スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバースのレビュー・感想・評価
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真の21世紀の映画
まさに革命的映画。21世紀になってもなんとなく20世紀的な映像の延長線上の表現が多かったところ、完全に新しいことをやってきたという印象で、21世紀の映像表現のスタンダードを打ち立てることになるかもしれない。今でもすでに絶賛が相次いでいるが、本当の真価は10年後くらいに発見されるような、そういう作品になるのではないか。
運動描写も素晴らしいが、最もすごいのはテクスチャーを自在に変化させて、それを驚かしのギミックレベルではなく作り手の表現意思で操っているところ。ショットのつなぎ、アクション、台詞、音など、様々な要素が映像表現にあるが、そこにテクスチャー変化という新たな要素を加えた。コミック的な表現のみならず、水彩画のようなテクスチャーのシーンもあったり、なぜこのシーンでこのテクスチャーなのか、シーン単位よりもさらに細かくショット単位で意図を持ってそれをコントロールしている。このテクスチャーからこのテクスチャーに変化することで、どんな効果を生んでいるのかなぞ、今後何十年も研究対象にされるべき作品だ。
圧倒的すぎる創造性の爆発を見た
圧倒的な創造性の爆発を見た。本作は大胆であることを恐れない。異質のビジュアルスタイルやタッチが混ざり合うのを避けるのではなく、むしろその融合を大いに歓迎して、さあどうなるか見てやろうじゃないかと言わんばかりに観客を未知なる映像体験へと引き摺り込む。我々もそれが楽しくなり、描写タッチも性格も何もかもが異なるスパイダーマン同士が真向かい、共に戦い、追いかけ、追い詰められる展開に翻弄されっぱなし。次元から次元へ、創造性のトンネルを駆け抜けるたびに、今度はこの手で来るのか、まだこんな手法が残されていたのかと、驚きを超えて口が半開きになる。まさに”スパイディ”というIとWEを同時に堪能する2時間20分。実写映画を凌駕するイメージ量とスピード感を持ちながら、それでいて個々のキャラへと深く入り込み、大切な人への思いを浮かび上がらせる様は繊細だ。次作がどう予想を裏切り、限界を超えるのか俄然楽しみになった。
静寂の中で展開するマルチバース・アクションの魔力
2018年に公開された『スパイダーマン:スパイダーバース』は様々なバースから複数のスパイダーマンが集結して来るというアニメならではの発想を最新のビジュアルで具現化した傑作だった。そして、この続編は空間設定だけでなく、スパイダーマンことマイルス・モラレスの"成り立ち"そのものを大胆にリセットして物語は展開する。それにプラスして、スパイダー・グウェンことグウェン・ステイシーのストーリーが被さり、前作を超える数のスパイダーマンたちが各バースから集結する。その目まぐるしさは半端ないのだが、前作同様、巧みな視覚演出が観客の集中力を途切れさせない。
今回、特に凄いと感じたのは、レゴのスパイダーマンや実写のスパイダーマンが顔見せ興行よろしく現れては消えていく、独特の軽さと前作を超えるスピード感だ。そのグラフィック・コミックをめくるような軽快な展開は、伝説のPVとして語り継がれるア・ハーの"テイク・オン・ミー"を彷彿とさせる。つまり何が言いたいかと言うと、めちゃくちゃ洗練されているのである。さらに、音量を最低限に抑えて、全てが静寂の中で進行していくサウンドエフェクトにも感心する。
主軸となる"運命は自分で決める"というテーマにも合点がいく大ヒット・シリーズのリブート第2作。早く次が観たい。
ピーター・パーカーの遺志を継いだ少年マイルス・モラレスを主人公に新...
