劇場公開日 2023年10月13日

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「月刊ムーは制作に関わっていなかったけど。。。」宇宙探索編集部 鶏さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0月刊ムーは制作に関わっていなかったけど。。。

2023年10月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

本作のチラシを見たら、懐かしの「月刊ムー」のロゴマークが載っていて、ムーが制作に関わっているのかなと思い観に行ってみました。結果はムーとコラボ企画をしていただけで、制作には一切関係していないことが判明。その点は(よく確認しなかった自分のことを棚に上げて)非常に残念でした。

内容的には、1990年代に中国で流行した「宇宙探索」という、日本で言うところの「月刊ムー」みたいな雑誌の編集者であるタン先生が、2020年代になった今でもUFOを探し続けるという中々イタイお話。勿論完全なフィクションですが、ドキュメンタリー風に撮影されたもので、いわゆる「モキュメンタリー」に分類される作品でした。

「宇宙探索」という雑誌、かつての流行は去り、今や事務所の光熱費も賄えないほどの窮乏状態に陥っており、しかもUFO探査の方法も、最新鋭の技術を使う訳でなく、電波が来なくて砂嵐しか映っていないテレビの画面を見て宇宙からの交信をキャッチするというもの。ネットスラングで言うところの”デンパ”そのものので、とにかく哀愁しか感じられないタン先生ですが、物語が進んでいくうちに、涙なくしては語れない彼の過去も明らかになっていき、最後は応援してました。

クライマックスの一番の見せ場のシーンはB級SFっぽい感じでしたが、タン先生の幻覚だったという解釈も成り立つような創りになっており、ストーリー的にもそれなりに練られていました。ムーが関わっていなかったのは残念でしたが、総じてみれば期待を上回る作品だったと思います。

鶏