BLUE GIANTのレビュー・感想・評価
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まさかの『EX-ARM』
音楽は素晴らしく、声も(本職同等とまでは言えないが)違和感なかったし、作画も問題ない。
しかし、それ以外はイマイチだった。
3人中2人も短期間で急成長しているが、「努力」の二文字で片付けられる。
特に玉田は、『はじめの一歩』でいう「釣り船で足腰が鍛えられていたから」のような地盤がないと説得力がない。
また、主人公である大が作中で一番変化の無い人物というのも作劇上どうなのだろう。
CGは動きもお粗末だが質感がヒドく、なのに手書きと同居させる『EX-ARM』状態。
演奏中の演出もやたらと派手にし過ぎてメリハリが無く、そのくせ止め絵も多用、必ず回想を入れ込むワンパターンさ。
ただでさえバリエーション豊富だったのに最後の曲で更に新たな演出を入れられて正直クドかった。
(ロックだし漫画だが)『DESPERADO』くらい現実的か、『SHIORI EXPERIENCE』くらいぶっ飛んだものを“ここぞ”で入れるくらいが好み。
アクトの天沼や雪折の現実的な意見を、単純に間違いのように描いてるのも好きじゃない。
テンプレ交通事故展開は諦めるが、アンコール参戦させるならせめて一週間前とかにした方がよかったのでは。
話に新味もなく、ただ演奏を聴く映画でした。
『デカダンス』や『モブサイコ100』は最高だったのになぁ。。
熱かった
熱い!暑い!とにかくあつかった!
観てるだけなのに、汗だくになって観てました
(館内が暑すぎたのか..?)
それだけすごかったんだと思います!
音楽が好きで、ずっとやってきたけど
JAZZは難しいという思いから遠ざけてました
ジャズしてる人はレベルが違う、すごいなあと本当に尊敬してました
今回の演奏を聴いて、やっぱりJAZZ奏者は音楽の神様だなあと改めて感じたのと、迫力とすごさに魅了され圧感でした
こんなにもJAZZを堪能できて、その表現や絵を観れて最高で素晴らしい時間でした
また、登場する人たちはみんな心が強くて全然泣かない!男の子だから当たり前か?笑
でも泣かせにいかないのがまた苦しくて熱くて..!
主人公なんか爽快なくらいいいやつで真っ直ぐで気持ちよかったです
そして観客たちが自由に音にのったり泣いたりしていて、関係性も無駄なくほんとによかった!
そして、エンドロール後がもう堪らんかったです!
いちばん泣きました
と言っても泣く時間をくれず、泣きながら帰りました笑
こんなのは初めてです
5分でいいから真っ暗なままにしてほしくなります
あーもう一回観たいなあ
凄い熱量です。
確かに、日本編を圧縮した話らしいので、
物語的にちょっと展開が早く感じるのは、尺の都合上。仕方ない。
それを余りある。音楽の素晴らしい差が。伝わる作品なので、満足です。
きっとうまく想像できてなかった「音」が聴けたことに感謝!!
Dolby Atmosで観たくて……いや聴きたくて、朝早くから鑑賞@TOHOシネマズ新宿。
原作コミックの大ファンですが、マンガではバババッパッパーとかって表現されてる大のサックスが聴こえてきそう、凄いんだろうなあとは思いつつも、それはジャズをよく知らない私の想像を超えていたのに違いなく。
上手いけどユキノリの性格が出ちゃってる?ピアノも、大のパワフルなサックスも、最初は拙かった玉田のドラムも、上原ひろみさんはじめ一流のプレイヤーさんが、役者のように演じてくれたと聞き感服!感謝しかありません。
ライブ、特にそれぞれのソロのシーンは私には感動しかなかったなあ……。なんでみんな拍手しないの!?って思っちゃったほど。
そしてもう涙なくして観られなかった、ユキノリに優しいJassのラストステージにも感謝です。
……「あのまんま」じゃ辛すぎて……。
これまでラテンジャズしか聴きに行ったことのないブルーノートですが、また行きたくなりました。もちろん今度はホーンがカッコいいジャズを♪
そしてヨーロッパとアメリカでのダイも、映画で観られる日を楽しみに待ちたいです!!!!
