オットーという男のレビュー・感想・評価
全67件中、1~20件目を表示
死を迎えるということ
喪失体験を乗り越えられないOTTOにとって、今を生きていない感じ、苦しみや悲しみが、OTTOの目の奥で語られているようだった。過去の色鮮やかさと現実のモノクロさが対比するようで、そこに現実で色を与えてくる刺激とのまじりあいによって、OTTOの気持ちが揺らいでいくプロセスは、感動的に感じた。最後には、「心が大きすぎる」がゆえに、死を迎えるわけだが、死という結末に対して、自分で選択したのか、自然なのかで、周囲の反応はこんなにも違うのかもしれないと思った。
自己の存在価値は他者との触れ合いの中に意味を成す、だから人生はまだ終わらない!
目が覚める、野山に鶯の三重唱
すっかり春めいて梅花も真っ盛り中。
あ~ あったいよぉ~ (*´ω`*)
この暖かさを心に注ぐ映画
今日は「オットーという男」を鑑賞です。
原作:スウェーデン小説「幸せなひとりぼっち」
バックマン・フレドリック作
本国でも映画化されて、
第89回 アカデミー賞(2017年)外国語映画賞ノミネート作品で、
コレのリメイクが今作に当たります。
--MC--
夫(主役)オットー: トム・ハンクスさん
妻ソーニャ: レイチェル・ケラーさん
ご近所奥さんマリソル: マリアナ・トレビーニョさん
ご近所旦那さんトミー: マヌエル・ガルシア=ルルフォさん
OTTO(オーティティ-オ-)おっと-です。
TOTO(東洋陶器)ではありませんw
総てに措いて厳しく頑固な男。細かい規則ルールを
周囲に求め 彼を理解しない奴は煙たがる。
歳をとりやがて退職。既に妻は病気で半年前に他界。
孤独に耐えられず、自殺行為を目論む。
ここからが 映画の展開始まりです。
・首つり自殺未遂:ロープとフックをホ-ムセンタで購入し
天井に取り付け自殺図るも 天井が一部抜け未遂に。
・懲りずに、ラジエタ-ホースを車のマフラーにつなぎ
車内窓に排ガスを引き込み 排ガス中毒死自殺はかるがこれも
マリソルに邪魔されて未遂。
・ショットガンで自殺図るも、マリソルが喚きながら心配し
ドアを叩く。しかし、妻ソーニャとの想いがそれをとどませる。
この辺りの 何が何でも死にたいという思いが、
ちょっと 理解し難かった。
このテンポのコミカル展開で 自殺は無いかなと思う。
こんなけ自らにも他人にも厳しい男が、
また、妻とのハネム-ンでナイヤガラに行った帰りのバス交通事故で
妊娠中の妻の赤子を亡くしてしまう。(ここは悲しかった。)
この悲しみにも 二人で人生を この高齢まで乗り越えてきて、
何故? この半年前の妻との病死別が乗り越えられない?
それは 弱い弱い男だと思う。
高齢の孤独とはそれ程 耐え難いものなのか~ そう感じたよ。
きっと亡くなった妻ソーニャが 天国から送り込ませたと思える
アパ-トに引っ越してきた メキシコ系のマリソルとトミ-家族4人。
彼等家族や、昔からのこのアパ-ト住人の黒人夫妻(かつては交際があった)
や、万歩計カウントを上げるためにオーバアクションな歩きをする友人、
妻(教師)の教え子 などなど。
オット-という男を 取り巻くご近所さん達で
孤独に駆られる暇を創らせない~ 展開だ。
人が一人では生きては行けないことを
さらりと教えてくれている。
皆の支えと、自らの使命(役に立つこと)が
人生にその存在価値を見い出しているのだと感ずる。
(凄く良かった場面)
・若い頃、ソーニャと出会い 初めてのデートでレストランで二人食事中。
彼女が ”あなたメインディッシュは?” と尋ねると
彼は”家で食べてきた” といってスープを飲む、
不思議そうに何故?って 彼女が言うと
”だって君が好きなだけ 料理が頼めるじゃないか・・・
僕は訳あって思う軍職に就けなかったから 給与が安いのさ~”
この時、彼女がすかさず席を立って
落ち込む彼の顔をそっと・・・持ちあげキス。
この流れ、実に心にグッと来て 涙したわ!!。
人(相手)の事を想える、素敵な夫婦に成る事は この場面で
実に良く伝わる とても良いシーンだと思いました。
・マリソルに電話を貸してくれと家を訪ねるオット-。
しかし それを断る彼女。
昨晩、貴方の異変に気が付いて 私は貴方の事が凄く凄く心配だった。
その気持ち(心)を何も聞き入れず、あなたは何時も身勝手。
あなたは 孤独で一人で生きているのでは無いのよ。
貴方は私たち家族や近所のみんなにとって大切な存在なの~。
この様な事を 捲し上げて彼に伝え理解させて
彼の閉ざされた心を こじ開けた所は 良かったかな。
ラストに やがて訪れる彼の死!
