カモン カモンのレビュー・感想・評価
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子供は大人の写し鏡
マイク・ミルズ監督は『人生はビギナーズ』という作品のみ鑑賞した記憶がありますが、内容はもう全く憶えていません。本作も非常に優れた作品でしたが、(悪い意味ではなく)恐らく直ぐに内容は忘れてしまう様な気がします。
ひょっとしたら、この辺りがこの監督の特徴というか持ち味なのかも知れません。
本作も非常に哲学的な部分もあり、テーマを理解するにはかなり難しい作品だと思います。でも感覚的に愛すべき作品だと思えましたね。
それと、モノクローム映像も非常に美しくL.AもN.Yもこれほど美しく感じられた作品は珍しいです。
少し前に観た『大人は判ってくれない』から62年も経つと“大人”もかなり変わったようです。
というか、あちらは子供目線からの内容でしたが、本作での伯父(大人)と甥(子供)は対等に描かれていたのでそう思えたのでしょう。
子供は62年前から何ら変わることのない存在ですが、大人は62年前からすると社会の変化に伴いかなり変化したのかも知れません。
62年前ではどんな生活レベルでも家庭を持ち子供を作るのが一般的な共通認識だったと思いますが、今はもっと個人の自由が尊重されて、家庭も持たず子供も持たないという本作の伯父(ホアキン・フェニックス)の様な存在もかなりの割合でいます。(私もその一人)
なので、日常生活で子供と全く接する機会のない大人達も増えてきて、そういう大人達が子供と接することにより不思議な化学反応が起きてしまうのかも知れません。
かいつまんで話すと、大人が子供に対して真面目で真摯な姿勢で対応すると、“子供”という存在の従来の概念が覆さてしまうというお話なんだと思います。
正直言って『大人は~』が作られた時代の大人(親)が子供に対する教育って、生活レベルによってはかなりいい加減(放任)で学校任せだったような気がします。逆に言うと今はどんな生活レベルであっても熱心(過保護)過ぎる傾向を感じられます。
昔の親の子供に対する対応の多くは見え透いた嘘ばかりでその場を誤魔化すといういい加減さから、今の大人の対応は全く現実的でない綺麗ごと(正論)を大真面目に並べ立てる妄信型に変わってきた様に感じます。
本作では伯父がジャーナリストという職業で、冒頭で色々な子供達にインタビューをし、その回答が余りにも大人びていて、観客の誰もが凄いと感じてしまうのですが、恐らくそれは上記した今の教育の在り方のせいであり、子供自身の意見というより幼少時の教育の成果が、あの大人びた回答になってしまっている様に感じられます。
しかし子供自体は昔の子供となんら変わらず、本作の様に普段子供と接する機会のない大人が一時的でもリアルに子供と向き合わされると、大人側の実態が子供に鏡の様に写し出されてしまう結果になってしまう。結局大人と子供とは対等であるというお話だった様に思います。
主人公に子供がいないという設定が、非常に利いていたのだと思います。
“だからどうした”という事は、鑑賞した観客の立場によって各々受止め方が違ってくるのだと思いますが、だからこそ私には興味深く観ることが出来ました。
観て良かった・観て欲しい作品・カモンカモン
素晴らしい作品。
不思議な気持ちが心に芽生える。
だが・勿論・・素人の私は、ただただ
目を耳を出来る限りの全神経を作品に
ゆだねる。私のうすっぺらな言葉では、
正直語れないのだが、伝えたい気持ちが
ワサワサ湧いてくるのだが・・
言葉・文字に置くと・うすっぺらい・うすっぺらい
私の中のカモン・カモンを上手く表現することは、
出来ないのだが、カモンカモンを観たと伝えたい。
誰に?すべての人達に。
なぜ?それは、この作品を好きになってしまったから。
どうして好きと言えるの?わかりません、でも好きなんです。
カモン・カモン・カモン
先へ先へ先へ
ホアキン・フェニックス主演。仕事での子供へのインタビューや甥っ子と...
