劇場公開日 2023年2月17日

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「薄幸そうな美女に振り回される男性は多い」別れる決心 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5薄幸そうな美女に振り回される男性は多い

2023年2月24日
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鑑賞方法:映画館

幸が薄そうな女性が好きな友人たちがいる。一人だけではない。子育てと仕事の両立をがんばっているシングルマザーや、異国の地で働いている外国籍の女性とか、好みは微妙に違うが彼らが共通して発するのは「がんばっている」というワード。若干の薄幸とその状況に負けずにもがいている態度だ。つらい状況なんてなんのその!的な態度だと彼らの心を揺さぶることはないのだろう。本作を観ていてそんな友人たちを思い出してしまった。
中国系韓国人の妻が夫殺害の容疑にかけられ、捜査する中で刑事が惹かれていくという流れは「LAコンフィデンシャル」みたいな展開。いや、たしかにタン・ウェイは美しくて儚げで、それでいて男を手玉に取る魔性性も感じる。そりゃハマるでしょうよ。でも、ヘジュンって刑事があまりにも無防備すぎる。それでいてあまりにもオクテ。男としてそれでいいのか?と思うことが多かった。
でも、サスペンスとしての展開は悪くないし、最後も嫌いではない。ただ、全く何も浮かばないでいるのか?って問題は感じた。それと、物語の展開が若干わかりづらい。美しい風景とどんよりした風景の対比がよかっただけに、ストーリーテリングをもう少し丁寧にしてほしかった。
薄幸の女性に振り回されたいと思う男性はやはりやさしくて人がいいってことなんだよ。騙される可能性もあれば、ピュアな愛に生きられる可能性もある。博打性が高い人生だ。

kenshuchu