輔の同名新作落語を映画化した本作で主演を務めた小林薫に話を聞いた。

本作の主人公・飯塚主任は市役所から文化会館に左遷された上に、自分の浮気のせいで妻にも見放された中年の地方公務員。部下には強く、上司には弱い典型的な事なかれ主義の小役人を小林は飄々と演じている。「彼は加害者のくせに、いつのまにか被害者面をしているんですよね(笑)。本当は自分が一番悪いのに、コーラス隊の女性たちに“(合同コンサートは)無理に決まっている”だの“なに不可能なこと言っているんだ”などと文句を垂れる。公僕なのに、人のために働くのが嫌いな人間なんです。だけど、コーラス隊のために奔走する中で、彼は無意識のうちに人のために働くことを楽しく感じている。彼の無自覚なところがこのキャラクターの面白さであり、観客が笑ってしまうところだと思うんです」

本作のメガホンをとった松岡錠司監督とは「東京タワー/オカンとボクと、時々、オトン」(07)に続いて2度目の仕事。前作のオトン役と同様に役を作り込むことはしなかったと語る。「松岡監督が僕をセコいとみて選んでくれたのか(笑)、それとも小林薫だったらこういう役も出来るだろうと踏んで選んでくれたのか分かりませんが、自分の中のどこかにあるキャラクターを膨らませて、“こういう人っているよなあ”というリアリティを意識して演じました。要するに、どこにでもいるようなオヤジですよね」

その“こういう人っているよなあ”というリアリティは、日常の街を歩く中でなんとなく掴むという。「街を歩いていると、面白い人が沢山いますからね。皆どこかしら自分が意識していない部分が出ていますよ。やっぱり、どこかで無意識に変な行動を取っていることがありますからね、人間って」

歓喜の歌」は2月2日より全国ロードショー。

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