それは 孤独死という葬儀姿では無く
親しまれた人々の手によって
送られる彼の姿がそこに在った!。
この3月、4月は引っ越しシーズン。
きっと貴方のご近所にも・・・
オット-の様な方との出会いが待っているかもw
優しい気分に浸りたい方
是非 劇場へ!
いけ好かない頑固親父なのに??
とても頑固で自分の主義主張を曲げない手強いご老人。
そんな印象なオットーなのに、なぜか観る事をやめられなかった
地域コミュニティとの関わりや、トム・ハンクスの演技力からなのか??
死のうと決意しているオットーに対し、いざという時にご近所から邪魔が入る
情は人の為ならず、とでも言うのだろうか
人を助けるために自殺を取りやめる
何度もそんなシーンが繰り返される
最後には、トランスジェンダーの若者を助け、南米からの移住者家族をサポートし、とても幸せな最後を迎える
人間て、所詮は一人だけど、孤独じゃないよね
オリジナル版も観てみたいと思った
心動かされるということ。
妻を亡くし、堅物だったのがさらに堅物になり、曲がったことが許せず、ぶっきらぼうな態度をとってしまうオットー。
引っ越してきた隣人、ずっと前から家族同然の隣人たちと相変わらずぶっきらぼうな態度で接していたものの、隣人たちの気遣いやオットーに対する熱い思いを知り徐々に態度を軟化させていく。
堅物ではあるが、どんな人をも受け入れようとする態度。トランスジェンダーであっても、移民であっても、それを問題とせず、堅物としての対応、間違っていることの指摘する姿は人と人との交流をしようと彼なりの努力も感じる。
閉ざした心を開くには、というキーワードをもらった気がする。
彼が残したもの
オットーという男。愚直で偏屈な男。
妻に先立たれ、生きる意味をなくしていた。自殺を試みるが、隣に越してきた家族の訪問に邪魔される。何度も自殺をしようとするもその度に失敗する。
オットーの偏屈さをコミカルに描きつつも、妻の妊娠時のバスで子供を失い、妻ソーニャは車椅子生活になった過去が明らかになるにつれ、オットーの想いに次第に共感していく。
また、周囲の温かな人たちに囲まれ、次第に生きる意味を感じるようになる。亡き妻ソーニャが生きろと言っている。最後は悪徳不動産業者と皆で戦い勝利するのであった。
最後は病死はするが、オットーを慕う人々に囲まれて葬儀が行われる。
赤ちゃん用品も車も渡して、彼の思いも受け継がれる。
追記
幸せなひとりぼっち、というスウェーデンの映画が原作なので、こちらも見ました。
ハリウッドリメイク版と話は同じですが、原作の方がテンポが良く、さらに主人公の半生がしっかり描かれているという違いがあります。ハリウッド版も良いところはありますが、全体としてはダラダラした展開が多かったなという印象。原作の方が個人的には好きかも。
友達になりたい女性
................................................................................................
妻に先立たれ、孤独に苛まれるオットーという男。
どんどん堅物になって孤独を深め、自殺することにした。
色んな方法を試すが、何やかんやで邪魔が入り生き残る。
で隣に引っ越して来た夫婦の嫁と気が合って仲良くなり、
それにより人の役に立つ喜びを少しずつ思い出すようになる。
こうして邪魔者扱いしてた野良猫を飼うようになり、
妻の教え子と知り合って親切にして上げるようになり、
かつて喧嘩した隣人に心を開いて悪徳不動産から救い、
見返りなく人の助けたことで知り合った記者がそれを助力してくれる。
こうして妻がまだ死ぬなって言ってくれてると感じるようになり、
生きてることの意味を感じるようになった。
そんな折に病気で死亡、遺産関係は全て上記夫婦らに譲る。
................................................................................................