ちらほら気になる点が
原作は全巻観ています。
ジャズ知識はありませんが、楽曲は本当に素晴らしかった。後から作曲されたにも関わらず、FIRST NOTEやN.E.Wってこういう曲だったんだ!って思う事ができました。作中のキャラのようにジャズのイメージを知れた感じがしてよかったです。
ただ、CGを含め作画は安定していないなと思いました。
前述の楽曲も相まって素晴らしい場面もあるのですが、それが突如別人のようなCGに代わり…、また「おっ!いいね」と感じるシーンになったと思えば再び別人が現れたりと、コロコロ作画が切り変わる為、集中出来ないことが多く残念でした。
ストーリーに関しては上手く纏まってるなと思ってましたが、最後の原作改変は残念ながら頂けませんでした。
指がめちゃくちゃになるような事故の2日後にあんなプレイできますかね…そもそもピアノの椅子に座ってられるのか…。(フィクションなので無粋な考えですが)
原作の時点であまり好きな展開ではなかったのですが、より気になってしまいました。
観賞後モヤモヤがあり、初映画レビューしてみました。書き出すと驚くほど文句ばかりとなってしまいましたが、上記不満を差し置いても、映画館の音響で観る価値はあると思います。
みんなに見て欲しいね
原作ファンで見に行きました
原作での序盤結構端折られてはいるものの違和感なく、2時間にまとめるにはしゃーなし
素晴らしいものであった
1つの事に夢中になれるってなんて素晴らしくそして羨ましくも感じた青春映画だった
漫画では聞こえない音がこんな音だったのかと感動したし
ステージでの演奏描写が凄まじくて素晴らしい
改めてブルージャイアントが好きになった
興味ある人はぜひ見てほしいね
青く輝く
原作の存在は知っていましたが、未読のまま映画を観ました。鑑賞形態はDolby-Atmosです。
なんつうパワーを持つ作品なんだ…!と興奮と感動に一気に襲われました。ジャズという音楽のジャンルををここまで体感できるとは…!
とにかく演奏シーン含め音楽のクオリティが素晴らしいです。サックスの演奏シーン、息をもつかせないスピードとパワーの持った演奏、ドラムとピアノに合わせて溶け込む演奏、ソロでの爆発力、演奏するシーン一つ一つに圧倒されっぱなしでした。ピアノも手先から生まれるメロディーの数々に翻弄され、アニメの線が濃くなると同時に音も豊かになっていくシーンは身震いしました。ドラムも最初はシンプルなビートだったのに、終盤になってくると技術の上達を身をもって感じることができ、滲み出る汗は観ている側もかいてしまうくらいの情熱がそこにはありました。映画内の観客たちと一緒に声を出して盛り上がりたいと思えるレベルの演奏が最高でした。
ストーリーも原作の第一部をぎゅっとまとめているはずなのに、物語としての完成度が高くて、きっと製作陣の取捨選択が上手いんだなと思いました。宮城から上京してきた主人公・宮本大がジャズバーで圧倒的なプレイを見せた沢辺雪祈と、上京して転がり込んだ家の家主の玉田俊二と共にジャズバンド「JASS」を結成し、ジャズミュージシャンの目指すべき舞台へ向かい邁進する物語になっています。とてもシンプルかつ王道ですが、これが青年3人たちの成長譚として抜群に面白くなっています。
