はい、泳げませんのレビュー・感想・評価
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「シリアス」と「滑稽さ」のバランスがとれている。
体に余計な力が入っていると泳げない。リラックスして水に身を任せなければいけない。人生も同じようなものだと教えてくれる。辛い「過去」にはどうしても執着して余計な力が入ってしまう。明るい「未来」に進むためにはつらい「過去」を清算して自由な身にならなければならない。泳げない雄司が泳げるようになる過程は、雄司が「過去」に折り合いをつけて「未来」へ進む過程と重なる演出になっている。目新しいテーマではないが、真剣味とユーモアが混ざり合ってとても楽しく見る事ができる。
雄司と静香は水泳の生徒とコーチであるが、泳げるようになる過程で段々お互いの人生を共有するような関係になっていくのが面白い。芝居じみてはいるが、夜のプールで雄司の苦しみを静香が優しく包み込むシーンは一つのクライマックスになっている。静香コーチは本当に泳ぐことが好きで、自身も泳ぐことで救われたからこそこのシーンが成立している。「八重の桜」で共演している二人だから息はぴったりだが、せっかくならもう少し濃密な絡みのシーンがあってもいいかなと思う。
水泳教室のおばちゃんたちはいい味を出している。雄司と静香の二人だけではシリアスになり過ぎる所を、カジュアルに滑稽さも出ていてとても良かったのではないかと思う。
「シリアス」と「滑稽さ」がうまくバランスがとれた作品でした。
ゆっくり考えたいとき、少し休みたいとき観る映画
久しぶりに一人で映画を見たいとき、今、考えていることが有る時、
この映画がピッタリかと・・・。
大きなはしゃぎも、大げさなフリも有りません・・・が、
映画の中には静かな共感の時が流れていきます。
アクションものでも、社会問題を盛り込んでいるわけでもありません。
でも、鑑賞後に不思議な心地よさがある、後味の良い映画だと思います。
思ってたよりドラマチック
原作未読です。
タイトルだけ見てコメディかと思いきやそんなことはなく、心揺さぶられるドラマチックなお話しでした。
何より脚本が素晴らしかったです。絶妙に過去を交え進行していき、また絵も見やすくどちらも無駄がないといった感じであっという間の時間でした。
それに加えて長谷川博己さんの肉体美、声、力のこもった泣き顔、綾瀬はるかさんの美貌と力強い演技、全てが心地良かったです。
欲を言えば、綾瀬はるかさん演じる静香コーチの後日やハッピーな話しが見たかったなぁ!
あと息子のともやくんはもっと可愛い子だったら良かった・・・
にんげんていいな
導入部はいいと思うが…
結局のところ身体能力的には問題なく、精神面の折合いをつける作業の作品。
本当に泳げない人が泳げるようになる、感覚的な動き
「ひねって取る、伸ばして落とす」などのカンジは良い。(ホントにカナヅチの人も参考になるかも)
個人的には「ベスト・キッド」のペンキ塗りように一見関係なさそうな動きが実は…的な展開を期待したのだが。
「泳げない男がいつの間にか泳げるようになっちゃった」みたいな
導入部のコメディ路線でいってほしかったが…
とにかくこの作品は(主人公だけでなく)トラウマの押し売りがしつこい。
静香コーチの車に傘ってのはなんだ?
日常生活に支障をきたしているではないか(笑)
トラシカですよ(でもこれはコメディ風なので好き)
あと、別れた妻の関西弁はどうにかならんかったのか?
関西出身の女優を使うか、いっそ関西弁をなくしてしまっても良かったのではないか?
原作(未読)に
関西人ならではのエピソードでもあるのか?
最後、主人公の笑顔のカットは良い。
これは男の成長と再生の物語である。
綾瀬はるかもっと出さんかい、ってみんな思ってる
この人が出ているなら、どんな作品でも劇場まで観に行こうと思える女優のひとりである綾瀬はるかを客寄せパンダみたいに使わないでほしい。
予告とポスターがなぁ。
観に来てる人はみんな綾瀬はるか目当てで来てるのに、騙された感は大怪獣のあとしまつよりも大きいんじゃないかな。(長谷川博己さんのファンの方ごめんなさい)
次は綾瀬はるかが主人公の続編作ってください。
「はい、出歩けません」。笑って泣けるのがいいです。
なんなら綾瀬はるかが90分ずっとビクビクしながら歩いてるだけでもいいです。
今作は笑えず泣かされた。子どもを失くした人や離婚したことのある人は辛くて観てられない。
伊佐山ひろ子の無駄使い。彼女すごい女優さんなんですよ。
なんか上手い台詞だろ、いい脚本だろってのが見えてくる。日本映画には出来上がってから公開するまでの間にこれでよいとか、ここ直せとか、チェックするシステムないのかな。
綾瀬はるかに泳ぎ方教えてもらって、阿部純子にシャンプーしてもらったつもりで満足しておこう。
そこまで悪い作品ではないけど
当方も泳げない身からくる興味で見に行きました
最序盤で唐突にある納豆の件とか
長谷川博己のプールで浮く練習のシーンでの顔芸でギャグ映画なのかと思いましたが
これ以降ギャグっぽいシーンは無くなります
長谷川さんが泳げない人間あるあるをよく再現されてたなと思いました
(潜った後異常に顔の水を手で落とそうとする場面など)
ただ洗顔するのも恐ろしいほどの水恐怖症ではないので
そこまで感情移入はできなかったかな
あと、綾瀬はるかの動く車恐怖症の方が泳げない事よりも
生きてくうえでかなり過酷な状況だと思うので
そっちを克服させた方が良いのではと感じました
評価 3.2
海や川はやはり危険であることに変わりなく
毎年子供や助けようとした大人までも亡くなっているので
やはり親がしっかり注意喚起してあげるしかないのかな
残された親が辛いのは伝わってきました
ヒューマンドラマ
題名からしてコメディだと思いましたが..