気難しくてかなりこじらせてる男の話。
生真面目で口うるさいだけで嫌味や横暴さはなく、
その意味で性根は腐ってなかったが、大体こういう人は孤独になる。
でもそれを救ってくれたのはひとえに上記夫婦の嫁じゃないのか?
オープンな人で、敬遠されがちなオットーとも自然体で接するし、
心を閉ざそうとするオットーに本気で怒ったりする。
人とこんなに本音で向き合おうとする人、おれも友達になりたいよ。
ただそんな人は現実にはほとんどいないんじゃないのかな?
性別も世代も全く違うただの隣人に、そこまでしてくれるとは。
どうしても感じてしまったのはそこ。この女性の存在の有難さ。
オットーは幸福を得るために何かを頑張ったりしたわけではない。
女性の心がオットーの心の氷を溶かした、そういう映画。
死ぬまで生きろ。
男やもめの頑固オヤジが「idiot」(バカモノ)しかいない世の中に見切りをつけて自殺しようとするけど、失敗を繰り返して、生きていくことの大切さに気づく話。
全体的にオットーの過去は切ない。両親いないし、子どもは流産で、嫁に先立たれるし、社内では老害扱い。
近隣住民はマジでパリピ過ぎる。あいつら何なん?ってくらいずっとパリピしてるけど、何?
コメディは確かに含まれてる。でも、邪魔にはならないし、鈍感な人間なら気づかないかもしれないようなものである。
にしても、人のぬくもりだね、やはり。
トムハンクスの演技やっぱすごい。トムハンクスってフォレストガンプから入ってターミナルしか知らなかったから、呑気者とか、難しいことは考えないようなキャラクターを主に演じると思ってたけど、頑固ジジイみたいな演技もできるのはすごい。やっぱ天才ですわ。
ラスト、温かい涙が止まらない
最初は「面白いおっさんだなぁ(笑)」と思いました。固くなに心を閉じている、だけどどこか憎めない。トム・ハンクスが完全にオットーを演じ切っています。終始、温かい気持ちで観れますが、感動の押し売りではなく、本当はオットーが優しい人だと分かっているから、安心して観ていられる。そんな感じです。ストーリーに無理がなく、ラストは気付いたら温かい涙が止まらなくなりました。
よくできたリメイク
オリジナルの「幸せなひとりぼっち」を既に見ているので、大体の流れがわかってしまうので斬新さは感じられませんが、いい感じでリメイクできていますね。
オリジナルにはあまりなかったジョークが、いっぱい出てきて、いかにもアメリカ的で気に入っています。
ただ、オリジナルでは、車椅子生活になった妻のために、教員になるためのいろいろな支障を取っ払う運動していたのがかなり省略されていたのはちょっと残念でした。
ちなみに、オリジナルの「幸せなひとりぼっち」の原題は「オーヴェという男」だったので、主人公の名前はオットーに変わりましたが、原題に近い訳の邦題に変えたのは個人的には良かったと思います。
序盤はもっと頑固ジジィでもよかったかな。大きな♡が(爆笑)ほっこり温まる作品。
割と早い段階で、いい人っぽいのが見えてきたんですよね。
序盤は、もっともっと嫌われ頑固爺アピールしてよかった気がして。
その方がギャップ萌えするじゃないですか。萌えってちょっとちがう。きっとちがう。
でもね、中盤以降のエピソードのひとつひとつが、ほっこりと心温まるんですよ。
大きなハート♡が(爆笑)ポカポカと。
こちら地方でも、窓の外ではりんご売り~♪声を枯らしてりんご売り~♪ですよ。だからちょうどよいチョイスだったの。自分グッドチョイス。
もしかしてオットーさん、劇が終わるまでに死んじゃうの?とハラハラもしたけれど。
でも彼にしてみれば劇中では、どちらのルートに辿り着ても決してバッドエンドじゃなかったんですよね。
むしろあの看取られ方は、どう考えても最高のハッピーエンドだったんですよね。
本作のヒロイン・マリソル、グッジョブですよ。
あなたのおかげでオットーは素敵な人生の最期を生きることができましたよ。
あんな隣人に恵まれたいです。かなり賑やかだけれど。
オットーの最期の遺し方もグッジョブ。
できれば、こういう人生の締め方をしてみたいなぁ…などと思った作品でした。
この作品ね、アマプラの吹き替え版で観たの。
バカのくせに独学で英会話の勉強なんて始めちゃったものだから、字幕版で観たかったけれど。なんでか吹き替え版しかなかったの。
やっぱりトム・ハンクス=江原正史ヴォイス以外には考えられないの。どハマりなの。クリント・イーストウッド=故・山田康夫みたいな。
とてもよかった作品なので、いっそのこと邦画版でも観てみたいなぁ…って思ったの。勝手に。
『Shall we Dance?』や『生きる LIVING』の逆バージョンみたいな?