ピーター・パーカーの遺志を継いだ少年マイルス・モラレスを主人公に新たなスパイダーマンの誕生を描き、アカデミー長編アニメーション賞を受賞した2018年製作のアニメーション映画「スパイダーマン スパイダーバース」の続編。
マルチバースを自由に移動できるようになった世界。マイルスは久々に姿を現したグウェンに導かれ、あるユニバースを訪れる。そこにはスパイダーマン2099ことミゲル・オハラやピーター・B・パーカーら、さまざまなユニバースから選ばれたスパイダーマンたちが集結していた。愛する人と世界を同時に救うことができないというスパイダーマンの哀しき運命を突きつけられるマイルスだったが、それでも両方を守り抜くことを誓う。しかし運命を変えようとする彼の前に無数のスパイダーマンが立ちはだかり、スパイダーマン同士の戦いが幕を開ける。
オリジナル英語版ではシャメイク・ムーアが主人公マイルス、ヘイリー・スタインフェルドがグウェン、オスカー・アイザックがミゲルの声を担当。第96回アカデミー長編アニメーション賞ノミネート。
7 H-11
どうして評価が高いんだろう
マルチバースを理解したうえでこの映画を語るなら、この映画を「つまらない」と評価するアース42があってもいいはずだ。やたらと評価が高いようだが、私には到底受け入れられそうにない。
お寿司を食べに行ったらパエリアが出てきたような感覚か?パエリアにもうまいまずいがあるように思うが、残念ながらその価値観を持たなければ、最上級のそれを出されても「豚に真珠」である
後半、畳みかけるような展開になり、エモーショナルなストーリーが拡がっていったが、主人公の存在意義を問いかけることで、この世界そのものが崩壊するという壮大なロジックが定義される。ゆえに愛する人を守ることができないジレンマに陥り、仲間たちもつらい状況を見殺しにするしかない。「それがこの世界のルール」を飲み込めと強要される。
前作を見ていない人には何のことだかさっぱり分からないだろう。それどころか、いっぺんでもスパイダーマンを見たことのない人にはもはや映画の体(てい)を成していないかもしれない
もともとマルチバースの概念を取り入れることで、多様性を受け入れる世界を表現したかったはずだ。ロボットのスパイダーマンや少女のスパイダーマン、疲れたおじさんのスパイダーマンが居る世界が存在する。
もうひとりのスパイダーマン、グエンも世界になじめずに、家族とも折り合いが悪い。親に正体を隠してこそこそしている自分が嫌だけど、スパイダーマンである自分を変えることが出来ない。これはまるで陰謀論にはまってしまった少女そのものだ。世界の本当の秘密を知ってしまった自分は、誰からも受け入れてもらえない。でも世界をよくするために行動することをやめられない。
もしかして、そんな価値観の相対化を悲観したストーリーがうけたんだろうか?
それにしたって、あの終わり方はないと思う。ネタバレにならないギリギリの表現で言うなら『バックトゥザフューチャーpartⅡ』を見にいった時の気持ちに近い。映画にハマっていた分、BTTFⅡはワクワクして映画館を出た覚えがある。
この映画には、それがなかった。
前作から少しずつスパイダーマンとして成長しつつあるマイルス。久し...
前作から少しずつスパイダーマンとして成長しつつあるマイルス。久しぶりにグウェンと再会して、マルチバースへ。びっくり仰天大騒ぎ!スパイダーマンがいっぱい!こんなにいるの?
まだまだ続くんだ。新たなシリーズ。楽しみですね。
映像表現がすごい
とにかく映像表現がすごかった。
印象的なのはグウェンと父の再会シーン、別次元のスパイダーマンが交錯するシーンでそれぞれの作画がクロスオーバーするのが本シリーズのメインディッシュだが、このシーンは同次元の親子の感情で作画が変わる表現が美しかった。
何回か観ないと整理できない。
作り手の意図を汲み取ることはおそらく私のレベルでは不可能、感覚的に感じる映画なのかもしれない
映像と音楽は最高!ストーリーはやや不完全燃焼。
前作を上回る新たな映像表現は目を見張るものがありました。加えて本作は、音楽と映像の完璧なシンクロを達成していて序盤の没入感を高めていました。
エンタメ映画を見ている…というよりは、
もはやアート作品やミュージックビデオを見ているような感覚に近いです。
"物凄いものを見させられている"という感覚はあります。
ただし、心の底から「面白かった!」と思える作品ではありませんでした。
良くも悪くも非常に情報が多く、加えて上映時間が長すぎるためダレているように感じる部分もありました。
(2回目視聴してこの辺りの不満点はだいぶ解消されました。)
マルチバースのイベントを否定する主人公は、社会が押し付ける(大人的)正しさの強要と、それに対する反抗のようにも見えました。
色んな箇所で大人と子供、親と子の確執としがらみを感じさせるストーリーだなとしみじみ思いました。
前作が確立した3DCGを用いた映像表現を更にアップデートして見せた本作は、ちょうど同年公開のミュータントタートルズミュータントパニック(以下ミューパニ)と対になるような立ち位置と言えるでしょう。
しかしミューパニが革新的な映像と王道エンタメ的ストーリーを一本の映画に収めていたのと異なり、本作はあくまでも3作目への"つなぎ"なのです。
加えて、期待値を爆上げして次回作に繋がるラストでもなく、フェードアウトするように終わってしまうので不完全燃焼感は否めません。
伏線も投げっぱなしなのでキャラクタードラマ的な部分も全て未解決です。
キャラクターや世界観も複雑多様化しすぎ(これが本シリーズの魅力でもありますが)た結果、非常に飲み込みにくい作品になって消化不良を起こしているようにすら感じました。
本作を単体で評価するのは非常に難しく、3作目が公開されて初めて総合的な評価ができる気がしています。
映像も含めたこのカオス感を楽しめるか否か
或いは原作への理解度によっても印象が変わるかもしれません。
ミューパニと本作単体での比較をするなら、
アクロス
映像100点
音楽90点
ストーリー75点
ミューパニ
映像100点
音楽90点
ストーリー100点
といった感じでしょうか。
次回作を見るまで評価が定まらないので3作目に期待します。個人的にはもう少しエンタメ的なバランスに修正しての大団円にうまく落とし込んでもらいたいと思っています。
マルチバースの世界はアニメ
アニメ技術が凄い!