キャラクターも熱血感の大、天才のように見えて努力の塊の雪祈、0からドラムを始めて仲間との絆を大切にした俊二と3人の個性が良い具合にぶつかり合っていて良かったです。この作品を観て思ったのが、ジャズのバンドってそこまで聞かないなと思いましたが、メンバーは入れ替わり立ち替わりが多いからロックバンドのように一つの形で長く続けていくものとは違うんだなと同じ音楽でも形の違いを感じることができました。大の独り立ちを見送る2人も相当な決意だったんだろうなと思います。
なんとなく雪祈の事故のシーンは予測できたのでやっぱりかという感じはありましたが、命があるだけでも他の作品よりも救いがあったのは良かったです。
劇中でおそらくその後の俊二や恩師たちの映像が流れるのは、第二部以降の物語とバランスよくくっ付けているのも巧みな作りだなと思いました。これは第一部を見てから第二部にまで手を出してしまいたくなるレベルです。
少し残念だったのが、モーションキャプチャーを用いて作られた演奏シーンが少し前のゲーム映像のような古臭さがあったのが残念でした。せっかくの演奏シーンよりも映像の粗さに目がいってしまうシーンが多く、1人だけを映すシーンとかはまだしも3人全員が映るとどうしてもそこが気になってしまいました。もちろん手書きが難しいのは重々承知で贅沢な事を言っている自覚はあります。
映像化されるかされないかで少し前から騒がれていましたが、最高の形でのアニメ映画になってくれました。製作陣の熱意には頭が上がりません。ジャズ体感ムービー、これはぜひ劇場へ。
鑑賞日 2/21
鑑賞時間 10:00〜12:10
座席 P-14
100点じゃないけど、最高でした
原作は元々JAZZを聴いていた事もあり、リアルタイムでずっと読んでいて、今回の映画化された部分もビッグコミックの発売日を毎号楽しみにしながら読んでいました。
影響をモロに受けて例の店にLiveを聴きに行ったりもしています。
手が震えて直視できなかったあのシーンを誌面で見た衝撃と喪失感は未だに覚えています。
原作Explorerの進行とこの映画の公開を合わせてきた神々の御心のお陰で、ようやく東京に置いてきた心が拾えそうです。
さて、映画BLUE GIANTですが原作4巻〜10巻の東京編を2時間の尺にぶっ込んでますので予想通り中々の力技で原作改変やシーンカット&登場人物の未登場などがあり、玉田の成長などもっと丁寧に描いてもらいたかったなぁとか、CG映像の不自然さに「ん?」となる部分があったり思う事は無くはないです。
ただ、エピソードの取捨選択が上手く、回想シーンや巻末インタビューシーンを挟みながらこちらの違和感を解消しつつ、話が進むにつれどんどん作品に引き込んでくれる構成と、何より映画化1番の魅力であろう演奏シーンでは息づかいまで聴こえてくる圧倒的サックス、ちょっと上手すぎでしょ玉田くんwなドラム、上原ひろみさんの超絶ピアノの演奏のド迫力に「いいから聴け!」とばかりに気持ちよくノックアウトされました。
何よりラストの20?30分?のシーンでは映画館で未だかつてないほど号泣しっぱなし。
どうしてあんなに泣いたのか考えて出た答えは、あのシーンは当時色々な理由を考えて自己完結してはいたけれど、本当は1番見たかったシーンだから。
叶わないと思っていた瞬間に1人の観客として立ち会うことができた、その錯覚と感動と感謝で顔面ぐちゃぐちゃにされました(涙)
そうか、だから代打で演奏したのは姉妹店だったんだ。
そうか、だからあの言葉は玉田じゃなくて大がみんなに言ったんだ。
CD、DVD買います。
続篇もぜひお願いしたいです。
JASSのライブをぜひ劇場ご覧になって下さい。
オレ達、最高だったな!!