でね、ちょーしに乗ってキャスティングまで考えてみたの。勝手に。
オットー=藤竜也(御年、もう82歳にもなられるのですね。びっくりだ!)
マリソル=綾瀬はるか←ここ、本当は広末さんにしたかったのに…
トミー=ユースケ・サンタマリア
アビー=劇団ひまわりの子・A
ルナ=劇団ひまわりの子・B
ルーベン=舘ひろし
アニータ=木の実ナナ
マルコム=岩田剛典
ジミー=荒川良々
線路に落ちた老人=麿赤児
SNSジャーナリストの少女=橋本環奈
ソーニャ=のん
猫=猫
この豪華キャスト布陣どや (๑• ̀д•́ )✧+°ドヤァ!
監督は、えーっと、えーっと…(ここ全然詳しかないよ!)似たようなテイストの作品から漁って『鉄道員(ぽっぽや)』の降旗康男なんてよさげじゃないですか?←“ですか?”って振られてもなぁ…って感じですよね。
今回珍しく、コンパクトにレビューまとめてみました。
余計な妄想省けば、半分以下で済んだのに。
オットーという男
【ピロシの映画レビュー②③】
邦題 オットーという男
原題 A MAN CALLED OTTO
Netflixで観た映画が3作続けて残念なことに駄作🥶という憂き目?に遭ったので、アメプラで独占配信のこちらを視聴!ようやく当たった笑笑笑笑笑
⚫︎監督
マーク・フォースター
⚫︎脚本
デヴィッド・マギー
⚫︎原作
フレドリック・バックマン
『幸せなひとりぼっち』
⚫︎出演者
トム・ハンクス
⚫︎音楽
トーマス・ニューマン
⚫︎公開
2023年
⚫︎上映時間
126分
⚫︎製作国
🇺🇸アメリカ合衆国
⚫︎ジャンル
ヒューマンドラマ
こんばんは!水野晴郎です。
⚠️⚠️⚠️ネタバレ注意⚠️⚠️⚠️
定年退職をした独り身の男が主人公。
とりあえず他人にいろいろ細かいのが信条。カタブツといったらイイのか融通の効かない人っていますよね〜?
何故か高圧的な人ってどうしてそうなんだろう?と想像したりするわけですが。何か原因というか遠因があるのではないかと。それが、誰も知らぬ悲しみだとすれば。
人間はいつかはやり切れない過去でも、総括し、決別しなければならない。けれどどうしても断ち切れない事もあるというものだ!
特に男ってのは女々しさの塊。。。
一筋縄ではいかない呪縛にどう対峙するのか?自分の力なのか他者の力なのか?