「1」でもビックリしたけど引き続き凄い!
アメコミ風にしたり奥行を見せたり
この映像の凄まじさは素晴らしい。
マルチバースの世界を表現するのは
アニメのほうがいいかもしれませんね。
でも「1」ほどの衝撃はなかったかなあ。
仕方がないけどね。
現時点のアニメーション表現の最高峰
映像は言うまでもないが、
ストーリーも音楽も、声優も完璧だ
なんと言っても色彩や様々な表現技法を見ているだけで楽しい
前作は視聴していた方が楽しめるが、別に見ていなくとも面白い作りになっている。
笑いも適度に交えながら、前作を超えるスピード感のある映像と展開
そしてチャプターごとにコミックの表紙が差し込まれる演出で休憩がしやすい作り
複数に場面が分かれるなどの見にくい構成はなく、理解しやすいストーリー
かといって平坦な展開などではなく、常に見せ場を作っている。
最高
前作を超えるのは難しいだろうな、などと考えていたのが間違いだった
恐ろしいほどのクオリティの作品
スパイダーマンのセルフオマージュが多数含まれるが、
攻殻機動隊、AKIRAなどもオマージュされているのが面白い
次作が楽しみだ
スパイダーマン観たことないし興味もなかったけどたまたまWOWOWで...
スパイダーマン観たことないし興味もなかったけどたまたまWOWOWでやってて他に見たい番組もなくて開始1時間経過したぐらいのものすごく途中から何の前知識もなく何となく見始めたけど映像がめちゃくちゃにカッコよすぎて一気に惹きつけられて微動だにせず最後まで見てしまった、この映像は本当に最高にカッコいい。びっくりした。こんな世界観を作れるんだってガツーーーンときた。そして普通に続きが気になる、スパイダーマンのストーリー何も知らないのに面白かったし続編がめちゃくちゃ観たい。
前作に負けないアクションシーン!スパイダーマンへの愛に溢れた作品。
前作「スパイダーマン:スパイダーバース」の公開から4年、「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」を観てきたのでレビューします。
●あらすじ
マイルズはスパイダーマンとして、日々街の平和を守っていた。ある日、別次元からグウェンがマイルズに会いに来る。再開を喜ぶ二人だが、グウェンには別の目的があった。
●アクション
今作も前作以上の躍動感・スピーディーなアクションシーンの連続でした。目まぐるしいスピードでスパイダーマンたちが街を駆け巡ります。
ただ早いだけでなく、漫画の見開きのようなかっこいい止めのカットもありました。アクションシーンだけでも、何度も見返したくなるクオリティです。僕は特にインドでのアクションシーンがお気に入りです!
