劇場公開日 2022年9月23日

「結婚というシステム」犬も食わねどチャーリーは笑う サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0結婚というシステム

2022年10月2日
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鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

楽しい

ノリに乗っている岸井ゆきの。今回は香取慎吾と夫婦役。年の差だし、無理あるんじゃない?と思っていたけれど、息の根ピッタリで2人とも超いい演技。予告は駄作感がぷんぷんしていたけれど、蓋を開けてみればコメディとしても人間ドラマとしても良質な、とてもいい映画でした!

結婚前の2人、そして現在の2人と交互に見せる演出は、裕次郎(香取慎吾)と日和(岸井ゆきの)というキャラクターの魅力を分かりやすく伝え、物語に深みを持たせている。笑いや悲しみも、交互演出によって倍に。香取慎吾と岸井ゆきのの絶妙な演技にグッと引き付けられ、予告とは裏腹に安っぽくなく、笑えて、心が温まる映画に仕上がっています。

2人だけが知っている思い出が過去を振り返っていくうちに明らかになっていき、それが上手いこと後半に生かされている。そういった、普通だったらサラッと流しそうな箇所も、あるあるや微笑ましいでは収まらないところがこの映画のいいところ。分かりやすすぎてしまい、単調になっているのは残念だけど、演技と演出がベストマッチしており、この夫婦を応援したい気持ちでいっぱいになる。

時間を感じさせないくらいテンポが良く、そしてくどさや胸糞悪さとかも一切なく、なんなら気持ちよく最後まで見ることが出来る。大袈裟でツッコミどころのあるシーンはあるものの、人間ドラマの掘り下げ方がお見事で、個人的には「喜劇 愛妻物語」より響くものがありました。

人を選びそうな作品ではあるけれど、感情や気持ちの変化が意外にも繊細に描かれていて、すごく後味のいい映画でした。「旦那デスノート」という映画にしずらそうなテーマを扱いながらも、ここまでのものを作り上げたことに拍手!個人的ベストアクターは、香取慎吾でも無く、岸井ゆきのでもなく、余貴美子かと笑 逆に、夫婦でご覧下さい!いい意味で!

サプライズ