映画のように上手くそんなことはないかも知れませんが、出会いとは大切ですね。
ストーリーとしてはよくありがちな、新規女性を絡ませちゃってフォーリンラブ的陳腐な恋物語にならないところもgoodです🙆🏻
きっと明日から誰かに優しくなれる、そんな映画です。
是非ご覧下さい♥️🥰
#ピロシの映画レビュー
#水野晴郎
#おすぎ
#淀川長治
#町山智浩
#有村崑
#LiLiCo
#ライムスター宇多丸
#映画好き
#映画鑑賞記録
#映画記録
#映画レビュー
#映画紹介
#映画が好き
#映画好き
#あまぞんぷらいむ
#アマゾンプライムビデオ鑑賞
#amazonprimevideo
#amazonprimemovies
#映画好きな人と繋がりたい
#映画好きさんと繋がりたい
#映画感想
#オットーという男
#amancalledotto
#トムハンクス
#tomhanks
#オシャレ王決定戦
とても素敵な映画だった。
日本人には「建前と本音」がある。建前は、相手を傷つけない為の優しさでもあるが、そこには自分が悪者になりたくないとか嫌われたくないという気持ちも潜んでいる。周りに迷惑をかけないように行動するのは、特に日本において美徳でありマナーでもあるが、それは時に窮屈で、空気を読めない奴はただただ白い目で見られておいてけぼり。そういう冷たい他人行儀さも含んでいる。でもそれって…もしかして単なるコミュニケーション下手なんじゃない?そう思わせる映画が本作、「オットーという男」である。
オットーは不愛想で面倒くさい、一見感じの悪い爺さんだ。しかし全員に対して等しく感じが悪い。それはつまりピュアで正直な、本当はすごく「いい人」なのだ。引越して来た騒々しい婦人マリソルがメキシコ人でも、ポンコツな旦那がカリフォルニア大学の修士だと知っても、ジェンダーでも何でも態度はずっと変わらない。猫にまで等しく無愛想だ。
そんな彼だから、いや多分どんな人も、他人に心を開くのは容易ではない。亡くなった最愛の奥さんのこと、バス事故のこと、自殺しようとしていたこと。誰でも孤独を感じたり悩んでいたり、心の奥底にしまって大切にしていることを人に打ち明けるには相応の勇気が要る。誰にでも話せるわけじゃない。そこには、お互いの関係性を築くささやかな積み重ねが必要だ。手作りの料理をお裾分けしたり、困った時は甘えたり頼ったり、不満や怒りも伝えつつ、時にはケンカもして、根底には常に相手に対する関心と思いやり、リスペクトがある。諸事情の違う海外と日本を比べても意味が無いと言われるかもしれないが、彼らの人生や人付き合いには学ぶべきところが非常に多かった。「他人に迷惑をかけるな」という教えは美しいが、オットーには、周囲に煙たがられても、自分を主張したり、自分がこうと思う信念を曲げない強さを感じた。マリソルに運転を教えるシーンは特に感動した。
幸せな人生だったと思う。
こんなに奥さんを愛して、まじめに仕事に取り組んで技術者として役目を全うして、ちゃんと人生を苦しんで、乗り越えて、人々の慎ましい温かい営みの中で死を迎えることができた。
私も何となく薄ぼんやりと老後のことを考える。作中で、隣人でもある友達が住処を追い出されそうになるのを返り討ちにするところは見ていてスカッとしたし、歳をとっても肩身を狭くして小さく生きなくてもいいよねと思えた。個人的に一番好きなのは、身辺整理を始めたのか…としんみり鑑賞してたのにオットーが新車を購入したシーンかな笑 地味だけどとても素敵な作品だった。
人生の最後に素敵な贈り物
偏屈で町の嫌われ者のオットー。こう言ういかにも嫌なオヤジをあのトムハンクスが演じるのだから驚く。でも,本当に上手いのだ、そんな男の隣に,底抜けに明るくて素敵な家族がやってきた。彼らに出会って、心から愛していた奥様を亡くして以来,嫌な偏屈ジジイとなり、後を追うことだけを考えいたオットーに、豊かな人生がもたらされた。心臓の持病で亡くなることを予期した彼が,隣の奥様に書いた手紙。そこには愛が溢れていた。
自分に恥じない生き方をしていれば、人生はいつからでもやり直せる。新しく始められる、そんな希望を観た人にくれるような、暖かい映画だった。よかった。
昭和の頑固ジジイ
さすがのトム・ハンクス
いい話しではある。
高齢化社会や孤独死とか、そんな事にまでメッセージは広がりそうな雰囲気もあった。
あの偏屈さを除き、オットーみたいな人は珍しくはないと思う。かくゆう俺も家族がいなけりゃ1人なような気もする。
すすんで隣人と交わろうなんてしないし、東京じゃ隣の部屋に誰が住んでるかわからないし、関わらないのが無難というかエチケットというか…そんな風潮さえある。
なので、自分の何年後かを見てるような気にもなる。
物語の落とし所はすぐに分かる。
あぁ、この家族との交流を経て彼の心は溶けていくのだなぁと。ラストに至り自らを「おじいちゃん」と呼称するオットーが微笑ましい。