●ストーリー
全体的にテンポが良く、中弛みなくストーリーは進みます。
スパイダーマン全作品にも関わるような大きな決断を、マイルズは迫られます。
ただ、今作は2部作の1作目のため、消化不良で終わります。
次作への期待をもって「アクロス・ザ・スパイダーバース」は幕を閉じます。「インフィニティ・ウォー」程の絶望感はないので、安心してください。笑
●キャラクター
今作は特にグウェンに焦点が当たっていました。
グウェンのバックグラウンドからストーリーが始まるため、冒頭からグウェンへの愛着が湧きました。
グウェンと父親のシーンは背景が水彩画のように美しく、この2人の複雑で美しい親子関係を演出しているように感じました。
たくさんの様々な世界のスパイダーマンが出てきて、言葉の通りスクリーンが飽和します。ただ、メインとなるスパイダーマンは限られているので、食傷気味になることはありません。
新しいスパイダーマンもたくさん出てくるので、この映画を見終わった時、あなたの好きなスパイダーマンもきっと増えています!僕は特に「スパイダーマン・インディア」が好きになりました。それと、恐竜のスパイダーマン?もかなり気になっています。笑
●演出
僕は吹き替えで鑑賞しましたが、声優陣は完璧でした。前作から続投している小野 堅章(モラリス役)、悠木 碧(グウェン役)、宮野 真守(ピーター役)はまるでこちらが本家のようでした。今作から出演した関 智一も威厳のあるリーダーのミゲルにハマリ役でした。
各キャラクターの登場シーンは、アメコミの本が出てくる演出も好きでした。スパイダーマンの映画ファンが「わっ!」と驚くようなサプライズもあり、スパイダーマンへの愛で溢れた作品になっています。
●まとめ
前作から4年、「スパイダーバース」がパワーアップして帰ってきました。次回作の「スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース」が待ちきれません。スパイダーマンファンとしては、この「スパイダーバースシリーズ」で、更に親愛なる隣人のコンテンツが盛り上がってくれると嬉しいです。
TO BE CONTINUED…
『マダム・ウェブ』に備えて、やっと観ました。
スパイダーマン大好きなんだけど、アニメだからイイヤと放置してたので(笑)
前作は1話完結でしたが、今回の話は1作だけでは完結しません。
『キル・ビル』みたいに、あからさまに途中で終わります(笑)
『スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース』Vol.1、って感じですね(笑)
前作もだけど、アニメだからとナメてたら予想より面白かった。
でも、これ実写で観たかった(笑)
ちなみに、このアニメのスパイダーマン世界は、実写版とも繋がってて、少しだけ実写パートあります。
エマ・ストーン戻ってきて!!
マルチバースだから可能でしょ(笑)
To be continued
ありきってどうなんだろう。
ほぼ期待していなかったが、おもしろかった。
アメコミらしい絵に初めは違和感もあったが、
徐々に劇画調に見えてきて引き込まれた。
特にスパイダーウーマンが魅力的で彼女メインでいいのでは?と感じた。
実写でないことが心から惜しまれるが、
これを実写化するのはコスト的に無理?
みんなのために1人が犠牲になっても仕方ないかは永遠のテーマだろう。
個人的には総論賛成、各論反対。
大事な人を犠牲にするくらいなら人類滅亡を選ぶ。
だから主人公にはシンパシーを感じる。
続編ありきを否定はしない。
だが、1作ごとにそれなりの結末は欲しいところ。
まさにアニメの最先端。すべてを網羅しつつ、正義とはなにかを問う。
これはすばらしかった。
前作でアニメの最先端を体感させてくれたが、今回は自らそれを上書きする仕上がりになっている。
ちなみに、製作費は148億円で興行収入は1,026億円。
前作は製作費が133億円で、興行収入は、557億円だった。
実に倍の売り上げだ。前作の評価が高く、第二作への期待値が高かったのだろう。
今回のヴィランはスポットという、次元を移動するキャラクターだ。
ただし、物語の中心になってくるのは、家族であり、仲間であり、他のスパイダーマンだ。そして、正義とはなにか、という問いが、すべての中心になっている。
今回も大量のスパイダーマンが登場する。そして、大量のスパイダーバースだ。
それを表現するために、さまざまな映像のバリエーションが用意されている。
まったく違う映像を、一本の映画の中にまとめあげるセンスは見事としかいいようがない。制作現場は地獄だったという話も聞いており、作品がよければどんな犠牲を払ってもいいのかと言われると言葉に詰まるが、やっぱりこの映像は他のアニメでは見られない。
しいて言うならば、SHAFTの「化物語」の自由さが、本作に近い。もちろん、規模が全然違うのだが。
前作は、リブートを繰り返して、ヒットはするものの新鮮味を失いつつあった「スパイダーマン」というコンテンツを斬新な切り口で表現してみせた部分が独創的だった。本作ではその長所をさらに伸ばし、なおかつエモーショナルな物語を構築している。まさにすべてを網羅した作品だ。
制作現場の問題点を知りながら、結局は絶賛してしまうわけだが、それだけの魅力とパワーのある作品に仕上がっているのは事実だ。というわけで、「スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース」が待ちきれない!
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