劇場公開日 2023年3月31日

「音楽が好きという方ならぜひぜひ。」GOLDFISH yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0音楽が好きという方ならぜひぜひ。

2023年4月1日
PCから投稿

今年107本目(合計758本目/今月(2023年4月度)2本目)。

私はもともと15までエレクトーンをやっていたので、音楽一般には興味はありますが、この映画で参照されるバンド(シネマートのトークショーでみましたが、「想定されるバンドはあるが、全体として厳密に見れば架空のストーリー」という扱い、とのこと)のことは知りませんでした。

といっても、「厳密に見れば架空」とはいえ、映画がドキュメンタリー映画のような感じであり、実際に当時の画像・動画などが出てくることを見ると、「事実上は」特定のバンド(ここでも紹介がありますね)を参照している、ということになると思います。

このような事情から、「映画館で放映されるなら映画」ということは言えても、「ストーリーというストーリーが事実上存在しない」ので(バンド結成から現在にいたるまで、を描くに過ぎない)、あまり評価のしづらい映画です(かつ、建前上「架空のバンド」の扱いのため、物販コーナーにはパンフはあってもCDはなかったりと妙に変)。なお、映画のタイトル、「ゴールドフィッシュ」は「金魚」のことですが、なぜにこのタイトルなのかについてはトークショーでかなり深く説明はされていましたが、ここでは割愛します。

シネマート(大阪)でも満席とトークショー、パンフレット購入者へのサイン会と、シネマートというミニシアターでは珍しく満席で「売り切れ」の扱いでしたが(なお、シネマートそれ自体は、韓国映画を中心にアジア映画を多く扱う映画館です)、こういう映画も良いな、というところです。

一部、法律的な観点で見ると、民法上の不法行為ほかに関する描写の説明が不足しているかな(あるいは、配慮が足りない)点は言えますが、この映画でそれを論じるのは想定されていないと思うし、そういうことを論じる趣旨の映画でもないので減点要素からははずしています。

建前上「架空のバンド」の扱いですが、実際には当時の動画・写真等から「バンド名が特定できる」状態になっているので、好き嫌いはあると思いますが、当時のこの(実在した)バンドを知っている方や、音楽一般に関して興味のある方にはぜひ推せる一作です。

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 (減点なし/他事考慮/映画館の配慮不足)

 ・ 上記のように、この映画で扱われている「架空のバンド」(実際には特定できるはず…)は、その成り立ちを描くにあたって「学生闘争」等が当時問題視されていた(このことは映画でも説明がある)ため、熱狂的なファンの方には(今日はトークショーつきだったという事情もあるのでファンが多く集まり、売り切れていた)、かなり派手なコスプレ他をされたまま入館される方もいます。

 ただ、映画内でも示されている通り、「かなり特殊な立ち位置のバンド」であるのもこれまた事実で、映画館に入る前(シネマートが入っている商業施設の中)からこのコスプレ他をされる方が非常に多かったのは、「ある意味で映画に対する誤解を招くことになる」ので、映画館側も「コスプレ、関連するグッズの着用は禁止はしないが、映画館の中だけにしてください」という配慮は欲しかったです(これは、この映画の想定するバンドが、当時、反社会的な歌詞の歌を歌っていたなど、「やや過激な」グループであった、ということにつきます。ただ、この点が「減点なし」なのは、ナチスドイツ他のコスプレと違って、「一応そこまでは(仮に本人が白い目で見られるとしても)個々人の問題で、他人に迷惑をかけるわけではない」という点も考慮したものです。
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yukispica