彼は偏屈ではあるが、根はいい人なのだ。
彼の良さを見抜き1番の理解者でもあったろう妻が亡くなった事で、彼も死のうとする。
彼女がいない世の中で、何の為に生きていくのか分からなくなっていたのであろう。裏を返せばそれ程までに彼の情は深いのだ。彼が周囲を煙たがる程、周囲は彼を煙たがってはいないってのも、いい匙加減だ。
亡き妻の功績も大きいのかはしれないが。
ブツクサ言いながらもちゃんと助けてあげる描写とかも効いてる。社内では老害のような扱いではあったけど、おそらく彼が退いてからの会社は混乱を極めるのではなかろうかと思えてしまう。
とまぁ、物語の筋が分かっても見てしまう。
これが俳優の力なのかと思う。
オットーの笑顔が見てみたいと思う。
彼の目に慈愛が灯る時を見てみたいと。
きっとトムがそうさせる。
なのだがさすがはトム・ハンクス。オットーが優しく笑うカットも、オットーの目に慈愛が灯る瞬間もなかった。彼は終始、眉間に皺を寄せた頑固なじいさんのままだった。
作品を牽引するってのはこういう事を言うのだなと深く納得した。
本作のトムは痩せたようにも見える。
あの年になっても作品の為に減量とかするのだろうか?するのだとしたら相当キツイ気がする。
だけど、膨よかなオットーよりは、細身のオットーの方が作品にはマッチしたのだと思う。
自分がオットーの年齢に達した時は、どんな風になってるのだろうか?
案外1人も好きなので、そこまで思い詰めるコトもないように思うけど、家族とか家族のような存在ってのは有難いものなのだなぁと思えた。
なんか居たなぁ、こういう頑固な爺さん。
タイトルに昭和と書きはしたけど生まれは大正とかなんだろな。なんだか懐かしいや。
終盤に向かって加速する作品
愛妻に先立たれたオットー。規律に厳しく口うるさく周囲と距離があり、妻の後を追おうとするが悉く失敗。向かいに引っ越してきたマリソルとその家族に巻き込まれるように関わり始める。
車の教習時にオットーがマリソルにかける言葉にグッときた。辛すぎる過去がオットーを偏屈にしているだけで、人の本質を見抜く眼はちゃんと持っている人物。
だから過去と向き合ってからは、自分のできることをみんなに還元し、1人ではあったけど温もりを感じられる最期を迎えられたんだと思う。
歳を重ねてなおトム・ハンクスは良い。
オットー
が、近隣住人や仲違いした友人に、再び心を開いていく。
途中途中に、亡くなった奥さんとの思い出が胸を打つ。
個人的にはラストはシボレーじゃなく、ルーベンのフォードを選んでてくれたらなお良かったかなと。
人は生かされている…
最愛の妻ソーニャに先立たれ、生きる希望を失い、自分の殻に閉じこもる偏屈男オットー。何度も自殺しようと試みるが、その度に近隣の人々の邪魔が入り、お節介をしてしまう。それはまるで天国からソーニャがまだ早い、生きてと止めているよう。近隣の人々との交流を通し、再び生きようとするオットー。その時間は短ったかも知れないが、人は周囲の人によって生きる糧を見出し、またその人々に生かされていると感じた。既視感はあるが、偏屈な老人をトム・ハンクスが好演していた
バカモンだらけの世の中だけど、ハートの大きな幸せがある
私も一人でいる事は嫌いじゃない。大抵映画は一人で観に行くし、その帰り一人外食もよくする。何より、小面倒な人間関係と無縁。自由に伸び伸びと過ごせる。
しかし、ずっと一人で居ると、さすがに退屈してくる。そんな時は親しい友人らと会食したり、そういうのも好き。
と言うか、そう言っている時点で私は一人で居るより人との交流や繋がりの方を欲しているのかもしれない。
結局、人ってそう。たった一人では生きられない。必ず誰かしらと交流や繋がりを望む。
殊に、人嫌いや人を寄せ付けない人こそ、実は本当は人との関係を望んでいる。
この映画の主人公もそう。
オットー・アンダーソン。
初老の男性で、町一番の嫌われ者。偏屈、堅物。口から出る言葉は友好的な言葉よりもまず、相手を不快にさせる言葉。
毎日町をパトロール。挨拶されても返さない。車の停車位置にいちいちクレーム。野良猫にだって八つ当たり。
スーパーでロープを購入。5フィート分の料金と6フィート分の料金を巡って、あーだこーだ。
何かと言うと説教やお小言しか言わない。私はしつこい性格の人が嫌いなので、ご近所にこんな人居たらお近づきになりたくない。
スーパーで購入したロープ。ただの何気ない買い物かと思ったら、ある事に使おうとしていた…。
長年勤めていた会社を定年退職。
さらに半年前に、学校の教師だった最愛の奥さんを亡くしたばかり。
人嫌いのオットーが唯一愛した人を亡くしたのだから、そのショックと悲しみと喪失感は埋めようがない。
生きる気力も亡くし、自殺を…。その為のロープ。
でも、これから死のうって人が料金にいちゃもん付けたりする…?
