劇場公開日 2023年8月11日

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「タランティーノと愉快な仲間たち」クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男 かばこさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5タランティーノと愉快な仲間たち

2023年9月18日
PCから投稿

サブタイトルに違和感。
映画が寄ってきたわけじゃない、タラが映画を愛してるんです、今でもずっと。

はちゃめちゃなようで、実は綿密な計算があり、荒唐無稽なようでリアリティーがある。
絶妙なところでそれを感じさせるので、膨大な映画を見てきて目と耳、肌で感じたものを溜め込んで培ったものを消化して反映しているからだと思う。
ふつー人が真似しても上っ面だけになりそう。

タランティーノ大好きで彼と彼の映画をよく理解している良き仲間が、愛するタランティーノを語りまくった、本人のインタビューなしのドキュメンタリー。
おしゃべりなタラさん出演だと尺全部一人で喋り倒しそう。
一作ずつ本人が解説するドキュメンタリーがあってもいい。見ますよ。

ジョン・トラボルタにはオファーしなかったのか、または応じてくれなかったのか?

私は「パルプ・フィクション」がベスト。
あの佇まいでそんなことを!なクリストファー・ウォーケンが!
しかつめらしい顔で力説している内容があれだもんで、ひたすら笑いました。
そして、なぜか、もしかするとこういう人いるかもしれない、と思わせるリアリティーもあったりする。
次点が「ワンス・アポン~」です。

ワインスタインとの関係は避けられないところなので、そこはきっちり取り上げる。
多少言い訳っぽいけど、ビデオショップ勤務の兄ちゃんに映画を撮らせてくれ、その後も支えてくれた恩は半端なくあるのは事実なので、妥当な取り上げ方と思う。ミラマックスと決別した後、SONYとの「ワンス・アポン・ア・タイム~」のできが良く、(私のベスト2)、実はすでにワインスタインと組む必然性がなく、丁度よい別れの潮時になったかも。

ユマ・サーマンの件はその後どうなったのか? 係争中で多くは語れないのか?
作品全部が一つの世界だとは知らなかった。
ティム・ロスの「忘れてきちゃった写真」が見たかった。
「イングロリアス・バスターズ」の少女は、レア・セドゥだよね?

本当に残り1本なのでしょうか、この映画自体「残り1本」のプロモーションのような気もするけど、大嘘ついちゃったでも全然構わないのでもう少し作って欲しい。ようやく60歳なんだから映画監督としては「老害」になる年齢じゃないです。どこかのアニメ監督みたいに開き直ってください。

でも、残り一本に向けて、タランティーノ特集とかで9本全部見せる企画があったら歓迎。
「ヘイトフル・エイト」と「デス・プルーフ」未見なんです。

かばこ