ホアキン・フェニックス主演。仕事での子供へのインタビューや甥っ子との対話。ホアキンが甥っ子に謝るシーンでは、スマートフォンのサイトで紹介されている「謝り方」の作法に従って謝罪する。会話でなく対話。主人公は仕事でも甥っ子に対しても話し合いのプロセスに意識を働かせている。そうすることによってきこえてくるリアルな声。この子どもたちが大人になる頃には世の中が少しでも良くなっていないといけないと思う。ラストシーンでは甥っ子がホアキンに向けてメッセージを録音する。「C'mon C'mon」と。登場人物がデトロイト、サンフランシスコ、オークランド、ニューヨーク、ニューオリンズを巡っていて、ロード・ムービーのようだった。
日常にある小さな幸せを感じる
突然始まった甥っ子との共同生活をモノクロ映像で描いたヒューマンドラマ。日常にある小さな幸せを感じるなんとも愛おしい人生讃歌。劇中のサウンドトラックも素晴らしく作品をより一層引き立てている。
そして、タイトルが指し示しているカモンカモンの意「先へ、先へ」も印象的で心が打たれた。
2022-109
幸せな2人
伯父と9歳の甥っ子。
モノクロで、多数の子供たちの声をBGMのように流す事で、生々しさが薄まってますが、かなり濃密なラブストーリーだなと。(勿論性的な要素は一切ありません)
愛する人がこの世界の何処かで生きている。
どれ程心強い事でしょうか。
キッズ用リュック背負ってパツパツのホアキン。
童心にかえる、と言うと何もかもから自由になって駆け回る身軽なイメージがある。
そんな私達は忘れてしまったけど…でも本当は彼らは不自由で納得できなくて、無力な自分に苛立ちを持っている。
林の中、キッズ用リュックを背負ってパツパツのジョニーは初めて彼ら子供の重荷を感じて声をあげる。良いシーンだったな。
そのあと、再び大人に戻ってジェシーに贈る言葉はまさに自分が息子について思うこと!
実は2回目観たとき10歳も一緒に行きました。SCPやら都市伝説が大好きで(何で彼らはあんなに臆病なのに恐怖に惹かれるのか?w)好き嫌いが多く、よく似たジェシーという友達を紹介したくなってしまって。
ちょっと退屈していたけど歯ブラシのところで笑ってたw
それこそ本作を観たことは忘れてしまうだろうけど、地球の上には君らぐらいの子がいろんな事を思っている、とぼんやり分かればいいかな。
改めて、子育てって全くひどい無茶振りだ。丸くてあったかいものをポンと投げ渡されて「じゃあ、宇宙をよろしく」なんて冗談にもほどがある。
大人としては、日々成長するにつれパラパラとはがれ落ちていく彼らの可能性に嘆き、ため息をつくのだけれど。
結局はそれもささいなことで、成長とはそういうものかも。それに、こぼれ落ちても何てことない程、彼らはやはり希望のかたまり、万の希望でできていると思えるから。
ジョニー&ジェシーをずっと眺めていたかった。彼ら2人の時間にアクションやカットがあるなんて忘れていたい。
個人的には記憶に残るだろう大好きな作品です。
Be funny comma when you can period.
主人公のジョニーがラジオDJで、ユニークでこまっしゃくれた甥っ子の面倒を見ながら、いろんな子どもたちにインタビューしていくストーリーで、とにかくセリフが面白かった。
予告編にも使われていたと思うけど「おじさんはバカの中でも一番バカ」とか「ふざけよう、テン、そうできるときは、マル」とか、タイトルにもなっている「カモン」を繰り返すところとか。
エンドロールで子どもたちがジョニーのインタビューに答えている(という体の)音声が流れていてそれも面白く、私がいた上映回では、マーベル映画以上に誰も途中で席を立たなかった。
映像もよくて、白黒映画なのに公園の緑が美しかったような気がしたし、セピアっぽい色合いの街も見た気がする。
それにしても子どもって本当に小憎たらしいときがあるなあ。天使のようで悪魔のようで、でもそれこそが子どもっていうことなんだろう。ジェシーに対して怒りすぎてしまって落ち込むジョニーが好きだ。9歳の子どもであっても一個の人間として本当に見ていて、だから子どもがイタズラをしたからといって一方的に怒鳴りつけたりするのはありえない、という価値観をジョニーもヴィヴも持っていて、欧米のこういうところは尊敬できる。
新鮮さに欠ける
子供の自然なリアクション、ホアキン・フェニックスの安定した芝居、リアルな芝居の構成など見てて心地良いが、いささか新鮮さに欠ける。
子供との疎通を通して大人が成長する映画は古今東西、数限りなく作られてきたが、新しい視点を感じることが出来なかったことが残念。
子供、大人、を分けるものは?何?