遂に首を括った時、窓から見える酷い駐車をしようとする車にまたまた勘弁ならない。
って言うか、これから死のうって人が他人の駐車を気にする…?
ひょっとしたら、本当はまだ死にたくないって気持ちがそうさせてるのかも…?
自殺は上手くいかない。天国の奥さんがまだダメって止めたのかも…?
あなたにはこれから、素敵な出会いが待っているのよ。
偏屈オットーに、思いもしなかった出会いや交流が…。
偏屈な主人公が周囲との交流によって…。
よくある話っちゃあよくある話である。想定内以上の事は起きない。予定調和で目新しさもない。
でも、時々そういうのがいいんだよね。
2015年のスウェーデン映画『幸せなひとりぼっち』のハリウッドリメイク。
こういうのは万国共通。皆、好きなんだよね。
でも、それをしっかりと魅せてくれる人が居ないと。
さすがのトム・ハンクス。開幕からの仏頂面でいきなり笑わせてくれる。
ユーモアやコミカルはお手の物。勿論ただそれだけじゃなく、偏屈性格の凝った演技、悲哀も滲ませる。
やっぱりこの人は、映画界の至宝だとつくづく思わせてくれる。
オットーのご近所に越してきたのが、メキシコ系の一家。
夫トミー、妻マリソル、アビーとルナの娘二人。
早速車の停車でオットーの洗礼。
うわ…、ヤな所に越してきちゃったな…と思ったか否か、とにかくこのファミリー、特に奥さんのマリソルが陽気。
どんなにオットーが嫌み言っても全くへこたれない所か、動じない。
寧ろこの町一番の嫌われ者に、こちらからアピール。
そんな事がきっかけで、ご近所付き合いが続く事に。
夫婦で外出の時、娘二人のシッターを頼む。娘二人も何だか懐いているよう。
本当に人嫌いの人にこんなにフレンドリーに接する…?
この一家は町の人々と違って、オットーに対し先入観が無い。
だからこういう人と割り切って接する事が出来る。この一家にしてみれば、オットーは確かに頑固だけど、普通の人と変わりないおじさんなのかもしれない。
実際、そうなのだ。
マリソルとその家族。
ちょっとウザい近所の男。
ある事がきっかけで仲が拗れた旧友夫婦。
妻の元教え子のトランスジェンダー。
それから、可愛い子猫ちゃん。
不思議とオットーの周りに、人が集まってくる。
人嫌いで人を寄せ付けないようにしているのに。寧ろ、人を惹き付ける。
駅のホームから線路へ倒れ落ちた人を救出。周りが助ける所かスマホで撮影する中、咄嗟に。
離れて暮らす息子によって介護施設に入れられようとしている旧友夫婦。悪徳不動産会社が立ち退きを勧告。ひょんな縁や協力あって、不正を暴く。
偏屈であってもなくとも、我々にこれらの事が出来るか…? オットーは正しいと思った事は自分を信じてやる。善人以外の何者でもない。
本当に嫌われている人だったらそんな行動しないし、人が寄って来ない。
皆、本当は知っているのだ。オットーは本当はいい人。そんな彼を、皆好き。
そして何度も何度も思い出すは、妻との思い出。
死のうと決め実行に移そうとしたのは一度や二度じゃない。
でもその度に、決まって思い出が甦る。待ったを掛けるかのように。
君には会いたい。でも、まだ死ねない。
オットーの心の中で、そんな思いが強くなってくる。
バカモンだらけの世の中だけど…。
人に愛され、奥さんを愛す。
人嫌いの偏屈は孤独を隠そうとしていただけ。
人一倍、人との繋がりや思いを大切にしている。それが、オットーという男なのだ。
若い頃、ある病気が原因で軍から入隊拒否。
今また、その病気が身体を蝕もうとしている。
深刻な事態だが、その病名を聞いて、マリソルだけじゃなく見てるこちらもつい笑いがこぼれてしまった。
肥大型心筋症。
つまり、人より“心臓(ハート)”が大きい。
落語のオチかよ!(笑)
