劇場公開日 2023年7月21日

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「邦題詐欺だが、出来は悪くはない」ナチスに仕掛けたチェスゲーム kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5邦題詐欺だが、出来は悪くはない

2023年7月26日
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鑑賞方法:映画館

「ナチスに仕掛けたチェスゲーム」ってなかなかうまいタイトルだと思う。チェスの名手がナチスの将校とチェスで対戦し、手を抜くことなく勝利。命よりもプライドを選び命を奪われていく…、みたいな話を勝手にイメージしていた。なかなかの引きの強いタイトルだが、実際は邦題詐欺がすぎる。ここまでヒドイのはなかなかない。
ただ、話自体はそんなに悪くない。さすがに原作が世界的なベストセラーなだけはある。いろいろと改変しているようだが。ナチスの暴挙には慣れてしまっているのであまり酷さは感じない。特別待遇の扱いだったからという理由もある。見どころはヨーゼフが病んでいく過程と客船内のチェス対戦だと思うのだが、なんとなく先は見えてしまった。チェスのルールとか面白さが少しでもわかってるとまた違う感覚になるのかもしれない。でも、チェスのゲーム内容がどうとか勝ち負けのスリルとかはあまり関係ないから素人の自分が観ても問題なかった。
主演のオリヴァー・マスッチがとても難しい演じ分けをしていたのが印象に残る。話は若干複雑な構造だが、そんなにわかりにくくない。驚くようなどんでん返しとは言えないが、妻のことも含めて悪くない終わり方だ。別に「ナチスに仕掛け」ていなかったし、ナチスとチェスしたわけでもないけど!

kenshuchu