私にとっては、大変に難しい映画です。
この映画から、何を感じ、考えたら良いか?
ラジオジャーナリストのジョニー
の甥のジェシーに、
向き合い、理解しあおうとする葛藤、思い?
ジェシーの感性を受け入れることへ四苦八苦しながら、何か新たな思考が生まれてくるジョニーを、通して知らされる、日常の不条理、無理?
父と男の子の、関わり?愛情?
???です。
モノクロ仕様なのも、
監督は、きっと、もっと深いところで
考えたら?感じて?と
思って作ったんだろうと思うと
さらに難しくなってくる。
子どもとタイマン張ることの大切さを感じる
子どもと真剣に向き合う時間は、その時はものすごく大変だと感じる。
だけど後から振り返るとあっという間のかけがえのない輝いた時間であったことに気付く。
子どもという生き物は厄介だ。大人の思う通りにはならない。一筋縄ではいかない。
かと言って押さえつけるのはその子の心に影を落とす。
だから対等に話し、真っ向から対峙して大人も謝る時は目を見てきちんと謝らなければならないのだ。
この作品はなぜ全編、モノクロ映像なのか。
答えはわからないが、観客に慣れるまで少し観にくいモノクロをしいることで、子どもと真剣に向き合う重みが増すからだ。
カラフルな映像だと薄っぺらくなってしまう。そんな気がした。
ラジオのインタビューに答えるたくさんの子どもたち。そこかしこに散りばめられた彼らの本音。
大人たちはもっと子どもの本音にに耳を傾けるべきだということを教わる。
カモンカモン、先へ先へと、子どもたちは未来へと進む。
大人は先を進んでいるのではない。大人こそ、子どもに遅れをとってはならないのだ。
先へ進むことを忘れてはならない。
大人はつい過去を振り返りがちだから。
伯父の朴訥な感じと、甥っ子の愛らしさ、キャスティングが良かったと思う。
子ども大変
こんな風にこどものころ向き合ってもらったことないなあとちょっとさみしくなった。みんなちゃんと相手しててすごい!
子どもたちのインタビュー良かった。自分も当時精いっぱいいろいろ考えてたなと懐かしくなる。
私は世界で混乱してしまうポールの方の世代なので、若い子たちがもっと自分のことや感情を理解して受け止められる世界になったらいいなと思った。
子供と大人の思考の壁について
映画を見ている間、子供と大人の、或いは年齢やつながりは関係なく他人との思考の壁について、うまい例えを思いついたと実感していたのだが、歩いているうちに忘れてしまった。行ったり来たり、わかったりわからなかったり、怒ったり慰めたり。とても良い映画だと思いました。
ストーリー 6 芸術 6.5 演技 7 エンタ 6 総合 6 ジェ...
ストーリー 6
芸術 6.5
演技 7
エンタ 6
総合 6
ジェシーの演技がいい感じ。インタビューしてた子供たちの回答は本物? もしセリフだったら1点以上下がる。
大人になったことを突きつけられる
子供たちが自分の意見を持って、自分たちの世界を力強く生きている様が表現されていました。
抑揚がほとんどなかったので映画としてはややきつい部分もあったのですが、テーマが深かったので個人的には楽しめました。
子供たちに対して自分が正しいという感覚が知らず知らずのうちに大人にはついてしまうことを教訓としたいと思います。
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