素晴らしかった
原作漫画は大評判だったので読んでみたのだけど、どんな音楽なのか分からなくてモヤモヤするばかりで読むのをすぐにやめた。この映画ではそんなモヤモヤがすべて解消されるどころか素晴らしい演奏と曲と音とで大感動だ。
ロン毛くんが高慢で、それを手厳しく批判される。しかし、若い芸術家はそのくらいでないとよくないのではないか。実績があるわけではなく、自らを鼓舞する必要もある。他者に冷淡であるのは、感じが悪いがそれは手痛い目に会って学べばいい。批判してくれる人は優しい。もし自分が近くにいたら、そのままガンガン登って行けと煽るかもしれない。
努力するひたむきな姿勢が描かれる。真に才能があったら努力を苦にせずすいすいとやっていくと思う。表現者として圧倒的な存在は、絶対的に一般人とは違う。初めから輝いている。ドラムの人の苦しみは一般人の苦しみだ。
ロン毛くんがわびしいアパート暮らし。あんな高慢ちきなのにボロアパートを苦にしないのは自分に誇らしいものが備わっていて、常に前進し続けている真のプライドがあるからだろう。かっこいい。
性根の腐った人は誰もいない世界で、こんなだったら素敵だ。
楽器が奏でる旋律の調和
映画館のサラウンドで見るべき作品でした👏🏻✨
3人の出会いから、ジャズバンドとして少しずつライブの規模が大きくなっていく様子が描かれていて良かったです。
最初はドラムが初心者なので気まずい雰囲気ですが、
お互いを信頼することで演奏にも自信がついていく過程の描き方が好きでした😊
ラストの憧れの会場でのライブでは、ピアニストが怪我をしてしまったのがとても心が痛かったです…
ライブ終盤で3人そろっての演奏は情熱的で素晴らしかったです!✨
3人が宇宙にいてブラックホールの中で演奏しているシーンが印象的でした!
原作越えの感動
原作は好きな作品だったので、とても楽しみにしていた。
感想
原作の魅力が圧縮された素晴らしい傑作だった。
・物語構成
原作の東京編を2時間映画として、コンパクトに圧縮した物語構成になっていた。
その結果、部分的につぎはぎ感はあるが、原作の名エピード傑作戦という終始感動できる魅力的な脚本になっていた。
仙台編での積み重ねパートを大の演奏に合わせて写す演出は大の努力の積み重ねを短時間で感じさせる見事な演出だと感じた。
雪祈復活のラストライブは原作越えのエピソードだったので、驚かされると同時感涙させられた。
・音楽
原作でイメージしていた以上に精錬されて、迫力が増した楽曲とお洒落なBGMに酔いしれる事ができた。特に、原作越えのラストライブのfirst note のど迫力さには圧倒された。
・声優
最初は違和感があったが、途中から慣れたので作品に集中して鑑賞できた。
・気になる点
ライブシーンのCG、原作のダイジェスト感(仕方がないと了承済み)については、違和感があった。
総評
多方面からの原作の再現度の高さと原作越えのクライマックスに感動させられた傑作。
待望のライブシーンは独自の作画演出、高品質な楽曲により圧倒させられた。
ジャズとは何か
――ジャズとは何か。その答えがここにある、のでしょうか? 正直、初心者ですら無い私にはわかりません。原作も知らず、大して予備知識も無かったのですが、圧巻の骨太い演奏、迫力の映像に圧倒されっぱなし。
ストーリーは難しいことも何もありませんでした。壁にぶつかることもあるけど、シンプルに成長していく野心満々の主人公達。先輩に対し「頑張ってください」はちょっと笑ったw
これは劇場で見て良かった。自宅のスピーカー、手持ちのヘッドホンであれほどの迫力のある音響で聴けるものでは無いでしょう。アニメーション技術も劇場版ならでは。実写では不可能な面白さも満載でした。
そして未来のある気持ちの良いエンディング。これでジャズ人口が増えるかもしれませんね。
面白かったー! んだけども…
面白かったー!音楽アニメとしては最高に好き!
なんだけども、、
仙台編が抜けてるのがとても気になった。あの時間こそが話の根幹だし、地元での人間関係が大の人柄を形成したし、大を育んだ時間と性格が物語のガソリンとなるんだからちゃんと描いて欲しかった。 この辺は【ver.0.5】とかできちっとアニメの描き方でやって欲しい所だなぁ。
それに大の「ずっとジャズをやる」努力とユキノリの苦悩をもっと描いてもよかったかな。じゃないと2人はスーパーマンとしてしか感じない。 玉田の描写は良かった!
ライブの描写は素晴らしい!アニメならでは! ただジャズは魔法じゃないしなーって。 クライマックスもなんか、ドラマチックにしすぎなような… あと泣きすぎ なw
bonus truckはエンドロールでやれば良かったんじゃないかなー。。
サントラは素晴らしい!さすが一流プレイヤー達。
原作が大好きなのでいろいろ思う事書いたけど、面白かったです。
興行成績次第で2もあるんだろうけど、楽しみにしてます!