でも結局、これが原因で…。
本作が“オットーという男”というオットーの本当の人柄や人との交流を描いた作品だったら、ドライブ出発のシーンでハッピーエンドで終わって良かった筈だ。
が、オットーの死まで描く。若かりし頃や奥さんとの出会い、愛と幸せの日々、思わぬ事故、先立たれ偏屈になってしまった今、死のうとした時思わぬ出会い、周囲との交流、そして人生を終えた。
本作は“嫌われオットーの一生”とでも言うべき、本当は愛し愛されたオットーの人生ドラマでもあったのだ。
バカモンだらけの世の中だけど、幸せはある。ハートの大きな。
やはり、生きないと🌹
人にもよるかと思うが、
男性が伴侶を亡くした方が女性よりもダメージ
が強いのだろうか。
このオットーさん、半年前に最愛の妻を亡くし
後追いを考え実行し始めるところから物語が始まる。
オットーさんという人物、大変きちんとした人で家の中も整然と片づいておりいろんな機械類の構造もわかり修理にも長けている。自宅周辺にも敏感で居住民のことを考え自ら見回りして外部の人間などが勝手なことをしていないか点検し実行犯を見つけたら厳しく注意してくれる。その分他のことにも口うるさい印象を持たれている。が、ジミーなどに好かれている。
また改めて観て気づいたが、職場も酷い。
肩たたきで退職にし向け、祝うような雰囲気の最後。
祝い⁉️のケーキって⁉️
オットーさんの顔を切り刻んで皆で食べるって
残酷気味❗️
辞めたくなる筈だ⁉️
しかし、そういう日常の諸々全てを顧みようという気が起こらず実行あるのみの如く、この世とおさらばしようとするが‥‥。
ことごとく新しく越して来たマリソル家族によって邪魔される。
やはりこのマリソル、賢い知恵者だったのだろうか。お勉強ができるだけでなく人の心を素早く察知して相手が何を考えているか見抜き最善の対処法でやり過ごして来たのではないか⁉️
一人暮らしの高齢男性、というだけでも、どのように暮らしているのかと気になるし、
このオットーさん、とっつきにくいが、心根が優しく親切な人だと見抜いていたのだ。
娘たちの懐き様を見ても一目瞭然。
手作りの料理を持って行っても直ぐに追い返されるし、何を考えているのだろうと⁉️
だから閉め出される前にドアを足で止めたマリソル。
だからか、偶然ももちろんあっただろうが、
偶然を装ってズカズカと入り込むようでつぶさに観察していたのではないだろうか。
火急の時もあるかと。
電話を借りに来た時にも確認したら、やはり。
マリソルはオットーさんが気に入っていたのだろう。
駅で人命を救ったことを取材に来たマスコミに協力してもらい、友人の家を乗っ取ろうとする不動産業者を追い払った人間性、賢さ、友情の厚さなども。
ただ、個人による違いがあるかと思うが、猫には、猫専用の毛布でないと嫌だし、
オットーさんの奥さんの衣類を早々と片付けることには賛成できない。男だから利用できないにしてもスッキリ片付けるのには異論を唱えたい。
オットーさんに生きるべき理由を体現して知らしめ断念させ、実の親子以上の仲に。
ソーニャのお墓参りにも家族みんなで。
いつもながら素敵な美しい花束💐携えて。
三年ほど賑やかな愛情に包まれて、過ごせたのだろうか。
雪かきしていないことで異変に気づいてくれるなんて。
最期にマリソルに手紙を書いておく周到さは
オットーさんらしい。
追記:『幸せなひとりぼっち』もなので、原作だと思うが。
オットーさんのソーニャとの追憶シーン、
出会った時から結婚新婚ぐらいまでの若い頃しか出て来ない。初めソーニャは若い頃に亡くなったのかと思っていたが、半年前だった。
熟年の年頃であっても懐かしい思い出は色々あるだろうに、なぜ描かなかったのかと思う。
全67件中、1~20件目を表示