劇場公開日 2022年8月11日

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「『憧れを超えた侍たち』が光ならこっちは影の方」野球部に花束を 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0『憧れを超えた侍たち』が光ならこっちは影の方

2023年8月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

怖い

初鑑賞

原作未読

監督と脚本は『荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE』『風俗行ったら人生変わったwww』『ステップ』『ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち』『宇宙人のあいつ』の飯塚健

今までありそうでなかったリアル?な本格的高校野球映画
典型的理不尽体育会系
野球はどちらかといえばやるより観る方の人生のせいかこのノリは野球好きでもドン引きしてしまう
こういう一面は子供の頃から熟知しているけどだからと言って野球そのものは嫌いにならない
そもそも物事というものは絶対善絶対悪で好き嫌いを分けられるほど単純なものではない
これもすぎてしまえば理不尽なことも含めて懐かしい青春の思い出として仲間たちと笑いながら話せる酒の肴になるのだ

でもあの坊主頭の強制は賛成できない
長髪とか『今日から俺は』のトンガリみたいのは言語道断だがさっぱりと短髪程度でいいじゃん
最近の濱田岳くんみたいに

男のお尻ヌードがバンバン出てくる
その筋の人たちにはおすすめ
ウホッ
一応ヒロイン的な女子が登場するが比較的地味な存在
終始男くさい作品だが決してイカ臭くはない

度々出てくる里崎は余計だった
ロッテファンじゃないし
ならば古田や栗山なら良いのかと言われたらそういうことじゃない

それにしてもなんで男子野球部に女子が選手として入ってくるんだろうね
野球やりたい女子を集めて女子野球部作ればいいでしょ
気を使わせるなよ
迷惑考えろよ
カープが強くなれば野球そのものに興味がないカープ女子が現れる
1人キャンプが話題になれば1人でキャンプ場にやってきておっさんが声をかけてくると騒ぎ出す
なんで男たちが楽しんでいるところにあとからしゃしゃり出て土足で上がり込んで我が物顔に振る舞うんだろ
そのくせ男湯に入ってくる女は実際存在しない
まっ入ってこられても迷惑だけど

エンドロールは電気グルーヴ
ピエール瀧が地味に映画復帰
おかえりなさい

配役
茶髪で高校デビューするも流れで入部してすぐショートからキャッチャーに転向する黒田鉄平に醍醐虎汰朗
1年生でセンターとしてベンチ入りした桧垣主圭に黒羽麻璃央
意外と俊足で入部してすぐ左打ち転向を命じられ2年になると豹変する唯一カノジョがいる亀井大作に駒木根隆介
15人の中で最も高身長184センチで中学時代は投手だった森毅に市川知宏
4人の中で一番最初に黒田に声をかけた三鷹東高校野球部の薫田敦人に三浦健人
三鷹東高校野球部3年生の吉村先輩に田中謙次
吉村先輩の妹で黒田が一目惚れする同級生のユキに浅野杏奈
三鷹東高校野球部新1年生のセカンド高瀬真理に清田みくり
野球部あるある解説者として度々登場する里崎智也
1年生黒田の幻覚として登場する強面3年生に小沢仁志
三鷹東高校野球部のパワハラ監督の原田誠に髙嶋政宏

慶應高校の森林監督の教育論をしっかり聞いたあとにこの作品を見ると誰でも印象が変わるのではないか
坊主頭がダメというわけではなくて「昔からこれが当たり前」という思考停止が良くないと
これは高校野球に限らず「ムラ社会」日本全体に言えることではないか

野川新栄