言葉を失いました、
丁度公開日前の夜中からバンド仲間と喫茶店でお互いの蟠りや音楽、これからの活動について語り合っていたところで解散が忍びなくなって流れで自分は予備知識もないまま一緒に映画を見に行きました。
「"音楽が上手くなる"ってなんだろう」
ココ最近、ずっと自分の目指す先を模索しさまよってるところにこの映画はあまりにも真っ直ぐで圧倒されてしまいました。
キャラクターの人物像があまりにも自分に突き刺さってしまって言葉が出ませんでした。
己が体で音楽を奏でる大の熱さと全力さ
自分の技術と正確性を固執するがあまり苦悩する雪祈
2人に全力で食らいつく一生懸命な玉田
全てが自分に必要な人格で言葉を失ったまま吐き出しようのない感情でいっぱいになりました。
映画を見たあと仲間も誰も言葉を発せずそのまま解散しました。きっと全員が同じ気持ちだったのでしょう。
未だにあの感動を言葉で表現することは難しいです。
ぜひ何か全力で取り組みたいものがある人には見ていただきたいです
【格好いい】しかない映画。良い意味です。
映画もJazzも大好きで
さらに漫画もアメリカ編までずっと読んでます
今回1番気になっていたことは
皆様も同じかと思いますが
漫画の音
漫画のイメージがどこまで
伝わるのか?
でした。
答えはびっくり
予想を遥かに超えた音でした。
これが宮本大の音なんだと
ビシビシ伝わってきました。
超一流のミュージシャンの演奏に
ずっと興奮してました!
原作より三人の仲間の友情をフィーチャーした感じも、良かったです。
ブルーノートに早速発掘活動に行こうと思いました。
最高のJAZZミュージックとストーリー!!ただCGが残念😭
待ちに待ったブルージャイアントの映画を観てきました!
元々漫画のファンであり、あのストーリーに実際に音楽が乗るということで、非常に楽しみにしてました。
映画の物語は、大が東京に上京する所からスタートし、雪祈、玉田の3人とSoBlueでのライブを実現させるまでの内容でした!
日本のトッププロによる音楽もめちゃくちゃカッコよく、最高な作りになっていました!!
大の真っ直ぐさ、雪祈の挫折、玉田のガムシャラさに涙を堪えるのに必死で、最後のSoBlueでのライブは本当にカッコよく最高でした。
ただ、演奏中の映像にCGが使われており、このクオリティーの低さはかなりガッカリでした。
初代プレステに出てくるキャラクターかと思うくらいチープな映像であり、最高の音楽も冷めてしまいうレベルだと個人的には思います。
ストーリーと音楽最高だったので、それを差し引いても観る価値はかなりあると思います。
ヨーロッパ編、アメリカ編と原作は続いてますので、映画でも続編を是非やって欲しいです。しかし、その時はなんとか演奏中の映像のクオリティーを上げて欲しいです。
BLUE GIANTの炎を画がさらに燃え上げる
BLUE GIANTを初めて読んだのは18歳の時でした。当時"セッション"という映画が友達内で話題になり、その勢いで安直に"ジャズ漫画"に手を出したのがはじまりです。みんなが理解できないものはカッコいい、そんな安易な発想でした。
主役と同じ年齢というのもあり、自分自身をそこに重ねに重ねページを捲る手が一向に収まらなかったのを今でも忘れません。
冒頭で大が上京するシーンはすごく見たことがある映像で、背景は新海誠監督の作品に負けず劣らず。想像以上に綺麗でその時点でスクリーンを安心して眺めていられました。
大と玉田の再会。表情の動き方が漫画のまんま。違和感のない作画です。最後に無印版BLUE GIANTを読んだのはいつだっただろうか...直前で読み返していなかったので懐かしさを感じました。
東京でジャズを吹ける場所を探す。土方のバイトで食い繋ぐ。ジャズがある場所を探す。大の行動はこの時から既に凛々しさが感じ取れます。この先のストーリーに導かれているのでしょうね。