始まってすぐに人生再生のヒューマンドラマと気づきました。
登場人物は明るく実直な人たちばかりです。
でも皆、それぞれつらい過去を抱えながら生きていることがわかります。
その中でも特に辛い体験をしたであろう、主人公のその後の生きづらさが観ているこちら側に伝わってきます。
綾瀬はるかはプールサイドで生き生きとした美しさ。
主人公にとっての救世主で女神さまのようです。
長谷川博己は「この国の空」の時のような細々した体とは打って変わって胸板厚く、よく鍛え上げたものだなぁと思いました。
このコロナ禍でちょっとお疲れの方にお勧めしたい、ホロッと出来る作品です。
期待しすぎたかな...
佳作だと思うのだが、ちょっと中途半端な印象。
泳げない男が泳げるようになる。それは新たな未知の世界を拓く話(ドキドキ・わくわくする話)だろうと期待して見ていたら、そうではなく過去のトラウマの克服がメインテーマ。言わばマイナスをゼロに戻す話で、全体としてはハッピーエンドなのに爽快感があまりない。そこが少々残念なところ。最後の方で死んだ子が夫婦の元に帰ってくる描写は少し泣ける。
違ってました
『Shall we ダンス?』のようなラブコメディと思っていましたが、全然違います😥
なんか 麩のような芯のない ふわっとした感じの映画です。
鑑賞後は、気の抜けたサイダーを飲んだような気分になりました😣
はい、アザラシ
レイトショーで観ましたが100人くらい入る劇場でパッと見5〜6人、平日といえど初週…。興行的には非常にまずいんだなと思いながら鑑賞。
年間ワースト級ではないですが面白くなかったです。コメディに振りたいのかシリアスに振りたいのか、その線引きが曖昧すぎてどっちつかずな感じが気に入りませんでした。
まず序盤の麻生さんの関西弁、自分は関西人ではないので細かいイントネーションまで分かりませんが、それでも指摘せざるを得ないヌメっとした関西弁でした。原作を読んでいないのでそこはなんとも言えませんが、関西出身の女優さんを採用するか、この映画的に関西の人である理由はそこまでないのでクセのない喋りにすれば良かったのに…。あと納豆が嫌いなら口にぶち込まれたら嫌でしょ?っていうセリフをなぜそのまま映像にしてしまうのか…。映像で見せないと分からないバカだと思われているのかと思ってしまい、この時点で冷めてしまいました。
綾瀬さんと長谷川さんのW主演的なものだと思いましたが、実質長谷川さんのトラウマ克服がメインであり、綾瀬さんは水泳を教えるだけの人になっているのも残念です。綾瀬さんは水泳以外できないと予告の時点で明かされていましたが、まさか本当に水泳以外できないとは…。その設定だと物語に支障が出てしまうから出番を少なめにしたのか…。おばちゃんズの横柄な感じは面白いとは思えず疲れました。
なんとなく泳げない理由は自身の子供か親が海か川で溺れたトラウマなのかなと思っていたので、そこの種明かしがあった際もそこまで驚きはしなかったです。そのトラウマを引きずる理由は分かるのですが、くどすぎる演出がその物語性を台無しにしてしまっている気がします。ホラー的な演出をしたり、セリフを反復したり、画質を荒くしたり、会話の壁を越えたり、とやりたいこと、こうしたら面白いんじゃないかを余計に詰め込んだ結果ずっと冷たい目で観ることになりました。
全体的に男性像の語り口が皮肉れてない皮肉さでイラっとするだけですし、セリフの一つ一つが説教くさく蛇足ばかり。編集の仕方もなんだか狙ってるのか?と思える複雑さ、登場人物の知能指数の低さ、とにかく疲れてしまう映画でした。
主演の2人や阿部純子さん、子役の方々たちと演技に関しては非常に良いのですが、作り手たちとの考えの相違が今作の面白いか面白くないかに直結していだなと思いました。
鑑賞日 6/14
鑑賞時間 20:30〜22:30
座席 D-8
再生
期待もせず観に行ったんですけど……いい意味で騙されて、楽しめました。
予告編からはてっきり、泳げないハセヒロと、泳げるけどまともに歩けない綾瀬はるかの恋愛映画だと思って行ってみたら全然違いました。
大切な人を亡くしたことをきっかけに、自分の心と家庭が壊れてしまった、一人の中年男の人生の再生話でした。
頭の一時間は本当につまらないです。
長谷川博己の演じる哲学の中年大学教授である主人公が、やたらと理屈っぽいのが鼻について。
ところが!
腹が立ち眠くなる、そこを我慢した先にツボはありました。
おそらく家族や友人を亡くしたものの、その時には感情の整理がつかず泣けなかったが、のちに鬱っぽくダメージが出た……という体験があるか否かが、作品を評価する分岐点かなと。
人生の喪失と挫折は、水に溺れるのに似ているというのは、少しやり過ぎにも感じなくはないですが。
いくつか矛盾というか……
「濡れることやコップの中さえ怖がる水に対する恐怖症は、いままで風呂や洗顔どうしていたの?」
という疑問はなくはなかったが、作中で明らかになる「その事件」以降に悪化したのね、事件以降は、濡れタオルやウェットティッシュなどでどうにか過ごしていたのね、と好意的に解釈しました。
ただ、綾瀬はるかの役どころは、自身の交通事故の経験から主人公に共感する役なのは分かりつつも、屋外を歩くのが怖いという設定が生きてなかったようにも思います。
ここが、割と作品に入りにくくし、人によって評価を下げるポイントかもしれません。
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