劇場公開日 2023年6月2日

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「映画館で観るべきドキュメンタリー」共に生きる 書家金澤翔子 ガゾーサさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5映画館で観るべきドキュメンタリー

2023年6月10日
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2023年劇場鑑賞132本目。
パンフレットないのでマイナス0.5。惜しい。
障害者の施設で働いていて、自分の事業所にも金澤翔子さんの「共に生きる」と書かれた書が寄付されて飾られています。30万円くらいでしたかね。

まぁ人には字が汚いと言われ続けるほどなので正直書というものはさっぱりです。このドキュメンタリーも娘さんがお母さんに叱られながら書いていたり、逆にのびのび自由にさせていたりする、いわゆる障害者ドキュメンタリーかな、と思っていたのですが、あくまで書家 金澤翔子 をスタイリッシュに描いた作品で、障害者関係の人のインタビューはほとんどなく、芸術家や、書に感銘を受けた人たちのインタビューと、書の紹介がほとんどを占めています。とにかくスケールの大きな(実際のサイズとしてもそうですし、内容としてもそう)作品なので、スクリーン映えするんですね。特に泣くシーンでもないのに涙がなぜか出た後に、書家の大家が「お客さん泣いているんですよ、僕はそんな書書けたことない」なんて言うものだからいや、ホントそうですよね、と同意せざるを得ませんでした。
「馬」の字はこれは確かに馬だ!と感心しました。

障害者が苦労して頑張ってますよーというのを観たい人には拍子抜けかもしれませんが、本来こう描くべきなのかもしれません。

これは監督のせいではなく、単に親子の関係の話なので映画の評価には全く影響しないのですが、お母さんが常に一緒にいて、子離れできていないんじゃないかな、子が自分の知らないところで生活する時間も必要なのではないかな、(一人暮らしはしているようですが、階下にはお母さんの書道教室がある)とは一福祉職員としては思いました。

ガゾーサ