スクリーンはtohoシネマズ池袋の3番スクリーンでした。公開初日から音が良いという評判を小耳に挟みつつ上映スケジュールを見た僕のベストがここでした。結論、問答無用に全然いいです。今まで君、猫被ってたんじゃないの?と疑いたくなる程、通常のスクリーンでもかなり良いんですよ。これが。
take twoで聞いたレコードの吹きはじめた瞬間ストレートに感じました。聞いた音に反射で息も呑みます。
沢辺雪祈との運命的な出会い。ライブの音の臨場感はレコードのそれを大きく上回るように感じ、漫画から鳴っていた音の答え合わせもしました。いい意味で想像と全然違い、一瞬で満たされます。それと同時に周りの方々がノイズを消そうと意識しているのがすごく伝わりました。きっとシートごとジャズが飲み込んだんでしょう。
玉田くんがドラマーになりました。サークルで精の無いメンバーと大のギャップに違和感を感じた時点でかなり才能あると思いますよ。そして、持っている者と持たざる者の視点が同時に進んでいきます。
空き缶を叩く姿に勝手に親近感が湧き、その分初ライブでの姿は見れば見るほど心が痛かったです。その後の全力で向き合う姿で再度心打たれます。かなりしんどい成長痛だったのかもしれません。
"やらされてんじゃねえよ。俺がやんだよ。"
彼の大好きなセリフも聞けて心底満足です。
JASSが結成されます。この辺で原作とはストーリーの順番が改変されている事に見終わった後に気づきました。なので見ている時は気づきませんでした。それ程自然な流れになっていると思います。でも読んだのは結構前なので忘れてるだけなのかも。知らんけど。
so blueまでの道のりは割とトントンだったと思います。はっきりと覚えてないので記述しません。
立川譲さんが監督だったおかげなのでしょうか。ライブのエモーショナルな部分の演出がかなり良かったんです。
去年末に"アニメモブサイコ100"を見ました。監督が立川譲さんでした。簡潔に言うと超能力アクションな漫画原作のアニメですが、戦闘中に度々虹色の宇宙のような演出が見えるんです。この方がBLUE GIANTを監督するとなるとどんな風になってしまうのか想像がつきません。想像がつかないからこそ、それを超える最高の演出でした。この演出部分に最大限の興奮と感謝を感じました。ジャズで感情を伝えたいと目標に掲げる大の演奏。聴いている僕たちを丸ごと情熱の世界に包んだ演出に涙が溢れました。
それに片手だけでアンコールに登場してしまうなんて。そんな無理強いするような想像は今まで一度もしたこと無かったのですが...w 出口に来てくれただけで本当に涙が止まりませんでした。
演奏中のフラッシュバックやインタビュー時の描写、まるで原作ファンが創作したかのような出来栄えに感極まりました。もちろん原作を知らなくてもかなり楽しめます。音楽が好きな方には是非、必ず見ていただきたいです。
最後に。
読んだ当時のことを思い出し、読んでいた瞬間の感情をより深くもう一度味わえました。こういうことならもっと早く映像を見たかった。その時と比べ歳を取ってしまったけれども自分もまだまだ青く燃えることができるだろうか。そう思わせてくれたBLUE GIANTにもう一度会うことができて本当に良かったです。携わってくれた方々本当にありがとう。
JAZZのカッコよさ
原作未読者の視点で述べていく。
JAZZは静かでお洒落なイメージだったが、JASSの奏でる曲は良い意味で荒々しさや熱さがあって、素人ながら純粋にカッコいいと思えた。
特に良かったと思ったところは
・玉田の成長
・So Blueでの玉田のドラムソロ
この2点だった。
玉田は他のメンバーと比べて自分が劣っていると悩んだり、観客から自分だけサインを求められず落ち込んだり、等身大の青年という感じで感情移入できるシーンが多かった。
そんな中でも1人の観客が「君のドラムはどんどん良くなっている。」「成長する君のドラムを聴きにきている。」というような言葉をかけてきてくれるのは、結果だけでなく過程を見ている人もいるという希望を感じさせてくれる良いシーンだった。
そんな壁を乗り越えた玉田が魅せるドラムソロは熱い。
彼のそれまでのドラマも踏まえて感動できる今作で最も好きなシーンだ。
作画もあそこがダントツで良かったと思う。
ただ気になってしまったところが多々ある。
・3DCG
3DCGを使ったこと自体が悪いのではなく、使うのならもっとクオリティを高めてほしかった。
BLUE GIANTのキャラクターデザインが写実的な分、CGになった時の無機質感というか、人間ではない感がより目立ってしまっているように感じる。
2Dではすごく汗をかいていて熱量を感じるのに3Dになった瞬間汗の量が極端に減ったり、そもそもキャラクターの顔が変わっていたり、動きに緩急が少なく規則的すぎたりといった部分が気になった。
音楽がメインだから…という意見もあるが、“アニメーション”映画であるならばそのクオリティは大きな評価ポイントだと思う。
正直3DCGに切り替わる度にそこが気になって没入感を大きく削がれた。
・雪祈の扱い
メインの1人としてがっつり描かれてきた彼を、最終的に大が覚醒するための舞台装置として使い捨てにするような脚本が不満だった。
作中に出てきた“踏台“という言葉の伏線回収が、バンドとして切磋琢磨してそれぞれが成功を収めていくことではなく、誰かが生贄になって残ったメンバーが覚醒することだとは思わなかった。
彼の主な役割がSo Blueとのコネクション作りと大の活躍のお膳立てで、文字通り本当に“踏台”になって終わってしまったようで後味が悪かった。
・So Blueの観客の泣き顔
JASSと縁のある人たちが泣いているのを映すのは納得だが、他の観客の泣き顔を映しすぎだと思った。
彼らがそこまで泣く心理としてはもちろん演奏自体が素晴らしいこともあるが、「メンバーが交通事故にあったのに頑張って演奏している」というのもあるだろう。
しかし前述した通り、3DCG、雪祈の事故によってカタルシスを生もうとしている脚本が腑に落ちなかったので、私は感情移入できなかった。
感情移入できていない状態で観客がほぼ皆泣いているという画を見せられると、どうしてもお涙頂戴感を感じて気持ちが冷めていってしまう。
途中で僅かに子供が笑顔で楽しんでいるカットがあるが、そういった同じ感動でも違った発露のさせ方をする人間がもう少しいても良かったのではないだろうか。
・大の人間性
私は彼のルーツも知らないのでなぜあそこまで折れずに真っ直ぐでいられるのかわからなかったし、あまり共感もできなかった。
雪祈や玉田は自分の演奏で壁にぶち当たり乗り越える人間臭い描写があるため魅力的に感じるが、大にはそういう描写が無い。
天才なりの悩みや挫折を描いてほしかったが、やはり映画という短い尺では厳しいのか。
正直、玉田が主人公でその成長を追う2時間の方が私は感情移入しやすいと思ったし、あのドラムソロもより輝いたと思う。
総括
原作を読めば解消するのかもしれないが、映画だけだと引っかかる点が多々あり点数(2/19時点で4.2)ほどは楽しめなかった。
しかし要所での熱い展開は魅力的だし、音楽が良いのは間違いない。
音の良いドルビーアトモスで観て良かったと思う。
ベストな観客
原作シリーズのファンでありながら、第一部である日本編についてもはやほとんど記憶にない。こんな私こそがこの映画版のベストな観客足り得るのである(笑)。単行本10冊に及ぶ内容に加えて映像化で当然必要になるライブシーンもたっぷり取って120分に収めている。3人の成長と大の信念に絞り込んだ脚本は見事だ。音楽はオリジナル曲もジャズ素人の私ナドにも十分盛り上がりや頑張ってる感が伝わるあたり、きっと巧いのだろう。役者では間宮祥太朗がうまかった。
惜しむらくは演奏シーンと平時のルックが異なっていた点、それと音楽の背景のバリエーション豊富なイメージカットが、正直多少うるさかった。演奏の絵と音楽だけでは持たないと思ったのだろうか。あとエンドロール後、雪祈には大げさに泣かないで欲しかったな。
Supremeな次回作を、今度はシリーズで堪能したい。早めにまってます。
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